私が検証しました!
小平 淳一
長野県で暮らすITライター&編集者。ときどきイラストレーターとWeb制作者。基本的に在宅で仕事をしているので、快適な作業環境の実現は大きな関心事です。
[SPEC]
【発売】Switchbot
【価格】8980円
【重量】約63g(電池を含む)
【本体サイズ(W×D×H)】約80×70×23mm
【Wi-Fi規格】802.11 b/g/n(2.4GHz)
【赤外線送信距離】最大30m
【赤外線受信距離】最大15m
【対応リモコン】8万個以上(スマートラーニング対応)
【URL】https://www.switchbot.jp/products/switchbot-hub2
人気の製品がバージョンアップ!
「エアコンの設定温度を変えたいけど、離れた場所にあるリモコンを取りに行くのが手間」「シーリングライトを消すためにベッドから起き上がるのが億劫」など、家電操作に関するちょっとした面倒さを感じることはないでしょうか。このような悩みがある場合、「スイッチボット(SwitchBot)ハブ2」の導入がおすすめです。
本機ができることは主に2つあり、1つ目は赤外線リモコンとしての役割です。たとえば、専用アプリ「スイッチボット」と本機を連係させ、同アプリにテレビやエアコン、照明器具など、赤外線リモコンを使う家電を登録できます。こうすることで、iPhoneやスマートスピーカなどから本機経由で家電をコントロールできるほか、指定した時間に特定のアクションを実行することも可能です。タイマー機能を備えない家電でも、より便利に扱えます。
そしてもう1つは、さまざまなスマートデバイスのハブとしての役割です。同社は数多くのスマート家電を販売しており、本機を使うことでそれらをまとめて管理できます。
同社では、近しい機能を持つ「スイッチボット ハブミニ」(以下、ハブミニ)を販売しており、筆者は数年に渡ってハブミニを愛用していました。今年の3月、その高機能版として本機が登場したことを知り、さっそく我が家に導入したというわけです。
なお、本機とハブミニは併売されています。本機はハブミニの機能に加え、筐体に温湿度計や照度計、自由に機能を割り当てられるワンタッチボタンが搭載されている点、赤外線の送信範囲がハブミニの2倍に強化されている点などが主な違いです。
設置場所の自由度が格段に向上した
では、本機を赤外線スマートリモコンとして使った場合の使用感からレビューしていきます。まず良いと感じたのは、先述のように赤外線の送信範囲が広くなったことです。リビングのテレビをアプリに登録したあと、テレビが直接見えない位置に本機を置いても問題なく利用できました。ハブミニだと赤外線が届かない位置関係だったので、改良のおかげで設置場所の自由度がグッと増しました。
また、これは本機でもハブミニでも同様ですが、アプリへの家電の登録が非常に簡単な点もメリットです。筆者の場合、自宅の家電の多くは自動的に機種を認識して追加できました。機種を自動認識できない家電だと本機を利用できないわけではなく、リモコンのボタンを1つずつ押して学習させれば登録可能です。ただし、自動認識の可否に関わらず、リモコンにあるすべてのボタンをアプリ上で再現できない場合もあります。「元のリモコンが完全に不要になった」とは言い切ることはできないものの、それでも主要な操作をiPhoneだけで行えるのはかなり便利です。
標準規格への対応で今後の発展に期待
続いて、スマートデバイスのハブとしての役割を見ていきましょう。同社は加湿器や見守りカメラなど、各種スマートデバイスを発売しており、我が家では玄関ドアに取り付けられるスマートロック「スイッチボットロック」と、カーテンの開閉を自動化する装置「スイッチボットカーテン」を利用しています。これらはハブを使わず単体でも利用できますが、ハブを使うことでWi-Fi経由での操作に対応します。つまり、外出先からアプリを使ってドアを施錠したり、カーテンを開け閉めしたりできるので、たとえば外出中に鍵を閉めたか不安になったとき、施錠状態をスマホから確認することが可能です。
なお、本機は新たに「マター(Matter)」規格に対応しました。「マター」は複数のIT企業が参加しているスマートホーム製品の標準規格で、iPhoneやMacの「ホーム」アプリとも互換性があります。つまり、ホームポッド(HomePod)などと一緒に、本機で管理しているスマートデバイスを「ホーム」アプリから操作できるわけです。ただし、今のところ手持ちの製品だと「ホーム」アプリで認識できるのはスイッチボットカーテンだけ。この製品単体でいえば「ホーム」アプリよりも「スイッチボット」アプリで操作するほうが便利ですが、対応デバイスが増えれば新しい可能性が見えてくるでしょう。
アプリ起動以外でも快適に操作できる
根底を覆すことを言いますが、家電を「スイッチボット」アプリで操作できること自体はすべてのケースで便利とは言い切れません。「スイッチボット」アプリを使ってテレビの電源を入れる場合、iPhoneを手に取ってアプリを起動し、デバイス一覧からテレビを選んで電源アイコンをタップ…。これだけの手順が必要になってきます。手の届く位置にリモコンがあるのなら、リモコンを直接操作したほうが断然早いでしょう。実は本機の真骨頂は、アプリを起動しなくても操作できる手段が用意されている点にあるのです。
たとえば、「スイッチボット」アプリはiPhoneの「ウィジェット」機能に対応しているため、よく使う操作をホーム画面から素早く操作できます。また、純正「ショートカット」アプリを使えば、手が塞がっていてもシリ(Siri)で家電を操作できます。また、アップルウォッチ用「スイッチボット」アプリや本機のタッチボタンを活用することでも、かなりスピーディに操作できます。
本機を使えば、このように自宅のさまざまな家電をスマートにコントロールできるのです。自宅のスマート化を始めたい人は、まず本機から購入してみるのがおすすめです。
【POINT】自宅の家電をこれひとつで管理
赤外線リモコンを使って操作するテレビやエアコンをはじめ、同社製のドアロック製品など、多くの製品をアプリ上で操作可能。本機はWi-Fi対応のため、外出先からでも操作を行えます。
【POINT】すべての操作ができるわけではない
アプリ「Switchbot」に、2021年発売のソニー製テレビ「ブラビア」を登録。主要なボタンはアプリ上で操作できますが、必ずしもすべてのボタンを再現/自動追加できるわけではありません。
【POINT】ウィジェットでの操作が手軽でおすすめ!
「Switchbot」アプリはiPhoneの「ウィジェット」機能に対応。[8][6]などの数字が書かれたボタンは「ショートカット」アプリのウィジェットで、筆者はテレビのチャンネル変更ボタンを登録しています。
【POINT】専用アプリのほか「ホーム」アプリでも
本機がMatter規格に対応したことで、一部製品を純正「ホーム」アプリから操作できるようになりました。[カーテン]という項目が、本機に登録しているSwitchBotカーテンです。
検証報告
□家電やSwitchbot製品をiPhoneで操作できるのはやはり便利。ただし、リモコンを完全に置き換えられるわけではありません。
□iPhoneのSiriやApple Watchと組み合わせるのがベター。使い勝手がさらに良くなるので積極的に活用しましょう!