目次
- inZOIは、Apple Ⅱ時代の「Little Computer People」みたいなもの?
- inZOIの世界で暮らすのは、プレイヤーの分身「Zoi」。カスタマイズ機能は超豊富
- 最新DLCの「リゾート地・チャハヤ」で生活をスタート! 海辺の自宅はローンで…とてもリアルだ
- 放置しておけば、Zoiは勝手に“生活”していく。だけど、収入はどうする気?
- スマホアプリで職探し。私ことZoi、まさかの法律事務所の内定をゲット!
- さて、ご飯はどうしようか。冷蔵庫からメニューを選んでいただこう!
- 古めかしいPCで、夜までデスクワークに集中。はやくMacに買い替えたいなあ…
- しっかり早起きしてパソコンの前へ。掃除や炊事もこなすと、家事レベルがアップ!
- 夕方はプールでリラックス。明日に備えて早めに寝たら、時差ボケみたいな生活リズムに
- スーツに着替えてタクシー通勤。でも君、遅刻では?
- 遅刻のお咎めなしでホッと一安心。inZOIの世界は意外とおおらか?
- 本人の主体性に任せたら、またも遅刻。これはイカン!と、つい親の気持ちに
- 「Macでゲーム」の今後。Steamも含めて期待は大きい
シミュレーションゲーム「inZOI」に、待望のMac版が登場した。その体験をレポートする。
※本レビューの執筆にあたり、Appleよりアプリの提供を受けています。
inZOIは、Apple Ⅱ時代の「Little Computer People」みたいなもの?
筆者は昔…というかMacが登場するより前のApple IIの時代に、「ZORK」や「Wizardry」、「ULTIMA」といったRPGから、「LODE RUNNER」や「CHOPLIFTER」などスクロール系のアクションゲームまでどハマりしていた。
しかし今や、ゲームとはすっかり疎遠に。たまに、息抜き程度にiPhoneで落ちモノ系を楽しむ程度で、プレステやNintendo Switchといった家庭用ゲーム機も持っていない。
そんな私に「Mac版がリリースされたばかりの、新作ゲームを試してみませんか?」とお声がかかった。聞くと「inZOI」というゲームだという。

調べたところ、自分の分身となる「Zoi」を操作するライフシミュレーションゲームらしい。自分で家を建てたり仕事したり、ほかのキャラクターとコミュニケーションしたり、とリアルな生活を堪能できるようだ。「シムシティの自宅版みたいな感じですかね。Apple II時代にあった『Little Computer People』の現代版ってとこでしょうか?」と返事をしたが、若い編集者にはピンと来なかったようだ。
そりゃそうだ。私ももうApple老人会のメンバーといって差し支えない年齢だ。いや、Apple仙人会と言ってもいいかもしれない。
さて、結論から言うとそんな筆者が「inZOI」にしっかりハマった。その経緯を語っていこう。
inZOIの世界で暮らすのは、プレイヤーの分身「Zoi」。カスタマイズ機能は超豊富
inZOIはApp Storeでも提供されているが、今回は案内を受けてSteamからダウンロードした。プレイする際も、Steamアプリを起動してから、ライブラリ内のinZOIを開く。
ゲームは、Island Getaway(邦題では「島に旅立つ」だそうだ)の紹介画面が表示されるところからスタート。すべて見終わると、inZOIのオープニング画面に切り替わった。ここでは「新しく始める」のほかに「建築モード」や「キャラクタースタジオ」などが選べるようだ。

[新しく始める]を選択すると、人物をカスタマイズする画面が現れた。名前や年齢層、性別に加え、気質や希望する人生なんて選択項目もある。そのほか、顔や身体、衣装、アクセサリなど細かにカスタマイズ可能だ。
ここで悩んでも仕方ないので、プリセットから適当なものを選んで先に進める。次は家族作成だ。ここで家族も作成できるようだが、面倒なので自分一人だけで先に進めた。



最新DLCの「リゾート地・チャハヤ」で生活をスタート! 海辺の自宅はローンで…とてもリアルだ
最後に都市を選択する。選択肢は、「ドウォン」と「ブリスベイ」、それに「チャハヤ」の3つ。最近リリースされたDLCの「Island Getaway」とは、「チャハヤ」のようだ。今回のレビューにあたりDLCの提供も受けているので、チャハヤにしてみよう。

選択すると地図が表示され、引越し先の家を選べとの指示。できるだけ海岸に近い場所がよかったので、空いている家に決めた。いよいよinZOIでの生活がスタートだ。


放置しておけば、Zoiは勝手に“生活”していく。だけど、収入はどうする気?
inZOI内の私(Zoi)は、家に入って早々、デスクに座ってパソコンを操作し始めた。とりあえず、画面に写っているステータスやメニューをクリックして、基本操作を確認していこう。

常時表示されるのは、好奇心や自分自身のステータス、持ち物など。なるほど、能動的な操作はあまり必要なく、放置しておけばinZOIの世界の中で勝手に生活していくらしい。


時刻を見ると日曜の早朝。リゾート地の、しかも海辺の家に住んでいるのにパソコンを操作しまくっている。そんなところは似なくていいのに…。そういえば、家を選択するときに金額が表示されていたが、所持金はあるのだろうか?
画面を見ると、「M1000」と表示されている。単位はよくわからないが、これが今の全財産のようだ。リゾート地とはいえ、ここに暮らしていくのだから、今後もお金は継続的に必要になる。収入はどうするのだろう。
スマホアプリで職探し。私ことZoi、まさかの法律事務所の内定をゲット!
こうした疑問点は、ヘルプ画面に相当する「サイキャットガイド」に書かれているようだ。さっそく、お金を稼ぐさまざまな方法をチェックしてみる。
創作や中古品の販売、悪事を働くなんてのもあるが、まずは職業を持つ必要があるようだ。どの世界も同じ、「働かざるもの食うべからず」。さて、それではどのように職を探すのか…なんと、スマートフォンの求人アプリを使えとある。なるほど今風だ。
持ち物の一覧からスマートフォンを選択すると、iPhoneをMacにミラーリングしたときのように、スマホの画面が表示された。そこから「職業」アプリを開き、採用情報から探す。


選択肢はたくさんあるが、思い切って法律事務所の求人に応募してみた。そしたら即、採用。書類提出も面接もなし。これも“今風”なのだろうか。まぁ、いい。とりあえず、これで仕事は見つかった。
さて、ご飯はどうしようか。冷蔵庫からメニューを選んでいただこう!
そういえば、もうお昼の12時を回っている。食事はどうするんだろうか? 放っておけば勝手に食べてくれるのだろうか? ここにきて、はじめて家の中を歩き回ってみたところ、別棟にキッチンスペースを発見。冷蔵庫を開けると、料理や手軽な食べ物を食べるというメニューが出てきた。
とりあえず食べてみよう。お、冷蔵庫から食事が盛られた皿を取り出し、テーブルで食べ始めた。食事が終わると、一目散にパソコンデスクへ。こいつ、どんだけパソコン好きなんだ!



古めかしいPCで、夜までデスクワークに集中。はやくMacに買い替えたいなあ…
パソコンをクリックすると、そのPCでできるリストが現れた。せっかく法律事務所に勤めるんだから、業務課題でもやっておこう。その後、夜になるまで業務課題を続けさせた。そして夕食を摂り、またパソコン作業。夜中になったが、まだパソコンをいじっている。
さすがにそろそろ寝たほうがいいだろう。だが、キャラクターをクリックしても睡眠を取らせるメニューが見当たらない。ふと気づいてベッドをクリックしたら、[寝る]というメニューがあった。ひとまず、1日お疲れ様でした。


しっかり早起きしてパソコンの前へ。掃除や炊事もこなすと、家事レベルがアップ!
翌朝、7時過ぎに起床していた。パジャマから着替え、トイレを済ませ、手を洗ってパソコンの前に移動。真面目なやつだ。そのあと、気まぐれに掃除をさせたり、朝食を摂らせたりしてみたが、指示した動作を終えると、すぐパソコンの前に戻っていく。
あ、そういえば今日は月曜日だ。仕事場の法律事務所にはどう行けばいいのだろう? そもそも場所もわからない。いろいろステータスやメニューを探ったところ、スマートフォンのスケジュールに勤務時間が入っていた。

なんと仕事は火曜日、水曜日、金曜日の週3日勤務らしい。あとは在宅ワークということなんだろうか。とりあえず、今日の出勤はないとわかって一安心だ。

夕方はプールでリラックス。明日に備えて早めに寝たら、時差ボケみたいな生活リズムに
読書したり、パソコンでの業務課題をこなしたり、合間に食事を取ったり。ゆったりと1日を過ごす。庭にプールがあるので、夕方、リラックスを兼ねて入ってみた。まったくうらやましい生活だ。

シャワーを浴びたら、ちょっと早いが寝てしまおう。なんせ明日は初出勤だ。遅刻は許されない。午後8時前に就寝。…と思ったら23時50分に起きてしまった。どういう睡眠サイクルなんだ。仕方ない。このままパソコンを業務課題をさせておこう。結局、Zoiは朝まで業務課題を続けることになった。

スーツに着替えてタクシー通勤。でも君、遅刻では?
さて、スケジュールによると勤務は9時から。だが8時半になってもパソコンを操作している。Tシャツに短パン姿じゃ流石にまずいだろう。一応スーツに着替えさせてみたが、9時になっても動き出す気配がない。
どうすればいいんだ!と焦っていたら、画面に勤務時間に関する通知が来た。すかさず[移動する]を選択。でもこれ、遅刻じゃないか…?


すると、スイッチが入ったように家を出て歩いていく。まさか徒歩出勤⁉︎と思っていたら、タクシーを捕まえるようだ。タクシーの前でウロウロするZoi。すると「予定されたスケジュールをこなすため、タクシーで移動しました」とのダイアログが表示された。
どうやら、移動や仕事場での様子は見られないらしい。「外部で活動しています」と表示され、帰宅時間まで時間をスキップできるとアナウンスされた。う〜ん残念だが仕方ない。スキップすると、家に向かって歩いている画面に切り替わった。帰りも近くまでタクシーを使ったようだ。


遅刻のお咎めなしでホッと一安心。inZOIの世界は意外とおおらか?
家に着くなり、またパソコンの前に。普段着に着替えさせると、[やるべきこと]が表示された。法律事務所からの指示で、「鏡を見て代理人役を練習してみる」という内容だ。
家の中にある掛け鏡をクリックし、「鏡を見て代理人役を練習してみる」をチョイス。それ以外の「話す練習をする」なども試してみる。

それにしても、初日から遅刻はダメだろう。勤務時の様子は見られなかったが、上司に怒られたりしなかったのだろうか。勤務評価が気になったので、スマートフォンの「職業」を開いてみる。出勤日はちゃんとカウントされており、特に遅刻のカウントはなさそうだ。
そういえば、「サイキャットガイド」には無断欠勤が3日続くと解雇される恐れが、と書いてあった。多少の遅刻は気にしない、おおらかな職場なのだろうか。

本人の主体性に任せたら、またも遅刻。これはイカン!と、つい親の気持ちに
彼の自主性は、いったいどこまであるのだろうか。食事やシャワーを済ませると、ソファでくつろぐZoi。しばらくするとパソコンの前に移動した。そこからぶっとおしで明け方4時まで仕事をしている。おいおい、徹夜するのか?と思っていたら、自らパジャマに着替えて寝始めた。うーむ、Zoiの行動がまったく読めない。
ところが7時、8時を過ぎても一向に起きる気配がない。もう9時だ。昨日、こちらから指示して寝させた時は3時半ほどで目を覚ましたのに…。思わずイライラしてしまう。
すると、また勤務時間を知らせる通知が来た。睡眠を中止して出勤させる。すると、普段着のまま家を飛び出し、タクシーを捕まえにいくではないか。この時点で、9時をだいぶ回っている。


夕方、昨日と同じようにタクシーで帰ってきた。パラメータを見ると、出勤日はきちんと増えていて、評価もプラス方向に伸びている。こんな働き方でいいのだろうか。
起床時間と出勤時間のドタバタで、あっという間に2日目が終わってしまった。これではライフシミュレーションではなく、ダラダラ過ごす息子を叱る親のようだ。
…とかなんとかいいながら、このむず痒さを楽しんでいる自分に気づく。これはまさか、inZOIにハマってきている…? まあいい。とにかく翌朝、早く起こして余裕を持って出勤させなくては!
「Macでゲーム」の今後。Steamも含めて期待は大きい
まだまだinZOIは序盤だが、微妙にうまくいかない感じ、が妙にリアルだ。今もなお、筆者はZoiとの生活を続けている。
冒頭のメニューのように、日本語へのローカライズが完璧ではないところもあるが、日本語環境でのプレイに大きな問題はない。ちなみに今回、筆者は2022年発売のM2搭載MacBook Air(メモリ16GB)でプレイしている。システム要件的には最小クラスだが、プレイ時に不快感を覚えることはなくスムースに動作した。
これまでMacでゲーム、ひいてはSteamに注目することはなかった筆者だが、inZOIの体験で、そのポテンシャルを垣間見た。Apple Arcadeのタイトルは充実しているし、先日はAAAゲームの「サイバーパンク2077 アルティメット」がMac版をリリースした。Apple Ⅱ以来、ゲームにどハマりする未来が来るのが、楽しみなようで怖くもある。
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