ストレージ不足に効く「NAS」という選択肢
写真や動画などをクラウドストレージに保存していたところ、すぐに容量がいっぱいになってしまったという経験はないでしょうか。また、そもそもiPhoneやMacなどのデバイス自体のストレージがいつもパンパン、という人も多いでしょう。かといって、大容量のクラウドストレージを契約すると、毎月サブスクリプション費用が発生してしまいます。
外付けのSSD/HDDを使う解決策もありますが、接続方法や規格の違いから、そのファイルにアクセスできるデバイスが限られてしまうという課題が生じます。また、複数のデバイスからファイルにアクセスするのに、いちいちSSD/HDDを接続し直すのは面倒ですよね。
そんな「容量問題」と「不便さ」を一挙に解決してくれるのが「NAS(ナス)」です。NASとは「Network Attached Storage」の略で、いわば「ネットワークに接続できるストレージ」のこと。この言葉だけ聞くとなんだか難しそうに思えるかもしれませんが、最近では簡単に構築できるNASが多く登場しているため、デジタルやITの知識に不安がある方でも、そういった製品を使えばそう難しくありません。
ここでは、そんな初心者向けのNASの中でも特におすすめしたい「DS223j」を紹介します。DS223jは、世界的なNASベンダーとして知られるSynology社の大人気家庭向けNAS「DS220j」の後継機です。
DiskStation DS223j
【販売】Synology Japan
【価格】2万7879円(Amazon販売価格)
そもそもNASって何?
Synologyは、2000年に台湾で設立されたNASベンダーです。6カ国に支社を置き、日本でも2018年にSynology Japanを開設しました。また、現在では1000万台以上のNASを100カ国以上で販売しており、社員の約8割はエンジニアというテックカンパニーでもあります。
ということで、さっそくDS223jの魅力に触れていきたいところですが、まずはNASの基本知識から簡単に解説していきましょう。
NASとは、ネットワークを経由して自宅のローカルネットワーク、さらにはインターネットからもアクセスできるストレージのことを指します。つまり、自宅にNASを設置しておけば、ネット環境がある場所からならどこからでも、手持ちのiPhoneなどを使ってストレージにアクセスできるのです。
NAS本体に加え、データを保存するSSD/HDDを自分で用意する必要がありますが、クラウドサービスのように毎月料金を支払うわけではないので、長期的に見るとデータ保管料を抑えられるでしょう。また、クラウドサービスには8TBや16TBのような大容量なストレージはなかなかないですし、あっても維持費が高額なことが多いのですが、NASであれば自分でSSD/HDDを用意すればいいだけなので、そうした大容量ストレージにかかる出費もコントロールしやすくなるはずです。
NASは、いわばプライベートクラウドのようなものです。NASに保管したデータは自分のどのデバイスからでもアクセスできるほか、データを友人や家族と共有したり、NAS内で写真アルバムを作成したりすることもできます。単に大容量ストレージというだけでなく、利便性も兼ね備えているのです。
市場にはさまざまなNASが存在しますが、なかでも高い人気を誇るのがSynologyのDS220jという製品です。Amazonでも星4.4/5(評価数は3462件)という高評価を得ており、特に、初心者でも簡単に構築できる点やコストパフォーマンスの高さが評価されています。
そんなDS220jの後継機が、今回おすすめするDS223jです。2023年6月29日に発売されたばかりの新製品で、その使いやすさに早くも注目が集まっています。また、“ガジェット感”が強すぎないホワイトカラーは、一般家庭でも使いやすいでしょう。洗練されたデザインとそのカラーは、Macの横に並べても違和感がないのも魅力です。
ホワイトカラーのDS223jは、さまざまなデスク環境にフィットします。シンプルなデザインは、Apple製品との親和性も抜群。サイズは165(H)×100(W)×255.5(D)mm、0.88kgです。
最大32TBをセキュアに保管できるDS223j
DS223jは、最大32TBのデータを一元管理できます。ここまでの大容量は、個人向けのクラウドストレージサービスはなかなか見当たりません。そのため、もし32TBのデータをクラウドで保管しようと思うと、いろいろなサービスを契約して分散管理することになってしまいます。
たとえば、iCloud+の2TBだと月額1300円、Dropboxの2TBは月額1200円です。この調子で契約していっても、32TBものストレージを用意するのは大変ですし、固定費としてこの金額を払い続けるのはあまりに高コストでしょう。
一方、DS223jの市場価格は約3万円なので、SSD/HDDを別途用意することを考えても、長期的にはコストを安く抑えられます。32TBもの容量は必要ない場合は、SSD/HDDの容量を減らして調整すればOK。また、家族全員でストレージを共有しながら使用するのもおすすめです。
DS223jは、前モデルであるDS220jと比べて、システムメモリが2倍の1GBになりました。これにより、データへのアクセスが軽快になり、これまで以上に写真や動画の保管がしやすくなったといえます。
さらに、複数台のSSD/HDDと組み合わせ、それを1台のSSD/HDDとして管理できる「RAID」にも対応しています。RAIDを活用すると、データを2台のSSD/HDDに書き込むので、仮に一方のSSD/HDDが故障したとしても、データが完全になくなってしまうリスクを低減できるのです。
また、無料のバックアップアプリ「Hyper Backup」が使えるため、DS223jだけあれば追加費用なく、データの一元管理や保護などが行えます。なお、Hyper BackupはSynology 社のアプリですが、同社製の製品間だけではなく、他社製のNASやサーバ、クラウドサービスへのバックアップにも対応します。
これにより、NASのデータをオフサイトバックアップ(遠隔地からバックアップすることで自然災害などに対処すること)し、3-2-1バックアップ(データは3つコピーし、2つのメディアに保管し、うち1つはオフラインに保管するという考え方)も実現可能です。
そして、MacやPCからDS223jにアクセスする際に便利な「オンデマンド同期」機能も用意しています。これは、MacやPCのストレージを消費することなく、必要なファイルを必要なときだけダウンロードできる機能です。そのため、ローカルストレージの消費を最小限に抑えながらNASに保管したファイルを利用できます。
写真管理アプリ「Synology Photos」も無料で使える!
最後の注目ポイントは、オールインワンの写真管理アプリ「Synology Photos」が無料で使えることです。
SSD/HDDに写真を保存するとき、「とりあえずアップする」「簡単にフォルダ分けだけする」というケースは多いはず。結局細かな整理は後回しにしてしまい、写真を見返したいときに、見たい写真がどこにあるのかわからない!というのがよくあることです。
そんなときに使いたいのがSynology Photosです。時系列やフォルダ構造、撮影したカメラ、レンズ、そのほかパラメータに応じて写真を自動でフィルタリングできるほか、Exif情報やAI(人工知能)による顔認識を活用し、自動でアルバムを作成する機能も備えています。
また、DS223j内の写真を共有することもできます。その際、共有スペース権限設定を活用すれば、特定の写真やアルバムだけを共有できるので、プライバシーの観点も安心です。
さらに、Synology PhotosにはiOS用のモバイルアプリも提供されているため、自動でモバイル端末から写真や動画をNASにバックアップすることもできます。iPhoneは、内蔵ストレージの容量に応じて本体価格が上がることを考慮すると、NASをうまく活用してiPhone本体のストレージ容量は控えめにしておく、というのも賢い選択でしょう。
人気モデルDS220jの後継として登場したDS223jは、まさに正当進化といえるスペックを備えた1台です。お手頃な価格や洗練されたデザインは、はじめてNASを導入するAppleユーザにぴったりだと感じます。
設定や使い方が難しそうに感じるかもしれませんが、直感的でシンプルなUI(ユーザインターフェイス)のおかげで迷うことはほとんどないでしょう。また、万が一わからないことがあっても、Synologyの公式ページには丁寧な日本語による「NAS 初心者ガイド」が用意されているので安心です。
快適にApple製品を活用し、ストレージのお悩みから解放されるために、ぜひDS223jの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
「Synology Photos」アプリは、Mac、iPhone、iPadからも利用可能です。出先でDS223j内のファイルを閲覧するのはもちろん、データのアップも行えます。クラウドストレージのような感覚で、モバイル端末のストレージを拡張できるのです。
企画協力:Synology Japan株式会社