7月24日にヤマハが『VOCALOID Editor for Cubase NEO』の発表会を行った。この製品は、『VOCALOID3』対応の歌声ライブラリを『Cubase 7』または『Cubase Artist 7』に組み込み楽曲制作を可能にするソフト。ウィンドウズ、ならびにMac対応で、どちらの環境でもボーカロイド(以下、ボカロ)の楽曲が制作できる。つまり、今まではボカロ楽曲の制作環境は、ウィンドウズに限られていたが、これを機にMacユーザーでもボカロ歌姫たちをお迎えできるようになるのだ。
↑「VOCALOID Editor for Cubase NEO」 画面とパッケージ、そして歌声ライブラリ「VOCALOID3 Library VY1V3 NEO」
発表会の冒頭では、ヤマハのボカロの父こと剣持秀紀氏が新製品について「Macに完全移植し、歌声ライブラリも順次対応します」と話し、デモンストレーションでは、ボカロP(ボカロ楽曲制作者)のキャプテンミライ氏が登場。さっそく同ソフトを使いアレンジを行った。「今までは面倒な作業が多かった制作が、VOCALOID EditorとCubaseだとシームレスに連携しているのでとても便利」と話し「音を再生しながらエディットし、リアルタイムで反映されるのはありがたい」とP目線で使い勝手のよさをアピール。なお、Macへの乗り換えの際は、以前制作したファイルもそのまま読み込むことができるため、今までの楽曲群も移行が可能だという。
↑オンラインレーベル「バイバイレコード」を運営するボカロPのキャプテンミライ氏(写真左)。
また、スペシャルゲストとしてクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之氏も会場に駆けつけ、「初音ミク V3」のリリースとMac版対応を発表。
初音ミクV3は、「誰もを音楽クリエイターに」をコンセプトに、音楽制作ソフト、楽器の音源とライブラリの入ったオールインワンパッケージだと話し会場を沸かせた。伊藤氏によると「初音ミクのVOCALOID3 Libraryは、もともとのニュアンスを保持したまま音をブラッシュアップ。V3の特徴であるトライフォン(3つの音素を結合させ聴こえをスムーズにする技術)を使い、音の滑らかさを追求した」とのことだ。また、「初音ミク V3 English」の世界同時発売(北米、中南米、欧州、台湾ほか)を予定していると話した。
今後、同社のキャラクターは順次Macに対応予定だという。お気に入りのキャラがV3対応になるのを楽しみに待つことになりそうだ。また同日、Megpoid(メグッポイド)を手がけるインターネットも音声ライブラリのMac対応を発表し、期待はますます高まるばかり。お気に入りの歌姫をお迎えするにあたって、自身のMacを最新の状態に整えておくことをおすすめする。
↑ヤマハの剣持秀紀氏(写真左)とクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之氏。
↑会見後には固い握手も。
「VOCALOID Editor for Cubase NEO」
[価格]1万円前後
[発売]ヤマハ
[発売日]2013年8月5日発売予定
[対応OS] MacOS X10.7(32bit/64bit)、Windows8、Windows7(32bit/64bit)
[CPU] Intel Dual Core CPU(Mac)、Intel/AMD Dual Core CPU(Windows)
[オーディオデバイス] Core Audio対応デバイス(Mac)、Direct X、またはASIO対応デバイス(Windows)