6年ぶりの新モデル
思い起こせば、私のスキャンスナップ(ScanSnap)歴は、2012年にリリースされた「S1500M」から。今でもハガキ、資料、領収書などを取り込んでMacでドキュメントを管理していますが、スキャンする度にMacとUSBケーブルでつなぐのが面倒で、最近はモバイルモデルの「iX100」をメインに使っています。しかし「iX100」で取り込んだデータをそのままMacに保存したりクラウドサービスに転送する際には、その都度Mac側の「スキャンスナップ・マネージャ(ScanSnap Manager)」で読み取り方式を変えたり、保存先を切り替えたりしなければなりません。もっと効率よくドキュメント管理できないかと思っていたところ、6年ぶりのフルモデルチェンジを果たした「iX1500」が登場しました。
基本的な構造やデザインは据え置きモデルの「S1500M」と似ていますが、大きく違うのがタッチパネルが搭載されたこと。これにより今までMac側で行っていた読み取り設定の変更などを本体側で操作できるのです。また、用途にあわせた設定をタッチパネルにアイコン登録できるので、こっちのアイコンをタッチすればMacの[書類]フォルダに保存、こっちならクラウドサービスに保存、といった使い分けが本体だけで簡単にできます。
本製品とMacの接続方法は、Wi−Fi接続の場合はアクセスポイント接続モードかダイレクト接続モード、有線の場合はUSBケーブルでの接続です。本製品は据え置きタイプですが、私はルータを経由するアクセスポイント接続モードを選択。2.4GHzだけでなく5GHzにも対応しているので、電波干渉の影響も少なく安定接続できるのも評価ポイントです。
読み込めば自動で分類
手元にある資料をスキャンしてみましたが、安定した読み取りは従来どおり。自動給紙機構や両面同時読み取り対応で、30枚/分の速度でどんどん原稿を読み込みます。超音波センサを使った重なり検出や独自の紙送り構造のおかげで、途中で紙質が変わっても失敗なし。このストレスフリーで安定した設計も、スキャンスナップが愛される理由の1つでしょう。
スキャンしたドキュメントは新しい管理ソフト「スキャンスナップ・ホーム」を使って、閲覧や編集、管理、検索、アプリ連係などをすべて行います。ドキュメントを自動で識別して、文書や名刺、レシート、写真といったカテゴリに分類してくれるのも大変便利です。
また、本製品は「学習機能」を搭載。スキャンしたデータのファイル名などを手動で修正した場合、その修正を学習し、次回スキャンした際に最適なファイル名を候補として挙げてくれるのです。なんて賢いスキャナなのでしょう!
また、「スキャンスナップ・ホーム」ソフトを使えば、読み取り設定をカスタマイズして、本体のタッチパネルにアイコン登録できます。デフォルトでは名刺やレシート管理のアイコンが用意されており、今回はここに「スキャンした書類をエバーノート(Evernote)へ保存する」というプロファイルを追加してみました。あらかじめ用意されているテンプレートから[クラウドにファイルを保存]を選び、プロファイル名やスキャン設定、保存先などを指定して追加。すると、ウインドウ内にアイコンが登録され、タッチパネルの表示も書き換わります。あとは原稿をセットしてタッチパネルから「エバーノートに送る」アイコンを選んでスキャンボタンを押すだけ。今までのように読み込んだ原稿をエバーノートに保存する操作を毎回Mac側で行う必要はありません。
さらに「スキャンスナップ・クラウド(ScanSnap Cloud)」を使えば、スキャンするだけでエバーノートをはじめとする各種クラウドサービスに直接保存できます。これからのドキュメント管理はクラウド中心で行うことになりそうです。
まだまだ奥が深そうな本製品と「スキャンスナップ・ホーム」ソフトを使ったドキュメント管理。しばらくは仕事の内容にマッチしたプロファイル作りやアプリ連係を試してみようと思います。
3つの方式でMacと接続
背面はACアダプタの接続口とUSBポートとシンプル。普段使用しないUSBポートはシャッターが付いているのでホコリの侵入も防げます。MacとはWi-Fi接続(2種類)かUSBケーブルで接続しましょう。
プロファイルをカスタマイズ
いろいろ用意されているプロファイルのテンプレートを使って、用途別のスキャン設定がアイコン化できます。追加したアイコンは本製品のタッチパネルにも反映され、ワンタッチで選択できます。
[SPEC]
[ドキュメントスキャナ]ScanSnap iX1500
【発売】PFU
【Size】約292(W)×152(H)×161(D)mm
【価格】5万1840円(直販価格)
【URL】http://scansnap.fujitsu.com/jp/product/ix1500/index.html
【主なスペック】
【重量】3.4kg【備考】光学解像度:600dpi 読取速度(A4縦):両面・片面 30枚/分(自動解像度モード)、読取範囲:A4、A5、A6、B5、B6、はがき、名刺、レター、リーガル、カスタムサイズ(最大216×360mm、最小50.8×50.8mm)、A3は2つ折りまたはA3キャリアシートで対応、原稿搭載枚数:最大50枚(A4:80g/㎡)、読み取り方式:自動給紙機構(ADF)、両面同時読み取り(自動給紙モード、手差し/単送モード)、インターフェース:USB3.1 Gen1/3.0/2.0/1.1、IEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)
私が紹介します!
松山 茂
東京の下町・谷中に暮らすフリーライター。Leicaと猫が好物。