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6K解像度、抜群の色精度、Thunderbolt 5対応。外部ディスプレイ「LG UltraFine evo 32U990A-S」実機レビュー! Macユーザの期待、すべてに応える“理想”の1台

著者: 村上タクタ

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6K解像度、抜群の色精度、Thunderbolt 5対応。外部ディスプレイ「LG UltraFine evo 32U990A-S」実機レビュー! Macユーザの期待、すべてに応える“理想”の1台

画像●黒田彰

かつてAppleは、直営店およびApple StoreオンラインにてLGの「UltraFine 5K Display (27MD5KL-B)」を販売していた。このことは、多くのAppleファンが知っていると思う。Thunderboltケーブル1本で接続できる利便性に惹かれ、筆者もそれを購入した。

のちに同じくLGの「31.5インチIPS 4Kモニター(32UN650-W)」を買い足し、現在はMacBook Proの本体ディスプレイも含めて3画面を併用している。

ただし、ppiの差という課題がある。ppiとはピクセル・パー・インチ(1インチに何ピクセルあるか)、つまり、画面が表現可能な細かさを示す。この数値が、14インチのMacBook Proは254 ppi。「27MD5KL-B」は218 ppi。そして「32UN650-W」は140 ppiなのだ。そのため、実サイズで表示した際、精細さに差が出てしまう。

しかし、高解像度の大画面ディスプレイはかなり高価で、たとえばAppleのPro Display XDRは72万8800円から。一方、今回レビューするLGの「32U990A-S」は31万9000円であり、頑張れば買えるかも…!と思える価格だ。

「27MD5KL-B」は約9年使ってきた。ここから10年の仕事のクオリティを支えるディスプレイに、そろそろ投資を検討するべきかもしれない。

LG UltraFine evo 32U990A-S

【発売】
LGエレクトロニクス・ジャパン
【価格】
31万9000円(直販価格)

公式サイト

Amazon販売ページ

高精細かつ31.5インチの大画面ディスプレイ。デザインやカラーもApple製品と親和性アリ

さっそく、「32U990A-S」の電源を入れてみる。座って実物を目の前にすると、当然のことながらこれまで使っていた「27MD5KL-B」より大きく、「32UN650-W」よりはるかに高精細だ。試しにいくつかアプリを開いてみたら、圧倒されるほど表示領域が広い。

32U990A-S」の広大な表示領域。高精細なので、それでいて視認性も高い。

しばらく仕事に使ったが、やはり高精細に勝るものはないと感じた。画面サイズは「32UN650-W」とほぼ同じだが、6K解像度ゆえに情報量は2.5倍以上。すべての表示内容がハッキリ見える。従来より表示フォントサイズを小さくしても問題なさそうだ。また、写真などのディテールもクッキリ見えた。

さて、デスクに「32U990A-S」を配置したとき、モダンなデザインのスタンドに目が留まった。座りながら作業すると見えない部分だが、個性が光る。

また、個人的にうれしいのが背面がシルバーなこと。筆者は自宅で、窓に向かって作業をしている。そのため、日光がディスプレイの背面に当たり、時折かなりの熱を持つことを気にしていたのだ。カラーがシルバーだと、ブラックよりも心配が少ない。

アーチを描く、モダンなデザインのスタンド。カラーリングも含めて、MacBookとの親和性は高い。

圧巻の解像度。「InDesign」や「Premiere Pro」など、クリエイティブソフトで威力を発揮

たとえば雑誌や本のデザイナーにとって、「32U990A-S」のメリットは非常に大きそうだ。Adobe InDesignでA4見開きのファイルを表示し、さまざまなツールを開いても、まだスペースが余る。

この余ったスペースに、ほかのファイルやアプリを表示すれば作業効率が向上するに違いない。しかもそれだけ広いスペースを使っていても、細かな文字がクッキリ見えるほど高精細だ。

A4変形サイズのMac FanのInDesignデータを原寸で見開き表示してみた。それでもまだ、ほかのツールに割く表示領域が充分にある。

動画の編集にも良い。複雑な動画になればなるほどトラックの数も増えていくが、6Kディスプレイであれば数多くのトラック、エフェクトなどを一望できる。

大画面は動画編集にも便利。多くのツールや素材を表示できる。

6K解像度とNano IPS Blackパネル。作業効率を上げる精細さと色表現の正確さ

また、写真のセレクト作業でもメリットが大きい。理由はシンプルで、多くのファイルを同時にチェックできるから。また1枚の写真を表示した場合、細部まで詳細に見ることが可能だ。

6Kということは、2123万画素を同時に表示できる。つまり、35mmフルサイズ一眼カメラで撮影した画像を表示して見るのにも相応しいといえるだろう。また、黒が締まるNano IPS Blackパネルなので、コントラスト比が非常に高く(2000:1)、AdobeRGBの99.5%、DCI-P3の98%を表示可能と、色の再現能力も非常に高い。

「写真」アプリでファイルを一覧してみた。この状態でも、各写真は高精細。写真をセレクトする際など、圧倒的に効率が上がるだろう。
デジタル一眼のデータをフルサイズ表示した。精細さ、色表現、いずれも一級品だ。

32U990A-Sの適材適所は? 高いピクセル数ゆえにリフレッシュレートは控えめ

反面、用途を選ぶと感じるポイントは、リフレッシュレートが60Hzであること。一般的な用途には十分だが、今やMacBookシリーズのディスプレイが120Hzまで対応しているため、ここに物足りなさを覚えるユーザはいるかもしれない。

特に、動きの速さを競うようなゲームをプレイする人には向かないだろう。しかし、2123万ものピクセルを備えていることを考えると仕方のないことだ。ちなみに、AppleのPro Display XDRディスプレイでも同様である。

いまや、大画面ディスプレイにもさまざまな種類がある。用途によって多彩な選択肢があると考えるべきだろう。ゲームをするならリフレッシュレートの高いディスプレイ、とにかく広い画面を求めるなら5K2Kの曲面ディスプレイ「40U990A」という選択肢もある。

そうした中で、「32U990A-S」は“高精細な大画面”が最大の美点となる。正確な直線を判断したりする必要のあるデザイナーやイラストレーターにとって、平面かつ高解像度であることは、コストパフォーマンスからいっても選択肢の筆頭に上がるだろう。

視野角は178度と広角。斜めから見ても、美しく色味と精細さを維持する。

最新規格・Thunderbolt 5対応。ディスプレイの枠を超え、32U990A-Sはハブとなる!

冒頭に、MacとLGのディスプレイは色味の相性が良い、と書いた。それに加えてもう一つのメリットとなるのが、Thunderbolt 5への対応だ。

筆者が使ってきた「27MD5KL-B」もそうだが、ディスプレイ側にストレージやキーボードなどを接続しておき、ケーブル1本でMacBook Proを接続できると非常に便利。しかも「32U990A-S」は、デバイス側に96Wまで電源供給が可能と、16インチのMacBook Proとも安心して使える。

Thunderbolt 5対応ポートを搭載。デイジーチェーン接続が可能なので、さらにディスプレイをつないだり、高速なSSDを接続したりできる。

Thunderbolt 5対応のメリットはそれだけではない。通信速度が速いため、「32U990A-S」にさらにもう1台6Kディスプレイを接続し、作業領域を拡張できる。そして、まだ製品数は少ないものの、超高速な外付けSSDを接続することも可能だ。

それでいてMacに接続するケーブルは1本というシンプルな構成を実現できることは、Thunderbolt 5対応がもたらす大きな恩恵だろう。

充実のインターフェイス。PBPやPIPといった表示機能、さらにはKVM機能も搭載!

32U990A-S」の背面ポートは実に多彩。上からHDMIポート、ディスプレイポート2.1、Thunderbolt 5ポート×2、USB-Cのダウンストリーム×2と、アップストリーム×1を備える。

背面のインターフェイス。水平方向にポートが配置されているのもポイントが高い。外部ディスプレイによっては垂直方向にポートが並ぶものもあり、ケーブル挿入時に難儀することがある。

豊富なポートを活用した、PBP(Picture-by-Picture=2分割表示)や、PIP(Picture-in-Picture=片側を小窓で表示する)表示も可能だ。これらの切り替えは、ディスプレイ背面のジョイスティックか「LG Switch」アプリを介して行う。

MacBook Proを2台接続し、PIP表示したイメージ。
ちょうどスタンドに正対する位置にジョイスティックがある。ここから輝度などをコントロールすることも可能だ。

さらに、KVM(Keyboard-Video-Mouse)スイッチの機能も備える。KVMは、“接続するパソコン”を切り替える機能。たとえば、「32U990A-S」にキーボードとマウスなどの周辺機器、そしてMacとWindows PCをつないでおくと、MacとWindowsをスムースに切り替えながら、どちらの環境でも同じ周辺機器を使用できる。MacとWindowsの二刀流がはかどるに違いない。

ワークライフバランスを支える? 「LG Switch」アプリがユニークかつ有用!

さて、先に「LG Switch」というアプリの名前を出したが、これがかなり便利だった。まず、Work ModeとLife Modeという2つのモードを切り換えられる点がユニークだ。

Work Mode。こだわり設定で作業に超集中!

Work Modeでは、ディスプレイのカラープロファイルを細かく切り換えられるほか、音量、画面の明るさなども操作できる。また、PBP、PIPなどの切り換えも可能だ。いわばバリバリ仕事をするためのモードである。

ジョイスティックを物理操作しなくていいのは非常に楽。

Life Mode。ゆったりまったりパソコンタイム

Life Modeは仕事を終えた後にリラックスしてディスプレイを使うときのモード。壁紙をLGオリジナルの動く壁紙に切り換えたり、カレンダー(Googleカレンダーを反映可能)を表示したりもできる。

なんでもない機能のように思うかもしれないが、筆者は波のゆらめきを見て和んでしまった。仕事のオン/オフを切り換え、気分転換するのにも使えそうだ。

Life Modeで壁紙を設定した。波が静かに揺れている。
カレンダー機能は、macOSのデスクトップのウィジェットのような使い心地。

また、LG Swichをインストールしておくと「M-control」も利用可能となる。「M-control」は、MacBookのキーボードや外付けキーボードから、「32U990A-S」側の輝度や音量を操作する機能だ。MacBookと「32U990A-S」の、アクティブな画面が操作対象となる。

高さや角度の調整システムはAppleの「Pro Display XDR」と同様。縦画面にも“変形”できる!

32U990A-S」は、ディスプレイのスタンドにも一工夫ある。Pro Display XDRに似た2段階のジョイントを採用し、高さ・角度を調整可能。また、ピボット機能を使って縦型ディスプレイとして使うこともできる。高さは60mm、角度はマイナス方向に5度、プラス方向に15度調整可能だ。

ディスプレイの高さを最小、角度をマイナス方向に5度下げた状態。
こちらは高さを最大、角度をプラス方向に15度上げた状態。いずれの場合でも、両手を使えばスムースに稼働する。
縦画面としても利用可能。なおピボットしたあとは、画面が縦方向に表示されるようMacの「システム設定」→[ディスプレイ]→[回転]で[270°]に設定を変更する必要がある。

また、「32U990A-S」はスピーカも内蔵している。出力は5W×2と、現代においては高音質とは言えないが、それでもディスプレイ全体から響く印象があり、数字以上に“使える”と感じる音質だった。もちろん、本格的にサウンドを楽しみたいのなら別途スピーカを用意すべきではある。

画面サイズ、解像度、色精度…「32U990A-S」の溢れる魅力。次の10年を見越して“買い”だ!

さて、「32U990A-S」の魅力を改めてまとめると以下のポイントが挙げられる。

  • 31.5インチの大画面に、6K解像度(6144×3456、224PPI)
  • AdobeRGB 99.5%、DCI-P3 98%、ΔE(デルタE) > 2、2000:1のコントラストを実現するNano IPS Black パネル
  • Thunderbolt 5対応による高速性と拡張性
  • 「LG Switch」アプリやPBP、PIP、KVMといった機能性の充実

筆者のようなライター業でも大きなインパクトがあったが、先に述べたデザインワーク、写真のセレクトや加工、動画編集には、さらなる効率化をもたらすだろう。さらにはドキュメントやWebサイトを数多く表示するオフィスワーク、コーディングなどにも向いた外部ディスプレイだと感じた。

外部ディスプレイは、購入後の数年間、仕事中の自分の視界をすべて預けるデバイスだ。そう考えると、31万9000円の価値は十分にあると感じた。筆者も、まもなく10年選手になろうとしている「27MD5KL-B」のリプレイスを検討したい。

LG UltraFine evo 32U990A-S

【発売】
LGエレクトロニクス・ジャパン
【価格】
31万9000円(直販価格)

公式サイト

Amazon販売ページ

※本記事はLGエレクトロニクス・ジャパンとのタイアップです。

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著者プロフィール

村上タクタ

村上タクタ

Webメディア編集長兼フリーライター。出版社に30年以上勤め、バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴ飼育…と、600冊以上の本を編集。2010年にテック系メディア「ThunderVolt」を創刊。

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