ICTの活用で教育活動は拡大する! iTeachers×iStudentsプレゼント&トーク
ICTの導入によって、学校教育のあり方が変わろうとしている。そうした導入事例については、本誌のみならず数々のメディアでも報じられているが、その多くは自治体や学校単位の取り組み。そのような垣根を越え、本当に子どもたちに寄り添った教育ICTの活用を目指す教育者たちのチームがある。その名も「iTeachers(アイティーチャーズ)」だ。
1月31日、iTeachersとその教え子たちiStudentsによるプレゼン&トークイベントが開催された。ICT導入による学習の効率化や、昨今の話題であるプログラミング学習導入の意義について教育者たちが発表し、はたまた学生たちが新たな「学びのカタチ」を提示するなど、熱いプレゼンが繰り広げられた。その中でもひときわ興味深かったのが、広尾学園中学校・高等学校の金子暁先生が提唱する「学校教育の拡大」だ。
これまでの学校教育の枠組みでICTを活用しようとしても、同じ枠組みの中でしか人は育たない、ICTによって教育活動そのものを拡大し高度化することこそ、ICTを導入する意義なのだと金子先生は語る。実際に広尾学園では、信頼あるデータベースへのアクセスによる図書館との連携や、各界の著名人・専門家を招いての講義による社会との連携を、ICTの活用によってより密接なものにしていくという。その際に教師は、プログラムの運営・サポートに徹し、自ら指導をしない。こうした仕組みが、従来の教師から生徒へといった縦方向の教育を、柔軟に広げていくというのだ。
ICTの活用は、何冊もの辞書を持ち歩くよりiPadのほうが軽くて便利、というだけにとどまらない。何かの代替物としてではなく、それでしかできないことを開拓し、それらが教育活動に活かされることで、教育や教師といったものの定義までも変えていく。そこに教育ICTの未来があるに違いない。
こうした教育ICTへの取り組みと理解が、iTeachersの活動により全国に広まっていっている。今後も彼らの活躍に期待だ。
各登壇者が、ICTを活用した教育・学びのあり方について熱いプレゼンを行った。 ?東京国際大学4年生の長谷川加奈さんは、大学生活を通して、勉強(インプット)と学び(アウトプット)のスパイラルアップを図った。?玉川大学の小酒井正和先生は、学習を効率化することで「活用力」を育てる時間に充てるべきと提唱。?デジタルハリウッド大学2年生の和田泰弘さんは、大学での授業内外の様子をレポート。?デジタルハリウッドの栗谷幸助先生と石川大樹さんは、プログラミング教育の可能性と意義について熱弁した。?広尾学園中学校3年生の渡辺康太さんは、学校でのICT活用の実例と今後の展望について語った。?金子先生が描くのは、ICT活用の時代における新しい教育活動の形だ。
教育ICTを通じて「新しい学び」を提案する教育者チーム、iTeachersのWEBサイト。直近のイベント情報をチェックしたり、過去のイベントのレポートや動画のアーカイブを閲覧することができる。
iTeachers
【URL】 http://www.iteachers.jp/