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iPhoneと相性よし。極薄AIボイレコ「Plaud Note Pro」をレビュー。外部音源に対応する「Plaud」アプリが超有用! ライター必携のツールになれるか?

著者: 山本敦

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iPhoneと相性よし。極薄AIボイレコ「Plaud Note Pro」をレビュー。外部音源に対応する「Plaud」アプリが超有用! ライター必携のツールになれるか?

AIによる文字起こし機能を備えたボイスレコーダは、ライターである筆者が昨今の「AI革命」による恩恵をもっとも強く感じているデジタルツールだ。

インタビューや製品発表会、説明会などの取材時にAI対応ボイスレコーダが手もとにあれば、話の理解に集中できる。また、取材後に話の内容をより正確に把握するためにも役立つ。いまやAI対応ボイスレコーダを持たずに取材現場に臨むことは考えられない。

とはいえ、ボイスレコーダにも良し悪しがある。Google Pixelにプリインストールされている「レコーダー」のように、モバイルアプリ化されているサービスもあれば、単体製品としてのボイスレコーダにも人気の商品がある。

名刺サイズのAIボイレコ「Plaud Note Pro」。人気モデルPlaud Noteがアップグレード!

Plaud Note Proは、極薄サイズのAI対応ボイスレコーダだ。四辺のサイズは名刺とほぼ同じ大きさで、重さも約30gと軽い。その筐体に、マイクとバッテリを内蔵している。

同社が2023年に発売した初代Plaud Noteからのアップデートとして、録音開始・終了などの動作ステータスやバッテリ残量を表示するカラーディスプレイ、そしてマイクユニットを追加。さらに接続性能の向上、バッテリ容量の増加なども図った。

Plaud Note Pro ディスプレイ
バッテリ残量のほか、波形で録音状況も把握できる。
Plaud Note Pro 充電イメージ
充電には専用のケーブルが必要だ。




専用アプリ「Plaud」が優秀! インポートした音源の文字起こし・要約にも対応

小さく軽いデバイスなので、ポータビリティに優れる。ただ、Plaud Note Proのようなスタンドアロンの製品は、家などに置き忘れると一般的には用を成さなくなってしまう。

ところがPlaud Note Proの場合、製品を購入すると使えるiOS/Android対応の「Plaud」アプリが優秀だ。

「Plaud」アプリは、音源をインポートできる。たとえば、iPhoneの「ボイスメモ」アプリで録音したオーディオファイルを取り込み、「Plaud」アプリで文字起こしできるのだ。

Plaudアプリに音声をインポート/エクスポート
「ボイスメモ」内のデータを取り込み、「Plaud」で文字起こしできる。また、「Plaud」アプリからMacやiPadといったほかのAppleデバイスへ、AirDropなどでファイルをエクスポートできるのも便利だ。

Plaud Note Proのマイク性能は? AIによるノイズ除去機能を試す

アプリに外部音源をインポートできるなら、Plaud Note Proの本体は要らないのでは?というギモンがわいてくる。Plaud Note Proは全4基のマイクユニットを内蔵しているが、筆者が試した限りでは音質があまり良くなかった。

しかし、録音完了後にアプリから整音処理をかけ、ノイズを除去できる「AIスピーチ強化」という機能がある。ノイズ除去を強めにかける「ミディアム」や「ハイ」に設定して試したが、それでも若干ノイズが残る印象だ。最新のiPhoneの内蔵マイクで録った音のほうがクリアに聞こえる場合も少なくない。

なお、録音する際にPlaud Note Pro本体の上に紙資料や衣服などを被せてしまうと、録音の音質低下につながるので気をつけたい。

先にギモンを呈したが、スマホに録音を任せると、そのほかの用途でスマホを使えない。そのため、スタンドアロンの録音機材として、Plaud Note Proの存在価値は十分あるとも言える。極薄・軽量の設計が、持ち運びの苦にならないのもいい。

「AIスピーチ強化」機能
録音ファイルの音質を向上させる「Plaud」アプリの「AIスピーチ強化」機能。ノイズ除去効果が期待できる。




文字起こしの精度と速度をチェック! 「300分/月」分無料はありがたい

録音の音質に関わらず、文字起こしは高い精度が期待できる。ここがPlaud Note Proの不思議なところだ。筆者は今回、「スタータープラン」で検証してみた。同プランでは、1カ月間に300分まで、生成AIによる文字起こしサービスが無料で利用可能だ。

Plaudのデバイスは音声文字起こしをクラウドで実行する。そのため、録音しながらリアルタイムに文字起こしされる文字を確認することはできない。録音終了後にアプリを操作し、生成文字起こしを実行する必要がある。

筆者が自宅で試したところ、30分前後の録音ファイルが約2分で文字起こしされた。なお、かかる時間は通信環境によるので、あくまで参考値である。

ちなみに、行われるのは文字起こしだけではない。会話の内容を読み取り、タイトルの設定と要約も生成してくれる。また、要約のスタイルは生成前にテンプレートから選択可能だ。

文字起こしと要約を生成
文字起こしファイルの生成スピードは、おおむね速い印象だ。

日本語・英語ともにハイレベルな文字起こし。フィラーの対応も比較的良好

文字起こし完了後、「Plaud」アプリの画面のトップに並ぶ[ソース]タブを開けば、文字起こしの全文を確認できる。正確さは日本語・英語ともにハイレベルだ。

漢字は、たとえば「低音」を「低温」と変換してしまう等のミスもところどころ散見される。しかし、日本語であれば読んで前後の文脈で把握できた。技術用語や固有名詞の識別なども、比較的安定している印象だ。

「えー」や「あー」といった“言いよどみ(フィラー)”の文字起こしも比較的抑えられている。ただ、インタビューの文字起こしの場合、会話の合間に挟まれる「うんうん」「なるほど」といった、聴き手側の”相づち”が拾われていた。これはほかの製品やアプリでもよくあることなので、現状ネガティブなポイントとはならない。




Plaud Note Proの新機能「ハイライト録音」。聞き返し、振り返りの手間がグッと減る

文字起こししたあと、「Plaud」アプリのトップに並ぶ[ノート]から[ハイライト]を開くと、さらに細かく整理された要約内容が参照できる。

Plaud Note Proに新しく加わった「ハイライト記録」は、録音中に本体のボタンをクリック、またはアプリからフラッグのアイコンをタップして、話者の重要な発言などに目印を付けられる機能だ。録音中にアプリ内のカメラ機能で録った写真を、タイムラインに沿って要約の中に加えることもできる。

ハイライト機能
ハイライト機能を使うことで、要約の情報量をよりリッチにできる。

ハイライトと写真の挿入は、ユーザが「聴くだけ」でよい場面に向いている機能だ。たとえば大勢で参加する会議、発表会、説明会などでは活躍するだろう。それらの場合、録音時、話を聞きながらPlaud Note Proを操作できるからだ。

しかし、1対1で向き合いながら話を進めるインタビューのような場面では、アプリの画面をチラ見しながらハイライトをタップしたり、写真を撮ることは難しい。

独自のAIアシスタント「Ask Plaud」も便利。Plaud Webでノートの整理に活用しよう

「ノート」に記録される情報は、独自のAIアシスタントである「Ask Plaud」を活用して、あとから質問・検索をして内容を深掘りできる。以前は「Ask AI」という名前だったが、機能のバージョンアップに伴い名称も変更されたようだ。

Ask Plaudは「Plaud」アプリでも便利だが、筆者はブラウザ版アプリの「Plaud Web」のほうがフィットすると感じた。

Plaud Web
PCブラウザ版の「Plaud Web」アプリ。Ask Plaudの機能も使いやすい。

そもそも、このPlaud Webアプリがとても優秀。文字起こしの「ソース」と「ノート」の両方をブラウザ上で編集し、誤字脱字を直して整えたファイルが出力できる。ファイルはテキスト形式だけでなく、WordのDocx形式やPDF形式など汎用性の高いフォーマットで出力、共有もスムースに実行可能だ。




「多言語」に強み? インポートオーディオへの対応が、新たな活用シーンを生む

Plaudの製品に限らず、アプリを含むAI対応ボイスレコーダの中で、2つの言語を同時に文字起こしできるソリューションに筆者はまだ出会ったことがない。

しかし、Plaudの「インポートオーディオ」の機能を上手く活用すれば話は変わってくる。ひとつの録音ファイルを複数回インポートし、アプリ上で言語を指定して文字起こしすればいいからだ。通訳者を入れた対面形式による外国人との会話やインタビューの文字起こしも、これで対応できる。

多言語対応
日本語で文字起こしをしたあとに、再度音源ファイルを取り込み直して、ほかの言語で文字起こしをすると精度の高いファイルができる。

Plaud Note Proの課題。バッテリはタフだが、電源オフにできないのはややストレス

Plaud Note Proは、マルチタスクをこなすデバイスではないため本体のバッテリ持ちは良い。公称スペックでは、フル充電すれば連続50時間、録音可能とされている。バッテリ残量は、Plaud Note Proの内蔵ディスプレイか、アプリの画面で確認可能だ。

ユーザとして気になる点は、本体のボタン操作で電源をオフにできないこと。一定時間が過ぎると自動でスタンバイ状態になるが、このときも電源はオフになっていない。

メーカーによると、Plaud Note Proにはシャットダウンの機能がなく、使用していないときは自動的に待機モードに入る仕様とのこと。ソフトウェアアップデート等を通じて、ぜひ電源をオフにする機能を追加してほしい。いくらバッテリ持ちがいいとはいえ、常にスタンバイしているのはムダに感じてしまう。また、ボイスレコーダであるがゆえ、常に“聴く準備をしている”仕様が気になるユーザもいそうだ。

専用のMagSafe専用ケースは磁力が弱め。フィットしすぎて取り外しにくいという難点も

本機についてもうひとつ注文を加えるとすれば、MagSafe対応ケースの吸着力が少し弱めなことだ。iPhoneごとバッグの中に入れていたら、いつのまにかPlaud Note Proが外れていることがあった。以来、筆者は落としたり紛失することが心配で、iPhoneから外して持ち歩くようにしている。

専用ケースでiPhoneに装着
MagSafe対応ケースの磁力は少し弱め。そしてケースに本体がぴったりと入ってしまうので、一度入れたあとは取り出しづらい。

300分/月の「無料スターターパック」は、AI対応ボイスレコーダを日常的な会議や取材の文字起こしに使うとすぐに枯渇してしまうだろう。筆者の場合は、Google Pixelの「レコーダー」アプリを併用してやりくりしていくつもりだ。だがもしPlaudの無料分を使い切ったら、有料プランにアップグレードするのではなく、「600分/2000円」の追加パッケージを購入して様子をみようと思っている。

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著者プロフィール

山本敦

山本敦

オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ITからオーディオ・ビジュアルまでスマート・エレクトロニクスの領域を多方面に幅広くカバーする。最先端の機器やサービスには自ら体当たりしながら触れて、魅力をわかりやすく伝えることがモットー。特にポータブルオーディオ製品には毎年300を超える新製品を試している。英語・仏語を活かし、海外のイベントにも年間多数取材。IT関連の商品企画・開発者へのインタビューもこなす。

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