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「LEBER」アプリで医療の問題に立ち向かう!

著者: 美崎栄一郎

「LEBER」アプリで医療の問題に立ち向かう!

見せる人/伊藤俊一郎

医療法人AGRIE理事長。株式会社AGRI CARE代表。株式会社AGREE代表。MED AGRI CLINIC所長。心臓血管外科医として勤務したあと、2015年に茨城県つくばみらい市に在宅療養支援診療所「MED AGRI CLINIC」を開所。同年9月には住宅型有料老人ホーム「アグリケアガーデン」をオープン。【URL】http://www.medagricare.jp/

伊藤俊一郎さんのiPhoneインストールされているアプリ LEBER/Tesla/M2PLUS/Antaa QA/Google Keep

ヘアスタイルの理由

いつもなら最初にゲストを紹介するのですが、iPhoneの「テスラ(Tesla)」アプリが目に入ってしまい、早速その話で盛り上がってしまいました。電気自動車として有名なテスラですが、アプリを使えばリモートで車のドアやトランクをオープンできるんですね! 初めてテスラに乗っている人にお会いして、のっけから興奮ぎみで、すみません(笑)。

さて、気を取り直して、ゲストの紹介です。今回は、医療法人AGRIEの理事長・伊藤俊一郎さんにお越しいただきました。なかなか独特なルックスですが、お医者さんです。まずは、お医者さんっぽくない、そのヘアスタイルについてお伺いしてみました。

なんでも、外科手術をしていると手術のときに被る帽子で髪の毛がぺったんこになってしまうので、その帽子に負けない髪型にしたかったのだとか。うーん、予想を超えた回答です!

さて、伊藤さんは心臓血管外科手術などをしていた外科医だったのですが、現在は在宅医療を専門に行う医院をいくつも展開されています。つまりお医者さんであり、実業家でもあるのです。

伊藤さんが在宅医療の医院を経営し始めた理由は、医療サービスを受けることができない患者さんや、病院まで行くことが困難な患者さんがたくさんいることに気がついたから。起業後、伊藤さんの医院は評判となり、1つの医院だけで回れる範囲を超えてしまうほどに成長しました。そこで自らの在宅医療のノウハウを展開すべく、医療法人AGRIEグループとして複数の医院を茨城や千葉などに分散させることで、広範囲の患者さんへ医療行為ができるようになったのだそうです。

しかし、お医者さんの数は限られているため、医院の数を増やすにも限界があります。また、根本的な問題として、病気が発症するのは昼間だけではありません。夜間の時間帯に開いている病院は少ないので、医療行為を受けるには、空間的な問題だけでなく、時間的な問題もあります。

その問題に注目した伊藤さんが作ったのが、スマホで医療相談ができる「リーバー(LEBER)」という秀逸なサービスです。

リーバーは24時間365日、気になるときにいつでも相談できます。医療における時間と場所の問題をいっぺんに解決できるのです。どういう仕組みかといいますと、医師免許を持った医師がリーバーに登録されています。登録時に医師免許と身分証明書でダブルチェックするので、本物のお医者さんしか質問に答えません。

一方、アプリを利用するユーザは「膝を怪我した」とか「ここが痛い」といったように症状をスマホで書き込みます。すると、その質問が複数のお医者さんに飛び、専門の人が回答してくれるのです。

相談料は、基本数百円。「医療行為」ではなく「医療相談」ですから、「お医者さんの意見を参考にしてください」ということです。でも、変なところに湿疹が出たり、原因不明の痛みなどの症状が出たりしたときに、ちょっと専門家に聞いてみたくなりますよね。アプリのため写真なども簡単に添付できて、至れり尽くせりです。

医学書はアプリで閲覧

さて、冒頭でも触れましたが、「テスラ」アプリが本当にすごい。テスラは自宅の駐車場で充電されているのですが、遠隔地からアプリで現在の充電量をチェックしたり、事前にエアコンをつけておくことなども可能。停車場所もアプリ内の地図で確認できます。すべてがスマホでコントロールできる、まさに“未来の車”ですね。ちなみに、在宅医療の訪問にはプリウスを利用しており、テスラは伊藤さんの私物とのことです。

そのほかにも「エム・ツー・プラス・ランチャ(M2PLUS Launcher)」というお医者さんの読む本がまとめて入っている本棚アプリがインストールされていました。薬や病気に関する辞書や本を購入して、まとめて本棚に入れることができるのだとか。専門書もアプリ対応している世の中になっているんですね。

伊藤さんが始めたリーバーは、ドイツ語で「命を守る」という意味です。リーバーやテスラで私たちの未来も変わっていきそうです。

LEBER

【開発】AGREE, Ltd.

【価格】無料

【場所】App Store>メディカル

「LEBER」は、いつでもどこでも気軽に身体の不調を相談できる医療相談アプリです。24時間・365日相談でき、最短3分でお医者さんからアドバイスがもらえます。アプリ自体は無料なので、ぜひインストールしてみてください。【URL】https://leber11.com/

Tesla

【開発】Tesla, Inc.

【価格】無料

【場所】App Store>ライフスタイル

こちらはシリコンバレーの電気自動車メーカー・Teslaを管理するためのアプリです。充電状況をリアルタイムで確認できたり、空調のオン/オフ、遠隔地からロック/ロック解除できます。

M2Plus Launcher

【開発】M3, Inc.

【価格】無料

【場所】App Store>メディカル

医療分野に特化した電子書籍アプリ「M2Plus Launcher」では、専門サイトで購入した医学書を閲覧・検索できます。今の時代、たくさんの重い医学書を持ち運ぶ必要はないのです。

見る人/美崎栄一郎

『iPhoneバカ』『iPadバカ』などの著者。札幌から福岡までApple Store全店舗、ソフトバンク本社などでも講演したiPhone大好き人間。新刊『面倒くさがりやの超整理術 「先送り」しないための40のコツ』(総合法令出版)が発売されました。【URL】http://note272.net/