米倉れいあ
2005年2月8日生まれ、和歌山県出身。「第43回ホリプロタレントスカウトキャラバン」に合格し、ガールズユニット・821(ハニー)のメンバーに。ZIPの「ベラベラENGLISH」や夜ドラマ「コントが始まる」(ともに日本テレビ)など、幅広い分野で活動中。
北海道斜里高等学校は、ファイルメーカー(FileMaker)の教育機関向け特別プログラム「ファイルメーカー・キャンパスプログラム」の指定校のひとつ。「観光情報」「観光ビジネス」という選択授業の一環でファイルメーカーを使ってオリジナルアプリを作り、アプリコンテストである「ファイルメーカー選手権」にも応募しています。アプリで伝えたいこと、そして生徒を支える先生たちの想いを同選手権の審査員である米倉れいあさんがインタビューしました。
観光地情報をアプリに
米倉●ファイルメーカーでアプリ開発をすることになったきっかけを教えてください。
生徒●先輩方が昨年のファイルメーカー選手権で良い結果(銀賞、審査員特別賞)を残したのを見て、自分たちもやってみたいと思うようになりました。
米倉●先輩の活躍に刺激を受けたんですね。ファイルメーカーを使った印象はいかがですか?
生徒●いろいろな機能があって便利だと思います。使う前は難しいツールなのかと思っていたのですが、プログラムを書くわけではないとわかって、基本操作を教わって使っていくうちにすぐ慣れていきました。
米倉●ファイルメーカーでどんなアプリを作っていますか?
生徒●今(2021年9月現在)は地元(斜里町)の観光地や観光スポットを調べられるアプリを作っている最中です。
米倉●それがファイルメーカー選手権に応募するアプリですね。観光地の情報はどのようにまとめているんですか?
生徒●アプリではだいたい53カ所ほどの観光地の住所や紹介文を確認できます。インターネットに載っている文章をそのまま使うのではなくて、自分たちの言葉で説明するように心がけています。
米倉●大切なことだと思います。
生徒●調べていると、長い間斜里町に住んでいても知らないことがたくさんあるんだと気がつきました。皆で手分けをしていろいろな場所を回って、新しい斜里の魅力を見つけることができています。
米倉●アプリ開発の楽しさってどんなところにありますか?
生徒●自分のアイデアを、アプリとして形にできたときはとてもうれしいです。これから仕上げる段階ですが、完成したものを友だちに使ってもらうのが楽しみです。来年の後輩たちにも良い刺激を与えられるように頑張ります。
米倉●応援しています! では、次に斜里高校の先生方にもお話をお聞きしたいと思います。
郷土愛を育むツール
米倉●橋口友和先生に質問です。生徒の皆さんにファイルメーカーを紹介したきっかけは何ですか?
橋口●2017年に教育機関向けの研修会で有賀啓之さん(DBPowers代表取締役)からファイルメーカーを教えてもらったことです。2日間で作ったアプリが自分のiPhoneで動いた感動が忘れられなくて、子どもたちにも味わってもらいたいと思いました。
有賀●教育機関向けの「ファイルメーカー・キャンパスプログラム」というものがありまして、橋口先生から斜里高校の生徒もぜひ取り組みたいと話を伺い、プログラムに参加していただくことになりました。
米倉●キャンパスプログラムはどんな支援をするのですか?
有賀●簡単に言えば学校にファイルメーカーのライセンスを無償で提供するもので、私たちのようなパートナー会社がトレーニングなどでサポートします。目的はあくまでファイルメーカーを使って身の回りのさまざまな課題を解決してもらおうというもので、その延長線でデータベースやプログラムなどにも興味を持ってもらえればいいなと考えています。
橋口●最初は、有賀さんとプログラム参加大学の学生さんに本校に来ていただき、ファイルメーカーを触ったことのない生徒にレクチャーをしてもらいました。その後、一旦中断を挟みましたが、昨年から本格的にファイルメーカーを観光コースの授業にも取り入れて、ファイルメーカー選手権にも参加してみたんです。
米倉●そうだったんですね。アプリを作るにあたって生徒さんたちには、どのようなアドバイスをされていますか?
橋口●使い方などは有賀さんに聞きますが、アプリのアイデアを調べていることで疑問点が出たら、実際に外に出て感じてみようというスタンスです。たとえば実際に観光地のお店の方に悩みを聞いて、地元の高校生としてどうすれば解決できるのか考えてみるといった流れです。
米倉●学校や斜里町の中だけでなく、自分たちの足で調べにいこうという学習なんですね。
橋口●アプリの作り方や疑問の解決策は校内で考えますが、そこに掲載する写真や文章は実際に生徒たちが自分で見たり聞いたりした体験を反映していきます。ファイルメーカーは地域理解はもちろん、郷土愛を育むのにも良いツールだと思います。
米倉●今後こうしていきたいという展望はありますか?
橋口●生徒たちの活動はすでに街の人からも注目され始めていて、前回の選手権で入賞した「おなかすいたの?」というアプリは、地元の観光協会で使いたいとオファーがありました。アプリを通じて地元に貢献できるというのは、子どもたちの良い経験になりますし、達成感にもつながると思います。今後は、そうした社会とのつながりをもっと広げていきたいですね。
同年代の米倉さんと和気あいあいと会話する生徒たち。「自分たちが作ったアプリが実際にiPhoneで動いているのを見ると、不思議な気持ちになります。このアプリを通じて、街の皆さんに楽しんでもらえるように頑張ります」と抱負を語ってくれました。
自分たちが住む地元の課題を解決するツールとしてFileMakerの効果は高いと語る斜里高校の橋口友和先生(右)と、DBPowers代表取締役の有賀啓之さん(左)。
生徒たちはMac mini上でFileMakerを自由な発想で使いこなしています。「アプリ開発は楽しい!」と生徒の皆さん。
アプリに盛り込む機能や画面の遷移はあらかじめ紙の設計図で作成しておき、パーツを組み合わせるようにレイアウトすればアプリが完成します。
開発中のアプリのメイン画面。知床地域の有名な観光地はもちろん、生徒が現地に赴いて集めた地元ならではの情報が簡単に調べられるなど、よりディープに観光をしたい人が楽しめる内容となっています。
FileMaker選手権の結果はこちらのWEBサイトで11月発表予定です!
https://news.mynavi.jp/lp/2021/business/enterprise/filemaker2021/
FileMakerキャンパスプログラムとは
プログラミング学習とアプリ開発ができる人材育成を行うプログラムです。高校生など、将来社会人として活躍する若い世代が、実際のビジネスに役立つデータベース構築の知識を身につけられるのです。
企画協力●FileMaker選手権2021事務局
※新型コロナウイルス感染対策を徹底し、取材を行いました。なお、撮影時のみ、身体的距離を保ったうえでマスクを外しています。