Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

SSD「Crucial X10」レビュー。“iPhoneで撮影旅”のお供に最適でした。高速転送、タフなボディ、そしてコンパクト。Macへのデータ移行にも超役立つ!

著者: 小枝祐基

SSD「Crucial X10」レビュー。“iPhoneで撮影旅”のお供に最適でした。高速転送、タフなボディ、そしてコンパクト。Macへのデータ移行にも超役立つ!

旅先でiPhoneを使って写真や動画を撮るのが好きな筆者にとって、避けて通れないのがストレージの心配です。つい先日も、旅先で夢中になって撮影していたら、突然「ストレージがいっぱいです」と表示されてしまい、撮りたい瞬間を逃してしまいました。

そんな経験から、iPhoneと一緒に使えるうえに大容量で、衝撃に強く、取り回しのよい外付けストレージを探していました。そこでようやく見つけたのが「Crucial X10」というアイテムです。実際に旅行で使ってみたので、本記事ではその魅力を具体的に解説していきます!

Crucial X10

【発売】
マイクロンジャパン
【価格】
1万9000円(1TB)、2万9700円(2TB)、5万4500円(4TB)、7万1000円(6TB)、9万2300円(8TB)※2025年9月20日現在

ストレージ容量:1TB/2TB/4TB/6TB/8TB
インターフェイス:‎USB 3.2 Gen 2×2 (20Gb/s)
読み込み速度:最大2100MB/秒
耐久性:3mの対落下性能、IP65の耐水性・防塵性
対応デバイス:iPhone 15以降、Android、Mac、USB-C対応のiPadシリーズ (iPadiPad MiniiPad AiriPad Pro)、Windows、Chromebook、Linux、PS4、PS5、Xbox
フォーマット:exFAT
保証期間:5年間

「Crucial X10」は1TBから8TBまでラインアップ。4K写真が最大50万枚保存可能

「Crucial X10」は1TBから8TBモデルまで5つの容量がラインアップされている外付けSSDです。特に8TBモデルでは、最大50万枚の4K写真、114本のゲーム、260万個のMP3音楽ファイル、133本の4K動画を保存することができます。

また、「Crucial X10」は「Apple ProRes」フォーマットのファイル保存にも対応するため、iPhone 15 Pro以降のシリーズで撮影した高精細な動画もたっぷり保存することが可能。ProRes動画は、1分間の動画で約6GB(4K/30fpsの場合)とファイル容量が非常に重く、iPhoneのストレージをすぐに圧迫してしまうので、旅先での動画撮影が多い人にとって、心強いスペックといえるでしょう。

ただし、ProRes動画を撮影しながら「Crucial X10」に直接保存できない点には注意が必要です。その運用をしたいなら、Proモデルがおすすめ。「Crucial X10 Pro」の詳細は、こちらの記事で解説しています。

ProRes動画を撮影できるiPhoneは、iPhone 15 Pro/15 Pro Max、iPhone 16 Pro/16 Pro Max、iPhone 17 Pro/17 Pro Maxです。
ProResでの撮影を有効にするには、「設定」アプリの[カメラ]→[フォーマット]で[Apple ProRes]をオンにします。 
撮影可能時間は、4K/60fpsの場合は約578分、HD/30fpsだと約4624分と、十分すぎるほどの容量です。

「Crucial X10」は出先でガンガン使えるタフな仕様。IP65の防塵・耐水。3メートルからの落下にも耐える!

旅への出発前、荷造りの段階でまず感動したのが「Crucial X10」のコンパクトさです。サイズは65(W)×50(H)×10(D)mm、重さは約36gと軽量で、シャツの胸ポケットにもすっと収まりました。

しかも、IP65の防塵性・耐水性と、最高3メートルからの落下にも耐えるタフさを備えるので、カメラバッグのような頑丈なポーチに入れる必要もなく、身軽に持ち運べるのがうれしい! 万が一落としても安心なので、キャンプなどアウトドア系の旅行にももってこいでしょう。

「Crucial X10」は上下と左右で側面の質感が異なります。コーナーや左右側面は光沢あるプラスチックの質感で、表面と背面および上下側面の窪み部分はややザラっとした滑りにくい質感です。

シンプルな手順だからデータ移行もスムース。旅先での写真整理もらくらく!

ではここで、「Crucial X10」にiPhoneで撮影した写真や動画を移動する手順を解説します。

iPhoneから「Crucial X10」にデータを移行する手順

手順はとても簡単です。まず、付属のUSB-C to Cケーブルで、iPhoneと「Crucial X10」を接続しましょう。なお、下記で使用する図版は、iOS 18.6.2をインストールした、iPhone 15 Pro Maxで撮影したスクリーンショットになります。

①iPhoneの「写真」アプリを開き、コピーする写真や動画を選んで、画面左下の[共有]ボタンをタップします。
②画面が切り替わったら、[未編集のオリジナルを書き出す]をタップします。
③書き出し先が一覧されたら、保存場所の候補から[Crucial X10]をタップします。
④「Crucial X10」内で保存したい場所を選び、[保存]をタップすればOKです。
⑤コピーしたデータは「ファイル」アプリ内から確認できます。「ファイル」アプリを起動し、[Crucial X10]をタップ。
⑥「ファイル」アプリからX10にアクセスし、データがコピーできているか確認しましょう。
⑦データをiPhoneに残しておく必要がないなら、削除してしまうのもありです。そうすることで、iPhoneの内蔵ストレージを節約できます。コピーが済んだら、もう一度「写真」アプリを開き、書き出した写真を選択。右下の[ゴミ箱]のアイコンをタップして削除しましょう。

データ移行のその前に。知っておきたい「写真」アプリのテクニック

ここで、データ移行をスムースにするために、筆者が普段から実践しているちょっとした整理術をご紹介します。

それは、撮影した写真や動画を「写真」アプリの「お気に入り」や「アルバム」にまとめておくこと。こうしておくことで、あとから「Crucial X10」にコピーする際に、転送するデータを選ぶ手間がぐっと減ります。

筆者は、移動中の電車や飛行機の中など、ちょっとした空き時間にこの整理をしています。のちの作業がラクになるのはもちろんですが、撮った写真を見返しながら整理する時間は、旅の余韻を味わえるひとときにもなっています。

①写真を選択した状態で右下の[…]ボタンをタップ。メニューから[お気に入り]をタップすると、写真が「お気に入り」に登録されます。
②「お気に入り」に登録した写真は、[すべてを選択]でまとめて選択状態にできて便利です。
③「お気に入り」に登録した写真を削除する場合は、写真を選択した状態で[ゴミ箱]ボタンをタップ。なお「お気に入り」から取り除きたい場合は[…]ボタンを押して[お気に入り解除]を押せばOKです。

「Crucial X10」からMacへデータ移行するには? アダプタ不要の直挿しで、ノンストレス!

では、続いて「Crucial X10」内の写真や動画をMacにコピーする手順を見ていきましょう。

「Crucial X10」からMacへデータをコピーする

手順はとても簡単です。付属のUSB-C to Cケーブルで、Macと「Crucial X10」を接続するだけ。アダプタも、専用アプリも不要です。

①付属のUSBケーブルで「Crucial X10」とMacをつなぎ、「イメージキャプチャ」アプリを起動します。サイドバーから[Crucial X10]を選ぶと、写真の一覧が表示されます。
②[読み込み先]をクリックし、写真の保存場所を指定します。ここでは[デスクトップ]を選択します。
③コピーしたい写真を選択して、右下の[ダウンロード]をクリックすると、Macのデスクトップに写真がコピーされます。なお[すべてをダウンロード]をクリックすると、「Crucial X10」内の写真が一括でコピーされます。
④デスクトップに写真が保存されました。なお「イメージキャプチャ」の画面ではダウンロードした写真にチェックマークが付きます。

iPhone内の写真をMac上で開き、「Crucial X10」にコピーする方法

なお、応用編として、iPhone内の写真をMac上で開き、「Crucial X10」にコピーする方法も解説しましょう。この方法であれば、Macのストレージを圧迫することなく、大きな画面でiPhone写真の整理ができるので、覚えておくとよいでしょう。

①iPhoneとMacをつなぎ、「イメージキャプチャ」アプリのサイドバーから[iPhone]を選択するとiPhoneの写真ライブラリが読み込まれます。
②さらにMacと「Crucial X10」をつないだ状態で読み込み先に「Crucial X10」を指定すると、iPhoneから「Crucial X10」に直接写真がコピーできるようになります。あとは移動したい写真をチェックしてダウンロードをクリックすると、「Crucial X10」にコピーされます。

ちなみに、Macの「プレビュー」や「写真」アプリを使えば、旅先で撮った写真を簡単に編集できます。色味を調整したり、余計なものを消したりして、思い出をより美しく仕上げましょう。

「プレビュー」アプリで写真を編集する場合、タブバーにある鉛筆マークをタップすると、編集メニューが表示されます。カラーを調整したり、任意の部分をトリミングしたりするといった編集も簡単に行えます。

編集した写真も「Crucial X10」に保存しておけば、Windows PCにも共有可能。旅の思い出を家族や友人と楽しむのにも役立ちます。

気になるデータ転送速度は? 手持ちのHDDより4分以上も速く書き出せた!

肝心の転送速度は、まず、約15GBの4K動画をMacBookから「Crucial X10」にコピーしたところ、要した時間は約22秒。また、写真200枚(合計約1GB)のコピーにかかった時間は約5.5秒と、あっという間にコピーできました。比較として、同様のテストを筆者の私物のポータブルHDDで行ったところ、4K動画は約180秒、写真のコピーは約12秒と、その差は明らか。

また、手っ取り早く「Crucial X10」上のデータを直接開いて編集をしたいこともあるでしょう。そこで、ドライブ上に保存された写真200枚のフォーマットとサイズを一括変換した際に要する時間をチェック。HDDでは254秒のところ「Crucial X10」は191秒と1分以上の差が発生しました。

さらに、4K動画を半分程度にトリミングして書き出した場合、HDDでは291秒かかりましたが、「Crucial X10」はわずか40秒。いずれの場合も「Crucial X10」であれば、快適にデータ転送できることが確認できました。

「Crucial X10」と、筆者私物のポータブルHDDの、データ転送や編集速度を比較してみました。すべての操作で、「Crucial X10」のほうが作業を効率化できることがわかるでしょう。
残念ながら筆者のMacはUSB 3.2 Gen 2×2に対応していないため、転送にかかる速度は最大1050MB/sまでに制約されてしまいますが、それでも十分な速度です。USB 3.2 Gen 1やGen 2に対応した環境であれば、タフなパフォーマンスを発揮します。たとえば、動画編集や一眼レフカメラのバックアップや、iPhoneで撮影した大容量データの一時保管など、使い方次第でこの高速性は大いに活きるでしょう。
iPhoneでのファイルの読み込み・書き込み速度は「Disk Test by Magic Benchmark」アプリで測定しました。結果は書き込み速度868MB/s・読み込み速度764MB/s。SDカードやUSBメモリなどとは段違いの速度です。

旅好きにこそすすめたい。「Crucial X10」は旅好きのマストアイテムだ!

「Crucial X10」は、大容量・頑丈さ・コンパクトさと、外付けストレージに欲しい機能が1つに詰まっているアイテムです。さらに、iPhoneにMacやiPad、そのほかのデバイスのデータまで、一元管理できるのもうれしいポイントですよね。

旅の記録をしっかり残したい人はもちろん、日常使いとしても、「Crucial X10」は、今後外付けSSDを選ぶ際に、間違いなく候補に入れるべき優れたアイテムといえるでしょう。

Crucial X10

【発売】
マイクロンジャパン
【価格】
1万9000円(1TB)、2万9700円(2TB)、5万4500円(4TB)、7万1000円(6TB)、9万2300円(8TB)※2025年9月20日現在

ストレージ容量:1TB/2TB/4TB/6TB/8TB
インターフェイス:‎USB 3.2 Gen 2×2 (20Gb/s)
読み込み速度:最大2100MB/秒
耐久性:3mの対落下性能、IP65の耐水性・防塵性
対応デバイス:iPhone 15以降、Android、Mac、USB-C対応のiPadシリーズ (iPadiPad MiniiPad AiriPad Pro)、Windows、Chromebook、Linux、PS4、PS5、Xbox
フォーマット:exFAT
保証期間:5年間

※本記事はマイクロンジャパン株式会社とのタイアップです。

著者プロフィール

小枝祐基

小枝祐基

PC、Mac、家電・デジタルガジェット周りを得意とするフリーライター。著書に『今日から使えるMacBook Air & Pro』(ソシム)、『疲れないパソコン仕事術』(インプレス)など。

この著者の記事一覧