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小型アクションカム「Osmo Nano」レビュー! Insta360 GOシリーズとの違いは? DJIが満を持してリリースするモジュール式カメラをチェック

著者: 山田井ユウキ

小型アクションカム「Osmo Nano」レビュー! Insta360 GOシリーズとの違いは? DJIが満を持してリリースするモジュール式カメラをチェック

せっかくiPhoneという最高のカメラを持っているのですから、日常・非日常を問わず、どんどん動画を撮って思い出を残しておきたいもの。ただ、旅行や家族でのお出かけだと手が塞がることも多く、せっかくのチャンスにiPhoneを取り出せない!なんてこともあります。

そこで筆者がおすすめしているのが、体に装着できるタイプのカメラを活用し、両手をフリーにするPOV(一人称視点のビデオ)です。このタイプのカメラだと、筆者も使っているInsta360のGOシリーズが定番ですが、ここへきてDJIが参入しました。

それが、本日(2025年9月23日)発売する「Osmo Nano(スタンダードコンボ4万3890円から)」。今回、ひと足早く製品をお借りできたので、その使用感をお届けします!

コンパクトなアクションカメラOsmo Nano。両手をフリーに、自由な撮影を

Osmo Nanoは、ジャンルとしてはアクションカメラに分類されます。コンパクト、頑丈、防水。どんな環境でも安心して使うことができるのが特徴です。

満を持して登場した、DJIのOsmo Nano。

アクションカメラは、そのコンパクトさを活かして胸や頭に取り付ける撮影方法が人気。それにより両手がフリーになるので、ほかの作業をしながらでも撮影できるというわけです。




先行するInsta 360のGOシリーズ。DJIのOsmo Nanoは、その強力なライバルに?

ただ、Osmo Nanoは一般的なアクションカメラとは違った特徴があります。それは、カメラ部分とディスプレイ部分が分離する「モジュール式」になっていること。これにより、体に取り付けるモジュール部分はさらにコンパクトになります。体につけて撮影していても目立たないので、日常のVlogにもぴったりなのです。

シャツにカメラモジュールだけを装着。

ユニークな特徴を持つモジュール型アクションカメラ。まだまだ新しいジャンルで製品も多くはないのですが、有名なのはInsta360のGOシリーズでしょう。コンパクトなGO 3Sと、少し大きめながら高画質・高機能なGO Ultraの2つが人気です。

そんなInsta360 GOシリーズの強力なライバルになりそうなのが、今回発表されたOsmo Nanoというわけ。

各モジュールは磁力と爪でしっかり固定。激しい動きをしても、外れる心配はなし!

ディスプレイとカメラのモジュールは、マグネットと爪でがっちり接続されており、勝手に外れることはありません。

しっかり固定されるので、動きの激しいシーンでも安心して使えます。

ユニークなのは、ディスプレイに対し、カメラモジュールを表裏関係なく装着できること。これにより、ディスプレイを見ながらの自撮りも簡単にできるのです。

自撮りというと、Insta360 GOシリーズのようなディスプレイを可動させるタイプを思い浮かべますが、Osmo Nanoの前後どちらでも取り付けられるというのは、面白いアイデアだなと感心しました。




サイズはInsta360 GO 3Sよりやや大きい? でも、その分センサが大きいぞ!

分離するとカメラモジュールはかなり小さく、まさに親指サイズ。Insta360 GO 3Sと比べるとやや大きいのですが、これには理由があります。

カメラモジュール単体だとこのサイズ感。
筆者が所有する、Insta 360のGO 3Sのカメラモジュールと並べると、Osmo Nanoはやや大きい。

実は、Osmo Nanoのセンササイズは1/1.3インチとかなり大きいのです。カメラは基本的にセンサが大きいほど高画質になりますが、その代わり本体も大きく重くなります。

そう考えると、Osmo Nanoは高画質な割に、サイズをかなりコンパクトに抑えていると言えるでしょう。Insta360 GO 3SはOsmo Nanoより小さいですが、その分センササイズも1/2.3インチと小さめ。

直接的な競合は、同等の1/1.28インチのセンササイズを持つInsta360 GO Ultraになりそうです。

内蔵メモリ&microSD対応がうれしい! 撮影性能やバッテリライフも申し分なし

比較を続けましょう。Insta360 GO Ultraは、アクションポッド(ディスプレイモジュールに相当)が108g。対してOsmo Nanoは、ディスプレイモジュールが72gと軽量です。

ただし、カメラモジュールはどちらも52g程度なので、分離して使う際の重さに違いはありません。それよりも、Insta360 GO Ultraはカメラが角丸のスクエアで、Osmo NanoはInsta360 GO 3Sと同じ横長のカプセル型と、形状がかなり異なります。ここは好みが分かれる部分かもしれません。

Osmo Nanoが明確に優れているのは、内蔵メモリを64GB、または128GB搭載しており、なおかつmicroSDカードも使える点。Insta360 GOシリーズは、機種によって内蔵メモリかメモリーカードのどちらかしか使えないので、この点はOsmo Nanoならではの魅力です。

映像面では、Osmo Nanoは10-bit動画、さらにあと編集がやりやすいD-Log Mにも対応しています。一般ユーザにはあまり関係ないかもしれませんが、本格的に映像制作をしている人にはうれしいスペックです。

スローモーションも、Osmo Nanoは4K/120fpsまで撮影できます。録画時間はカメラ単体で約90分、ドックと合わせて約200分と、このタイプのカメラにしてはかなり長い印象。スペック面は弱点らしい弱点のない仕上がりです。




ネックレス型マグネットでOsmo Nanoを胸元にセット! “手ぶらでVlog”を始めよう

さて前置きが長くなりましたが、実際に使ってみました。 Osmo Nanoのような分離型アクションカメラの価値は、胸に取り付けて両手をフリーにした状態でVlogを撮れることだと思います。

そうでなければ、iPhoneだって一眼カメラだって、それこそ最強VlogカメラことOsmo Pocket 3だっていいわけですからね。

胸への取り付け方は、付属のネックレス型マグネット「Magnetic Lanyard」を使います。首にかけて服の中に入れ、外からOsmo Nanoを付けるとマグネットによってガチッと固定されます。磁力は非常に強力なので、つけたまま歩いたり走ったりしても落ちる心配はないでしょう。

ネックレスのようなMagnetic Lanyard。

ほかにも、帽子につけるためのクリップや、壁に取り付けるための吸盤マウント、頭に取り付けるヘッドバンド型のマウントなど、さまざまな周辺機器が同梱されています。胸につけるだけでなく、これら多彩なアイテムと高い耐久性を活用することで、一眼カメラやiPhoneでは撮れないような撮影にチャレンジできそうです。

Osmo Nanoの画質をチェック。デフォルトではかなり鮮やか。Logで撮って編集もおすすめ

画質については、デフォルト設定で撮るとやや鮮やかに映る印象です。少し派手に感じるかもしれませんが、見栄えはします。明るい日中だと、iPhoneやもっと大きなセンササイズを持つカメラと比べてもそれほど差は感じません。十分にきれいな映像が撮影できました。

日中に撮影。色味はハッキリと表現されます。
街歩きのシーンも、明るく鮮やか。

また色味については、先述したようにD-Log Mを使用することで自由にアレンジできます。中級者になってきたら挑戦したいところです。




SuperNightモードで夜間の撮影にも対応。Osmo Nanoのメリットが光る

そして、特筆すべきはSuperNightモード。アクションカメラは本来、暗い場所の撮影には向きませんが、SuperNightモードを使うとかなり明るく撮影できます。同じくDJIのアクションカメラ、Osmo Action 5 Proにも搭載されていた機能です。

同等程度のセンササイズを持つiPhone 14 Proと比較すると、ここはiPhoneのほうが画質はやや上の印象。ただ、Osmo Nanoの画質が悪いというわけではありません。

そもそも、多くのアクションカメラでは、ここまで明るく撮影できませんしね。またiPhoneとの比較でも、Osmo Nanoは両手が自由という圧倒的なメリットがあります。

Osmo NanoのSuperNightモードで撮影。
iPhone 14 Proで撮影。

手ぶれ補正や傾き補正が頼れる! Osmo Nanoで撮影後、「DJI Mimo」アプリで簡単編集も

手ブレ補正ももちろん搭載されています。デフォルトだとOFFになっていますが、「RockSteady 3.0」をオンにしておきましょう。

さらに、「HorizonBalancing」もオンにしておくと、映像の傾きを±30°まで補正して水平に近づけてくれます。画角が少し狭くなりますが、歩き撮りするなら必須の機能です。Insta360 GOシリーズの±10°でもかなり助かる機能だったので、これはうれしいですね。

撮影後は、DJIのアプリ「DJI Mimo」で編集も行えます。おしゃれな編集が一瞬でできるワンタップ編集機能など、サクッと動画編集するのに便利なアプリです。またiPhoneとBluetooth接続すれば、アプリ側からOsmo Nanoを操作できます。

「DJI Mimo」アプリ。編集機能のほか、活用法やテクニックを学べるコンテンツも充実しています。

“後発”だからこそのメリットも多数。DJIの製品群との互換性も大きな魅力に!

総じて、Osmo NanoはInsta360 GOシリーズを強烈に意識した製品だと感じました。後発だけあって、競合製品をよく研究し、さまざまなメリットを打ち出してきています。

内蔵メモリとmicroSDカードの両立、よりロングライフなバッテリ、強力な傾き補正、Log撮影。そして、DJI MicシリーズをはじめとするDJI製品との互換性は大きな魅力です。

旅行や日常を手軽に記録するのに、分離型アクションカメラは最適な選択肢の一つ。何かと荷物が多くなるファミリー層はもちろん、一人旅などにも活躍してくれることは間違いありません。

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著者プロフィール

山田井ユウキ

山田井ユウキ

2001年より「マルコ」名義で趣味のテキストサイトを運営しているうちに、いつのまにか書くことが仕事になっていた“テキサイライター”。好きなものはワインとカメラとBL。

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