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最新iPadシリーズ あなたはどのモデルを買う?

最新iPadシリーズ あなたはどのモデルを買う?

もうパソコンいらず!? ノートブックを超える「新時代のタブレットデバイス」

iPad Pro(11inch & 12.9inch)

【価格】8万9800円~(税別)

【容量】64GB /256GB/ 512GB/ 1TB

【カラー】シルバー/スペースグレイ

2018年11月に登場した最新iPad Pro(第3世代)は、iPadシリーズ初のオールスクリーンディスプレイを採用し、MacBookシリーズ以外で初めてUSB-Cポートを搭載。また、よりセキュアな認証方法であるFace IDや書き心地や使い勝手が向上した「Apple Pencil 2」に対応しており、これまでのiPadのイメージをはるかに超える「次世代のコンピュータ」としてデザインされている。

新型iPad Proは、日常的なシーンでの利用はもちろん、イラスト制作や動画編集などのクリエイティブ作品を仕上げるためのデバイスとしても十分期待できる。どこにでも気軽に持ち運べるiPad Proが、世のノート型PCに取って代わる日も遠くないはずだ。

 

気軽に持ち運びしやすい5年ぶりのリニューアルモデル

iPad Air(10.5inch)

【価格】5万4800円~(税別)

【容量】64GB /256GB

【カラー】シルバー/スペースグレイ/ゴールド

iPad Air 2の販売終了から約3年。驚きの声を持って迎えられた新生iPad Air(第3世代)は、10.5インチのディスプレイサイズを持ちながら、薄さ6.1mm、重量約460gという薄さ・軽さを実現。もちろん当時のiPad Air 2からはパフォーマンスが70%、グラフィックス性能が2倍と性能も飛躍的にパワーアップ。また、Apple Pencil(第1世代)に対応したことも大きな魅力の1つだろう。

持ち運びやすさとパワーを兼ね備えたこの新生iPad Airは、より多くの人にその革新性を届けるデバイスに仕上がっている。

iPad Airのここが変わった!

[チップ]A8Xチップ → A12 Bionicチップ/[重量(Wi-Fiモデル)]437g → 456g/[FaceTimeカメラ]1.2MPの写真 → 7MPの写真/[ディスプレイ]9.7インチ(2048 × 1536ピクセル解像度) → 10.5インチ(2224 x 1668ピクセル解像度)、広色域ディスプレイ(P3)、True Toneディスプレイ/[ワイヤレス通信方式]Bluetooth 4.2 → Bluetooth 5.0/[SIMカード]nano-SIM → nano-SIM/eSIMなど ※iPad Air 2(2016年モデル)との比較

 

低価格ながらパワフルな「スタンダードモデル」

iPad(9.7inch)

【価格】3万7800円~(税別)

【容量】32GB /128GB

【カラー】シルバー/スペースグレイ/ゴールド

現行のiPadシリーズの中で、もっとも低価格なのが2018年3月にリリースされたこの第6世代iPadだ。32GBのWi-Fiモデルであれば、3万7800円(税別)で購入できる。

しかしながら、単なる「廉価版iPad」ではなく、機能面においてもユーザのニーズにしっかり応えているのも魅力だ。ARアプリケーションの利用や4K動画編集で効果を発揮するパワフルなA10 Fusionチップや、8MP/1080p HDビデオの背面カメラ、さらにはApple Pencil(第1世代)対応しているため、好きなときに思いのままにメモやイラストを書くことができる。

後発となる最新iPad Proや新型iPad Airと比較するとどうしても力不足に感じてしまうが、価格等を考慮すればコストパフォーマンスに優れた魅力的なモデルだと言えるだろう。

 

手のひらサイズに最新のインテリジェンスを搭載

iPad mini(7.9inch)

【価格】4万5800円~(税別)

【容量】64GB /256GB

【カラー】シルバー/スペースグレイ/ゴールド

iPad mini 4に代わって登場した“ナンバーレス”の新型iPad mini。約3年半ぶりの刷新ということもあり、その中身は驚くべき進化を遂げている。

内部チップにはiPhone Xと同様のNeural Engineを搭載したA12 Bionicチップを採用し、iPad mini 4よりも3倍高速な処理が可能だ。さらに、約300g、薄さ6.1mmの超コンパクトサイズながら、Apple Pencil(第1世代)に対応。小さなカバンや上着のポケットに入れて、思いたったときに気軽にスケッチできるのは、本モデルならではの魅力だ。

iPad miniのここが変わった!

[チップ]A8チップ → A12 Bionicチップ/[重量(Wi-Fiモデル)]298.8g → 300.5g/[FaceTimeカメラ]1.2MPの写真 → 7MPの写真/[ディスプレイ]7.9インチ(2048 × 1536ピクセル解像度) → 7.9インチ(2048 × 1536ピクセル解像度)、広色域ディスプレイ(P3)、True Toneディスプレイ/[ワイヤレス通信方式]Bluetooth 4.2 → Bluetooth 5.0/[SIMカード]nano-SIM → nano-SIM/eSIMなど ※iPad mini 4(2017年モデル)との比較

見極めポイント[1]

Apple Pencilは第1世代か、第2世代か?

傾きと圧力を検知し、iPadで手書きのメモやスケッチの際に快適に使えるApple Pencil。現在2つの世代が販売されており、第2世代は第1世代との下位互換性がないため購入時には対応モデルを間違えないようにしよう。第1世代と第2世代のApple Pencilを比較すると細かな点で違いがあり、それが使い勝手にも影響する。まず、ペンシル軸の太さや重さは共通だが、第1世代はわずかに長く円柱状のため転がりやすい。また、充電とペアリングの際に保護キャップを外してLightningコネクタに差すという操作が煩わしく感じられる人もいるだろう。一方、第2世代はiPad側面に磁力で装着して充電とペアリングを行う仕様へと改良され、片側にフラットなエッジが設けられているため、転がったりキャップを紛失する恐れがない。軸の表面も第1世代の光沢のあるものからマットな質感に変更されてグリップ感が増している。

さらに、第2世代ではペン先近くのフラットな部分をダブルタップしてツールを切り替えたり、スリープ状態からの画面タップでインスタントメモを起ち上げられるなど機能的な優位性もある。追従性や精度、描き心地に関しては第1世代でも市販のスタイラスペンを圧倒するが、使用頻度が高い人は第2世代対応モデルを選びたいところだ。

第1世代

第2世代

第1世代は円柱状で充電端子の保護キャップがあるのが特徴。第2世代には片側にフラットなエッジを持っている。

第2世代のApple Pencilに対応しているのは2018年に発売されたiPad Pro(第3世代)のみとなる。

第1世代ではLightningコネクタに差すことでペアリングと充電が行われる。第2世代では磁力で本体側面に装着するだけ。

Apple Pencilの対応表

見極めポイント[2]

Smart Keyboard Folioは必要か?

iPadをパソコンのように活用したいという人にとって、文字入力の効率を高めてくれるApple純正の「Smart Keyboard」/「Smart Keyboard Folio」は必須のアイテムと言えるだろう。両製品ともiPadのモデルとサイズごとに合わせた専用設計となっているため、現状ではサイズ違いや世代をまたいだ利用はできない。そのため、仕様の違いを理解して自分のニーズに最適なモデルを選んでほしい。

まず、Smart Keyboardは対応するiPadの側面に磁力で簡単に脱着可能で、Smart Connectorという接触型の専用端子によりペアリングや充電の手間がないのが特徴だ。普段はディスプレイの保護カバーとなっていて、テキスト入力の際にはカバーを反転させて折りたたみ部分が三角形のディスプレイスタンドに変化する。

一方のSmart Keyboard Folioも基本的な機能は共通だ。だが、Smart ConnectorがiPad Proの背面にあるため、表裏両面とも保護できて背面カメラ部分もフラットになるという違いがある。キーボードの展開方法も見直され、スタンドの角度も2段階に切り替えられる点は便利と言える。また、Face IDとの組み合わせでキーを押すだけで高速にスリープ復帰できるのはSmart Keyboard Folioならではの利点だ。

iPad Air(第3世代)用のSmart Keyboardは一世代前のiPad Pro 10.5インチでも利用できる。9.7インチ(第2世代iPad Pro)向けは廃番となっている。

キーボードはiPadの縦方向のサイズに合わせるため数mm程度の差があるが、キーピッチや打鍵感、素材は共通となっている。

Smart Keyboard Folioは背面もカバーできる構造に変更されたほか、スタンドの傾斜を2段階で調整できるというメリットがある。

Smart Keyboardの対応表

見極めポイント[3]

インターフェイスはUSB-Cか、Lightningか?

現行モデルのiPadは、充電や周辺機器との接続に利用する有線インターフェイスとして、LightningコネクタとUSB-Cの2種類が存在している。まずLightningは最近のiOSデバイスでお馴染みの規格で、モバイルバッテリやカメラアダプタ、プレゼン用のHDMIビデオ出力のアダプタなどがiPhoneと共用できるという大きなメリットがある。また、Apple独自のMFi認証があるため対応アクセサリの信頼度が高いというのも特長だ。

一方、USB-CはMacをはじめとしたパソコンで標準的に用いられるインターフェイスなので、外付けキーボードやUSBオーディオなど接続可能な周辺機器の種類が大幅に広がるというメリットがある。また、USB PD(Power Delivery)対応により最大30Wでの急速充電が可能なほか、7.5Wまでの外部電力供給が可能なのでiPadからiPhoneを充電するといった利用法もある。

ただし、iOS側の制約によりマウスのようなポインティングデバイスやプリンタ、外付けストレージのUSB接続には対応していない(アダプタ経由でデジタルカメラからの写真読み込みは可能)。また、コネクタ形状が共通でもThunderbolt 3には非対応で、アナログオーディオの出力にも利用できない点は注意がいる。

Lightning

USB-C

Appleの独自規格であるLightningコネクタと汎用性の高いUSB-Cコネクタ形状の違い。相互に互換性はない。

Lightning対応のサードパーティアクセサリも豊富なので、実用上は大きな問題はない。

USB-C対応の利点はMacと共用できる周辺機器があることだ。iPadをパソコン的に活用していきたい人には魅力と言える。

インターフェイスの対応表

見極めポイント[4]

ディスプレイのクオリティをどう見極めるか?

現行のiPadにはいずれも高解像度のRetinaディスプレイが搭載されているため、画面の精細さだけではモデル選択の決め手とはならない。ここではディスプレイサイズ以外のテクノロジーについて確認していこう。

まず、ややこしいのが「Liquid Retina」という名称だ。これは有機EL(OLED)搭載のiPhone XSとの区別のために提唱されたもので、現状ではベゼルレスで角丸がある液晶ディスプレイというのがAppleによる定義だ。そのため、通常のRetinaと画質的に大きな違いがあるわけではないことを理解しておきたい。

むしろ操作感に直結してくるのは画面を書き換えるリフレッシュレートの速度を従来の60Hzから120Hzにアップした「ProMotionテクノロジー」のほうだ。特にApple Pencilで繊細なタッチが求められるグラフィックなどの用途であれば、この技術は大きなアドバンテージとなる。

また、広色域な「P3」プロファイルへの対応と、環境光に応じてディスプレイの色温度を自動調節する「True Tone」機能は写真や動画の取り扱いにおいてほぼ必須と言えるが、現行のiPadは全モデルが対応したので、こちらは心配はいらない。

操作性に直結するのはProMotionテクノロジーへの対応の有無だ(写真右がiPad Pro)。120MHzのリフレッシュレートによってApple Pencilの書き心地や画面スクロールの滑らかさが異なる。

Liquid Retinaは「角丸加工が施された」高解像度液晶ディスプレイのことで、LEDバックライトを用いたIPSパネルという点ではRetinaと共通だ。

このほか光の反射を低減するフルラミネーションディスプレイはiPad(第6世代)では搭載されていないなどの違いがある。写真はフルラミネーションディスプレイのiPad Pro。

ディスプレイの対応表

見極めポイント[5]

プロセッサはA12Xか、A12か?

iOSデバイスでは一般的なパソコンと異なり、プロセッサ単体のパフォーマンスによってモデル分けを行っていない。マルチコア化が進み、CPUのクロック周波数だけでその性能を差別化する意味合いが薄れているという事情とも関係している。

とはいえ、各モデルに搭載されるプロセッサは異なっているので、その違いを知っておくことは選択の際に有益だ。いずれもCPUやGPU、マイクロコントローラなどを統合したApple独自開発のSoC(System on Chip)であるが、現在もっともハイパフォーマンスなのはA12X Bionicとなる。CPUは高性能コアと高効率コアを搭載していて、普段は処理の目的に応じたコアを利用しているが、高性能コアだけでも処理しきれない状況では全コアを同時に稼働させることで対応可能だ。これはA12 Bionicではできないので、パソコン以上の高負荷な作業を行うユーザにとっては決め手となるだろう。

また、A12XではGPU性能も重視されていて、今年のリリースが予定されているフルスペックの「Photoshop」アプリで複数のレイヤーを快適に操作したい場合には適しているはずだ。もちろんA12も深層学習に特化した「Neural Engine」搭載なので、最新のARアプリなどが快適に動作する。

A12X Bionicでは高性能コアと高効率コアをそれぞれ4つ搭載していて、これらを同時に稼働させることでパソコンを凌駕するパフォーマンスを発揮できる。

A12X Bionicではグラフィックス処理能力も強化されており、ARや高速な書き換えが可能なゲームアプリなどで性能をいかんなく発揮できる。

プロセッサの対応表

見極めポイント[6]

認証方法はTouch IDか、Face IDか?

iPadの画面をロックやスリープ状態から解除するには、顔認証と指紋認証の2種類の方式がある。従来からあるのはホームボタンに搭載された指紋認証センサ「Touch ID」を利用する方法だ。あらかじめ指紋を登録することで、本人認証が必要なシーンでパスワードを入力する手間を省くことができるのが特徴だ。外出先でパスワード入力のタイピングを覗かれる心配もないのでセキュリティ的にも効果が高い。

そして、ディスプレイ前面側のTrueDepthカメラを使って顔認証を行うのが「Face ID」だ。こちらも事前に自分の顔を登録しておくことで利用可能となる。すでにiPhone XS/XRにも搭載されている機能だが、iPadでは薄枠のベゼル内にカメラが一体化されているのでディスプレイ上の突起部分はないという違いがある。また、ホームボタンを押す必要がない代わりにスリープ解除時にディスプレイ上をフリックするなど、ジェスチャ操作に慣れる必要があるのは好みが分かれるところだろう。

なお、現在はこの2種類が混在しているが、将来的にはTrue Depthカメラパーツの単価が下がることでiPad Pro以外のモデルにも波及していくことが予想される。

TrueDepthカメラ搭載もiPad Proでは顔認証の「Face ID」が利用可能で、スリープ解除やApple Payでの決済などがスムースに行える。

iPad AirやiPad mini、iPadといったホームボタン搭載モデルは指紋認証の「Touch ID」に対応している。従来からある方式なので、馴染みが深い人も多いだろう。ホームボタンありがTouch ID、ボタンなしがFace IDと覚えておくのがわかりやすい。

認証方法の対応表

見極めポイント[7]

カメラの性能をどう見極めるか?

近年はiPadに搭載されたカメラの性能が全体的に向上したため、iPhone同様に写真や動画撮影を楽しむ人が増えている。まず、背面カメラは「iSight」と呼ばれる画素数が8メガピクセルのモデルと12メガピクセルのモデルがあり、いずれも薄型の裏面照射型のCMOSセンサを受光部に採用。レンズ構成は5枚と共通だが、8メガモデルは絞り値がf/2.4で12メガモデルはf/1.8だ。この数値が小さいほど同時に多くの光を集められるので、暗所での撮影に強いという利点がある。また、12メガモデルは5倍のデジタルズームに対応しており、写真や動画の撮影表現を求める人はこちらがベスト。さらにオートフォーカス機能にも違いがある。「Focus Pixels」を搭載した12メガピクセルのカメラではセンサ上にフォーカス用のセンサを搭載し、その位相差で高速なピント合わせを実現している。

一方、ディスプレイ側のフロントカメラは「FaceTime HDカメラ」と「TrueDepthカメラ」の2種類。いずれも画素数は7メガピクセルだが、前者はFaceTimeのビデオ通話などが主な用途で、後者はこれに加えて顔認識機能を利用することで表情と連動する「アニ文字」や「ミー文字」に対応する。また「ポートレイトライティング」などの特殊なエフェクトが使えるのも強みだ。

12メガピクセルのカメラは画素数が多いだけでなく、搭載レンズの絞り値がf1.8と明るいため暗がりでも自然な撮影ができる。

iPad(第6世代)のiSightカメラもセンサの画素数などは共通だが、フラッシュが装備されていないので暗所での利便性は下がる。

iPhone XS/XRと同じTrueDepthカメラを搭載したiPad Proは、アニ文字やミー文字が利用できる。それ以外のモデルは非対応だ。

カメラの対応表

見極めポイント[8]

自分にぴったりなサイズはどれか?

iPadの各パーツの性能とは別に、そのサイズの違いもモデルを選択する際には重要な要素となってくる。ディスプレイサイズは小さい順に7.9インチ、9.7インチ、10.5インチ、11インチ、12.9インチがラインアップされているが、ベゼル幅の太さや縦横比の違いによっては10.5インチのiPad Air(174.1mm×250.6mm)よりも11インチのiPad Pro(178.5mm×247.6mm)のほうが縦方向が短いといった逆転現象もある。このことは横向きのランドスケープモードでSmart Keyboard Folioを利用する際の使い勝手にも影響する。たとえば、移動中の電車の狭いテーブルでタイピングするようなシビアな環境では、このわずか3mmの違いが効いてくることがある。ディスプレイのサイズだけに惑わされずに、実際に店頭などで触ってみることをおすすめしたい。

また、利用目的がより明確な場合は、自ずと選択すべきサイズが決まってくることがある。Apple Pencilで快適に絵を描きたい場合はより大きなサイズを選ぶのが最適解であるし、入力作業よりも手持ちやベッドサイドでの動画視聴や読書がメインであれば軽量で小さいサイズがおすすめだ。小さいといってもiPhone XS Plusよりも大画面なので快適性は上回る。

7.9インチというサイズは電子ブックの閲覧やネット動画の視聴には最適なサイズと言える。

2つの画面を分割するSplit View表示も、iPad Proの大画面なら快適に威力を発揮する。

「薄さ」という観点ではiPad AirやiPad miniの6.1mmよりもiPad Proの5.9mmのほうが優っている。

サイズの比較表

まだまだあるぞ!iPad選びのチェックポイント

Bluetooth

現行モデルではBluetoothの規格が5.0と4.2のモデルがあり、バージョンが上のほうが音質などが良いイメージがあるが、これはまったくの誤解だ(音質はプロファイルの種類で決まる)。5.0では消費電力を抑えた「LE(Low Energy)」時のデータ転送レートが4.2の最大2倍に改善され、通信範囲も10mから100mに拡張されている。周辺デバイス利用時の快適さの向上が主な違いだ。

Wi-Fi

ワイヤレスでの運用が前提となるiPadでは、Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/acの各規格に対応。周波数帯も2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンド対応なので、通信が高速で安定性の高い5GHz、汎用性が高い2.4GHzのいずれかで接続できる。また、「2×2」のMIMO技術もサポートしているほか、80MHzの周波数の帯域を用いる「HT80」もサポートしている。現行iPadではWi-Fiの仕様は共通だ。

セルラー通信

iPadの各シリーズにはWi-Fiにセルラー通信が加わったモデルがラインアップされている。「セルラー」は携帯通信キャリアの回線を利用し、LTEなどの「データ通信」が行えるもの。iPhoneのように音声通話のプランは用意されていないが、インターネット回線を利用した「FaceTime」などの無料音声/ビデオ通話が利用できる。外出先でもiPadを利用するならWi-Fi+セルラーモデルから検討しよう。

動作時間

Apple製品は、ユーザが必要とするマーケットインの発想で仕様が設計されている。具体的にはiPadではバッテリ容量が異なっていてもインターネット利用やビデオ・オーディオ再生で最大10時間動作するというのが基準(Wi-Fiモデルの場合)。また、消費電力の高いWi-Fi+セルラーモデルでも最大9時間が確保されており、一般的なユーザであれば丸一日問題なく作業できる性能となっている。

SIM

Wi-Fi+セルラーモデルのiPadには、通信キャリアが発行したSIMカードを挿入するスロットが用意されている。SIMカードは物理形状により規格がいくつかあるが、iPadはiPhoneと同じ「nano-SIM」を採用。また、現行モデルでは国外などで現地のSIMカードに差し替えなくても接続できる「Apple SIM」に対応するモデルとグローバル標準規格の「eSIM」に対応しているモデルがある。

ストレージ容量

内蔵ストレージ容量の違いによって、iPad各シリーズのモデルが分かれている。本体価格に反映するところなので悩ましい選択だが、あとから内蔵ストレージ容量を増やすことはできないので、可能であれば大きめの容量がおすすめだ。現在もっとも小さいサイズは32GB、もっとも大容量なものは1TB。ストレージ容量が不足した場合は、iCloud Driveなどのクラウドを活用するという手もある。

スピーカ

ネット動画をiPadで楽しみたいという人も多いはず。iPadでは上下に合計4スピーカを搭載するモデルとLightning端子がある下側にステレオスピーカを搭載するモデルがあるが、それぞれ音声の聞こえ方には多少の違いがあり、4スピーカのほうがいわゆる音の定位感が高い。とはいえ、外部のBluetoothスピーカを用意してAirPlay出力するなど工夫すれば、2スピーカの仕様は気にならなくなる。

カラーバリエーション

iPadのカラーバリエーションは背面の仕上げがシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色展開のモデルと、シルバーとスペースグレイのみの2色展開のモデルがある。色は好みで選んで構わないが、フロントベゼルは普段よく目にする場所だけに重要なポイントとなる。