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ロボット掃除機「Aqua10 Ultra Roller」レビュー。水拭き、モップの高温洗浄・湿度管理、バツグンの家具検出機能。プロ仕様なクオリティに思わず唸った!

著者: 小枝祐基

ロボット掃除機「Aqua10 Ultra Roller」レビュー。水拭き、モップの高温洗浄・湿度管理、バツグンの家具検出機能。プロ仕様なクオリティに思わず唸った!

超高性能なロボット掃除機を借りられることになった! でも、我が家にはトゥーマッチ

Aqua10 Ultra Roller」のレビュー依頼を受けたとき、正直、夫婦二人暮らしの我が家にはオーバースペックでは?と思いました。というのも、本製品はスマート家電ブランド「Dreame Technology」のフラグシップモデルで、定価はなんと24万9800円。

最大3万Paの超強力吸引、最大8cm(4cm+4cm)越え、髪の毛の絡まりをほぼ解消するブラシ構造、高温100度でのモップのセルフクリーニング、70度の熱風で乾燥する速乾性ローラーモップ…などなど、機能はハイエンドそのもの。

やはり、これだけのスペックを備えるので価格も安くありませんし、用途が合わなければ手が出しづらいのが正直なところ。しかし実際に使ってみると、「この機能だけでも買う価値がある」と感じたほどの衝撃がありました。それが水拭き性能です。

論より証拠ということで、まずは「Aqua10 Ultra Roller」で掃除前後のフローリングを見てみてください。

掃除後は、壁際に溜まっていた埃と床のくすみがとれ、全体的にツヤが出て明るくなった印象です。掃除した箇所を触るとサラサラしています。

そして、「Aqua10 Ultra Roller」で掃除した箇所と、しなかった箇所をウェットティッシュでこすってみたところ、その差は歴然!

左は未使用のウェットティッシュ。中央が「Aqua10 Ultra Roller」で掃除した箇所を拭いたウェットティッシュ。右が「Aqua10 Ultra Roller」で掃除しなかった場所を拭いたウェットティッシュです。

「そもそも汚れすぎでは?」という声が聞こえてきそうですが、言い訳をすると実は我が家はほとんど水拭きしていないのです。

フローリングワイパーや濡れシートではすぐにシートが真っ黒になり、コストもかかる。雑巾掛けは効果的ですが、日常的にやるのは大変で、来客時に年数回やる程度でした。

そんな生活を10年続けた結果、床の汚れは気になりつつも放置状態。「水拭きし過ぎるのは良くない」という話も聞いていたし、子どもやペットがいないので神経質になっていないこともあり、スリッパで過ごせばいいか…と諦めていました。そんな我が家にとって、「Aqua10 Ultra Roller」はまさに救世主となったのです。




水拭き以外も侮るなかれ。高温洗浄や全自動ドックなど、欲しいものが全部揃ってる!

水拭き性能ばかり褒めましたが、「Aqua10 Ultra Roller」の魅力は水拭き機能にとどまりません。本体と付属品を、写真で確認していきましょう。

箱を開けると、ロボット掃除機本体、ベースステーション、プレート、交換用ダストバッグ、専用洗剤、メンテナンスブラシ、簡易マニュアルなどが入っています。大きな箱のサイズに、初代iMacを思い出す!(例えが古くてすみません)。

ベースステーション

ベースステーションは42(W)×50.5(H)×44(D)cmとビックサイズ。さらに、設置にはベースステーションの左右に5cm、前方に1mのスペースが必要なので、設置場所は少し悩みます。ですが、どこに置いても導線が確保されていればロボット掃除機は戻ってこれるので、コンセントが届く範囲なら問題なし。  
天面には給水・排水タンクがあります。我が家の広さは24㎡ほどですが、家全体を2回掃除すると給排水が必要なペースです。右のタンクからロボット掃除機に注水し、モップ洗浄時の汚水が左のタンクに排出されます。
ベースステーションの正面はロボット掃除機の収納部があり、その上にダストバックおよび洗剤タンクの設置部があります。掃除の終了後、もしくはロボット掃除機本体のダストボックスがいっぱいになるとベースステーションに戻ってきて、ベースステーションのダストバックにゴミを回収します。
洗剤タンクは「A」「B」に分かれていて、「A」には通常の床洗浄用洗剤を、「B」にはペット用の洗剤をセットできます。なお、ペット用は専用の洗剤があります。排泄物のニオイ消しに特化した洗剤で、ペットにも優しい植物性の大豆硫酸エチルを採用しているのがグッド。

本体

ロボット掃除機本体。前面にはカメラやセンサユニットを配置。頭部にはレーザー光を照射して周囲の距離を測り、部屋の形状や間取りを高精度にマッピングするLDSシステムを搭載。こちらは昇降式で、普段は格納されており、掃除を開始するとニョキっと飛び出します。
天面のカバーを外すとダストボックスと、スマホアプリ設定用のQRコードがお目見え。なお天面カバーはマグネット固定のため簡単に取り外せます。
ダストボックスは上部にフィルタを備え、外すとゴミの収容部があります。掃除後はベースステーションのダストバッグにゴミが回収されるので、たまにフィルタのメンテをする程度で、本体のダストボックスに触れることはほとんどなさそう。
本体背面にはタンクがあり、ベースステーションのタンクから適宜給水されます。モップが常に浄水で洗われ清潔に保たれる仕組みで、12ノズルから噴き出すスプレー技術を備えた水分制御システムで、モップパッドが適切に湿らせた状態を保ちながら、水拭き・モップ掛けが行われます。

モップやブラシ

本体の底面。前方に回転式のブラシ、中央付近にゴミの吸引部、後部にはローラー式モップを搭載しています。
サイドのPUSHボタンを押すとモップが持ち上がり、取り外しが可能。モップは掃除後に熱水で自動洗浄されるため、清潔な状態が保たれます。
吸引部には2種類のブラシを搭載。カーペットやフローリングの隙間からゴミをかき出し、髪の毛の絡まりを除去します。

専用アプリが超優秀! 掃除ルートや吸引力、モップの湿度も自動化できるぞ

基本的には電源ボタンを押せば掃除が始まりますが、ぜひ活用したいのが専用アプリ「Dreamehome」。このアプリを使えば、間取りのマッピングや細かい掃除モードの設定を行えます。

さらに、アプリから掃除機の吸引力やモップの湿度、圧力などの調整ができるほか、掃除完了時やタンクの水交換が必要な際は、iPhoneやMacに通知を送ることもできるんです。

①iPhoneで「Dreamehome」アプリを起動すると、ロボット掃除機のWi-Fi接続や各種機能の設定などを、アプリの指示に従って進められます。
②アプリの設定が済むと、ロボット掃除機が動き出し、自宅の間取りのマッピングが始まります。マッピング前には部屋のドアを開け、ロボット掃除機がフロア全体を動けるようにしておきましょう。
③マッピングが済むと、アプリに家の間取りが表示されます。エリアの区切りや名称が自動的に設定されますが、あとから調整することも可能。また、このマッピングを使えば、どのエリアから掃除を行うか順番を振ることができます。
④設定が終わったら、さっそく掃除してみましょう。試しに「初回念入りクリーニング」モードを選んでみたところ、ほこりの掃除機がけをしてから、水拭きしてくれました。24㎡の我が家は約70分かかりましたが、2回目以降は40分程度に短縮されました。
⑤デフォルトでは1回で床拭きと水拭きを同時に行う設定になっていますが、細かくカスタマイズすることも可能です。吸引力の強さやモップの湿度、モップの圧力なども簡単に変更できます。
⑥掃除が完了するとアプリに通知がきます。タンクへの注水や溜まった汚水の処理なども知らせてくれるので、常に清潔に保てるのがうれしい!




使い勝手はどう? 汚れはしっかり取れる?

ではここからは、「Aqua10 Ultra Roller」が我が家を掃除する様子を見ていきましょう。

今回は、リビング→キッチン→脱衣所→玄関前→ベッドルームの順番で掃除するように設定しました。掃除モードは「自動」で、床拭きと水拭きを同時に行うように指示しています。

まずはリビング。床掃除もカーペット検出もお任せあれ!

スタートボタンを押すと、掃除機本体のタンクに水が注がれます。ちょっと待っているとベースステーションを出発し、そのままリビングに行って掃除が始まりました。なお、縦方向と横方向にそれぞれS字でジグザグに走り、マス目を埋めるようにして走行していましたが、床板の方向に沿って走るように設定変更もできます。
水拭き後の床はうっすら湿る程度で、すぐに乾きます。濃いシミ汚れがある箇所は一度の掃除では除去しきれませんが、1日1回のモップ掛けを1週間続けた頃には、かなりキレイになっていました。
埃が溜まりやすい壁沿いも、回転ブラシとモップがしっかり掃除してくれます。ブラシやモップは必要に応じて伸縮されるので、椅子の足まわりなどもしっかり対応。

イスやベッドの下に、段差。センサで判断して、家具にぶつからず掃除する!

センサが優秀なため、ロボット掃除機が家具に衝突する心配をする必要はありません。椅子やテーブルの足を縫うように進みながら、家具に衝突する前に細かくブレーキと旋回を繰り返すような動きです。ただし、掃除機の幅が大きめなので、椅子の下に潜り込んだ後になかなか出られなくなる場面もありました。なので、幅が狭めの椅子などは掃除前に片しておくほうがスムースでしょう。
カーペットを検出すると、水拭きローラーがカバーで覆われるためカーペットが濡れることはありません。
玄関は17センチほどの高さがあるため、万が一の転落に備えて近くで見守りましたが、まったく問題ありませんでした。
最後はベッドルーム。ベッド下は暗がりですが、正面のライトが自動で点灯しスイスイと進んで行きました。ベッドの高さは25cmほどですが、一箇所だけ高さ12cmほどのバーがあります。突っかからないか心配でしたが、LDSシステムが自動で本体に格納されたため、問題なく潜り抜けられました。なお、本機は「AstroVisionシステム」を搭載しており、2つのHD AIカメラで空間を立体的に把握し、1mmレベルの精度で240種類以上の障害物を回避することが可能です。
ちなみに、「Aqua10 Ultra Roller」は最大8cmまでの段差を乗り越えることができます。試しに、木材を置いてみたところ、最初は戸惑っている様子でしたが、一度バックをすると、ウイリーをするように車体が持ち上がり、ゆっくりと木材に接地。そのまま歩行するような動作で段差を乗り越えていきました。ただ、乗り越えた際に「ガシャ」っと音を立てて着地していたので、段差の近くに緩衝材となるマットなどを敷くなどしたほうが安心かもしれません。

掃除後はモップを高温洗浄! 乾燥まで“自動”だから楽々清潔

すべての部屋の掃除を終えると、ベースステーションに自動で戻り、クリーニングが始まります。最大100度のお湯でモップパッドを高温洗浄し、7度の熱風と60度の加熱バーで乾燥させるため、清掃後のブラシはふわふわに。また、50度の熱風でダストバッグを乾燥させるため、雑菌の繁殖も抑えてくれます。
掃除後は、汚水タンクに溜まった汚水を流します。写真は2回目の掃除を行ったときのタンクの状態。恥をさらすようで複雑な心境ですが、なかなかの汚れ具合です。この中で生活していたのかと思うと今さらながらゾッとします…。もちろん、何度か掃除を繰り返すうちに、汚水の汚れ具合も薄まっていきました。
ちなみに、「Aqua10 Ultra Roller」はラジコンのように、iPhoneで遠隔操作することもできます。内蔵カメラによる静止画や動画撮影をできるほか、内蔵マイクで音声を出すこともできます。猫や犬の鳴き声なども用意されているので、ペットの見守りカメラのような使い方もできるでしょう。

「Aqua10 Ultra Roller」は“掃除に対する意識”そのものを変えてくれた!

今回製品をレビューして、「Aqua10 Ultra Roller」には、ユーザの生活を変えるほどのポテンシャルを感じました。家事や育児で忙しいご家庭はもちろん、体力的に掃除が負担になるシニア世帯にとっても、大きな助けになるのではないでしょうか。我が家のように“ズボラゆえに床掃除を後回しにしがち”な家庭でも、ほとんど手間なく清潔な床を保てるのは本当にありがたいポイントです。

個人的に、電動自転車を購入して生活圏が広がったときや、ドラム式洗濯乾燥機で外干しから解放されたときに近い、“苦行がひとつ消えた”あの感覚にとてもよく似ていました。

恥の晒しついでに告白すると、今回の検証では、仕事部屋と寝室がある2階が物で埋まりすぎており、ロボット掃除機が十分に走れるスペースがなかったため、導入を断念しました。しかし、ここまで本格的に“家の掃除を任せられる”存在なら、いずれはすべての部屋をロボット掃除機に託せるよう、部屋のレイアウトを見直すのも良いかもしれないと思ったほど。

まさに、「Aqua10 Ultra Roller」は、床をきれいにしてくれるだけでなく、我が家の“掃除に対する意識”そのものを変えてくれたのです。

そんな、「Aqua10 Ultra Roller」は現在、先行販売サービス「GREEN FUNDING」で、定価より33%安価な16万7366円で販売中です。気になる方は、ぜひこのお得な機会にゲットしてみてください!




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著者プロフィール

小枝祐基

小枝祐基

PC、Mac、家電・デジタルガジェット周りを得意とするフリーライター。著書に『今日から使えるMacBook Air & Pro』(ソシム)、『疲れないパソコン仕事術』(インプレス)など。

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