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iCloudドライブ(1/2)

著者: 栗原亮

iCloudドライブ(1/2)

アップル純正のクラウドストレージ

さまざまな書類をインターネット上のサーバに預けておき、複数のデバイス間でデータを同期できる「クラウドストレージ」。代表的なものとして「ドロップボックス(Dropbox)」や「ワンドライブ(OneDrive)」がありますが、今回解説する「アイクラウド・ドライブ」はアップル純正のクラウドストレージサービスです。

iOS 8とOS X10・10ヨセミテ以降の環境が必要ですが、アップルIDを登録するだけで使い始められる手軽さと、システムと一体化した使いやすさが最大のメリットです。ストレージの容量は5GBまで無料ですが、有料プランで容量変更も可能。以前のバージョンのMacにあった「ドキュメント・イン・ザ・クラウド」の機能と異なり、保存するファイルの種類を問わないのも特徴です。また、ウィンドウズとも書類を同期できるのもメリットです。

たとえば、Macでキーノートのプレゼンテーションを作成してアイクラウド・ドライブに保存すると、インターネットを介して同期し、iPhoneのキーノートアプリからも同じ資料を使えます。また、共有したいファイルをアイクラウド・ドライブ内に保存しておき、そのファイルへのリンクをメールやメッセージで相手に送信できます。さらに、ソフトによってはインターネット越しの共同作業まで可能です。

どのような種類のファイルでも自動同期して、デバイスの種類にもあまり制約されず管理できるアイクラウド・ドライブの活用方法について理解を深めましょう。

アイクラウド・ドライブとは何か

アイクラウド・ドライブはアップルIDごとに用意されたファイルの保管場所です。各種の書類を保存して、ほかのMacやiOSデバイス、ウィンドウズからアクセスして閲覧・編集できます。インターネット接続されている限り、それぞれのデバイスのローカルストレージ内にも最新のデータが自動的に残ります。

アイクラウドのストレージ容量

アイクラウド・ドライブのストレージ容量は無料で5GBまで利用できますが、写真やiOSデバイスデータのバックアップ、メールの容量なども含まれます。それぞれの使用量を確認するにはシステム環境設定の[iCloud]パネルから[管理]をクリックします。

●アイクラウド・ドライブの月額利用料金

容量プランは既存の容量に足すのではなく、拡張後の総容量で表示されています。購入にはクレジットカードのほか、iTunesカードによるチャージ分も利用できます。 ※いずれも税込価格、2015年8月1日現在

使用できるデバイス/コンピュータ

●iOS デバイス(iOS 8 以降)

●Mac(OS X 10.10ヨセミテ 以降)

●iCloud for Windows がインストールされたウィンドウズPC

●iCloud.com(WEBブラウザ)

【基礎】トリあえず知っておきたい

アイクラウド・ドライブの操作で何ができるのかを確認しましょう。意外と知らないことがあるかも?

アイクラウド・ドライブの設定

【1】アップルIDでサインイン

Macのセットアップ時にアップルIDでサインインします。していない場合は、システム環境設定の[iCloud]パネルからアップルIDとパスワードを入力してサインインします。

【2】アイクラウド・ドライブをオン

キーボードの電源ボタンを1秒間押すとスリープし、そのまま数秒システム環境設定の[iCloud]パネルで[iCloud Drive]にチェックを入れます。

【3】保存するソフトの選択

[iCloud Drive]の[オプション]をクリックすると、アイクラウド・ドライブに書類とデータを保存するソフトの一覧が表示されます。そのままでも構いませんが、必要に応じて選択します。

ファイルへのアクセス

【1】対応ソフトの書類を開く/保存

アイクラウド・ドライブに対応したソフトでは、書類の「開く/保存」ダイアログに[iCloud]の項目が表示されます。保存するとき、よく使う項目の[iCloud Drive]を指定しても構いませんが、ソフトごとのフォルダ分けはされません。

【2】ファインダのサイドバー

ファインダのサイドバーにも[iCloud Drive]が表示されます。フォルダを新規作成したり、ファイルやフォルダをドラッグ&ドロップで移動するなど、ほかのフォルダと同じように扱えます。

【3】WEBサイト「iCloud.com」

アイクラウド・ドライブへはWEBブラウザからもアクセスできます。iCloud.comにアクセスしてサインインします。詳細については次ページで解説します。

[iCloud Drive]のアイコンを選ぶと、ファインダと同じファイルやフォルダが表示されます。

ファイルの同期と共有

【1】各デバイスの同期

Macのアイクラウド・ドライブに保存した内容が同期されて、iPhoneやiPadのアプリからも同じファイルを閲覧できます。同期が進行中のアイコンにはプログレスバーが表示されます。

【2】他人と共同作業

ページズ、ナンバーズ、キーノートではファイルを共有してリンクを送信し、ほかのユーザと共同編集したり閲覧のみを許可するといった使い方もできます。

【豆トリセツ】

ウィンドウズ版のアイクラウド・ドライブを利用するには、ウィンドウズ用アイクラウド4.1またはアイクラウドコントロールパネルをインストールして開きます。バージョンによって多少動作やメニューへのアクセス方法が異なります。【URL】 https://support.apple.com/ja-jp/HT204283

【豆トリセツ】

アイクラウド・ドライブ内に保存してあるファイルを別の場所に移動したり削除すると、その情報が同期されて別のデバイスでもファイルの移動や削除が行われます。万が一のときのデータ復旧はiCloud.comで行えます。142ページの項目を参考にしてください。