Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

AIイヤフォン「RecDot」レビュー/会話をその場で文字起こし&翻訳! AIは使うことを意識しない時代へ

著者: 笠井美史乃

AIイヤフォン「RecDot」レビュー/会話をその場で文字起こし&翻訳! AIは使うことを意識しない時代へ

AIの進歩が著しい昨今、業務効率に直結する「デバイス+AI」型の製品も見逃せません。特に、レコーダとテキスト化&要約の一体化には様々な製品があり、日本上陸を間近に控えるviaimのAIイヤフォン「RecDot」もそのひとつです。

今回は、蔦屋家電+で展示中のこの製品を一足先に試してみました。

Mac Fan Portalでは、蔦屋家電+で展示される注目プロダクトをピックアップして紹介中!

RecDot

【発売】
viaim
【価格】
一般販売価格:3万4800円(税込)
「viaim RecDotはAIを搭載したイヤフォンです。AIによる文字起こし、要約等できることは多岐に渡るのですが、特に注目なのが翻訳機能の対応幅! 対面での翻訳はもちろん、スマホで視聴中の動画の音声や、通話の内容も翻訳できちゃう万能型翻訳イヤフォンなんです」と語る蔦屋家電+スタッフの奈良さん。

通話しながら録音・テキスト化! AIイヤフォン「RecDot」

viaimは、音声認識・自然言語処理を中心としたAI技術とハードウェアの融合によるデバイスを開発するブランドです。RecDotは、すでにシリーズ累計100万台、世界180カ国以上のビジネス現場で活用されている製品で、2025年7月30日まで応援購入サービスMakuakeにて予約販売中です。

今回試したAIイヤフォン「RecDot」。スタイリッシュな黒のケースに赤いボタンがアクセント(使い方は後述)。専用アプリを使って録音・テキスト化を行います。

さっそくセットアップしてみましょう。まずは専用アプリ「viaim」をiPhoneへダウンロード。そして起動したら、画面の指示に沿ってイヤフォンをセットアップします。

viaim

【開発】
Hong Kong Future Intelligent Technology Co., Limited
【価格】
無料
アプリをダウンロードし、アカウントを作成してログイン。イヤフォンを接続待機状態にして、BluetoothでiPhoneと接続します。
アプリのメイン画面(左)。イヤフォンを装着して赤いボタンをタップすると、録音・テキスト化を開始します(右)。イヤフォン側でのタッチコントロールも可能。
イヤフォンは複数デバイスに接続でき、iPhone/Macの切り替えもシームレス。テキスト化は無料のベーシックプランで1カ月あたり600分使用できます。

設定自体は、5分ほどで比較的簡単に行うことができました。



今まで試行錯誤していた録音作業。AIイヤフォン「RecDot」の使い勝手やいかに?

世間的にオンラインミーティングが定着したこともあり、筆者のようなライターもオンライン取材の機会が増えました。オンライン取材の場合には、パソコン上でミーティング録画をして、動画ファイルをAIサービスにアップロードという流れでテキスト化をしています。しかし、これらの作業は手間もかかり、テキスト化の完了までに録画時間とほぼ同等の時間がかかっていました(最近はもう少し速くなりましたが)。

また、録画のトラブルに備えてバックアップの録音もしておきたいところですが、ICレコーダに直接ケーブルで音声を録音しようとすると、自分の声を撮るためのミキサーやマイクなどの機材が必要になります。結局、筆者はMacのスピーカから流れる音をICレコーダでそのまま録音する、いわゆる「エア録音」の方法に落ち着きました。

この一連の作業がRecDotを使えば、リアルタイムで録音とテキスト化が完了。しかも、普通にイヤフォンを使うこともできるならば、願ったり叶ったりです。では、その実力はどうなのか実際に使用してみました。

ニュース音声なら正確に読み取れる!

まず試したのは、Google Meetを使ったオンラインミーティングです。

テキスト化の精度は、ニュース音声やAIとの音声会話など、きっちりした発音ならほとんど修正がいらないほど正確です。しかし、人間同士の自然な会話では体感で1〜2割程度の手直しが必要でした。またBluetooth接続への電波干渉など、録音環境にも左右されます。

ただ、viaimアプリは月1〜2回のペースでアップデートを繰り返しており、アップデート内容にはテキスト化精度の向上も含まれています。2025年8月から開始される日本での正式な販売開始までに日本語テキスト化の精度向上も期待してよいでしょう。

要約機能や、JiraやTrelloと連携できるToDo抽出機能もあるので、議事録をまとめるだけでなく、実作業に直結するミーティングの実効性向上にも成果が期待できます。

録音済みの音声は[記録]タブで確認。AI機能(上図)を開くと、「要約まとめ」と「ToDo抽出」が使えます。


英語のテキスト化&日本語翻訳も優秀! QRコードで文字起こしの共有も可能に

RecDotはリアルタイムでテキスト化しながら同時翻訳もすることができます。そこで、先日のWWDC25の基調講演をRecDotを使って視聴してみました。

録音中に右上のボタンで[もっと見る]メニューを開き、[リアルタイム翻訳]を選択。翻訳言語から日本語を選択すると、英語音声のテキスト化に続いて、日本語翻訳が表示されます。

英語のテキスト化精度は非常に高く、翻訳も優秀です。海外の発表会取材などではかなり活躍してくれるのではないでしょうか。また、アプリ上でURLやQRを発行し共有することで、テキスト化・翻訳画面を他の人とリアルタイム共有することも可能です(最大300名)。共有された側は自分で翻訳言語を選べるので、多言語会議などの状況にも活用できそうです。

ただし、今回試した英語→日本語翻訳の場合、構文の違いのために翻訳文の確定が遅く、また確定するまでにリアルタイムで修正が繰り返されていたので、常時目で追いかけるのはかなり疲れそうです。

ケースのボタンを押してその場で録音! 装着しなくてもOK

RecDotは、通話だけなく対面の会話も録音・テキスト化が可能です。ですが、目の前にいる人と話すのにイヤフォンを装着するのは少し気が引けますよね。そんなときは、ケースを開いて録音ボタンを押せばOK。イヤフォンに録音データが蓄積され、後からアプリに転送することができます。

ケースのボタンを押すと録音を開始/停止。音声データはイヤフォンに保存され、後からアプリに転送してテキスト化が可能。思いつきメモの保存にも便利です。

実際にRecDotを使用してみて、Bluetoothイヤフォンを使うだけで録音・テキスト化・翻訳まで完結できるのはかなりストレスフリーであると実感しました。動画や音声ファイルをアップロードしてテキスト化するのが、もはやもどかしく感じられるほどです。

パソコン利用ならUSB型「NoteKit」がおすすめ! USB-Cポートに差し込むだけ

ちなみに、同社のもうひとつの製品、USB型AIレコーダ「NoteKit」は、PCのUSB-Cポートに差し込むだけで録音・テキスト化ができます。対面の会議では、こちらが活躍してくれそうです。Mac版アプリは7月末より提供開始予定です。

こちらもMakuakeで予約販売中(Mac版の専用アプリは7月末より提供開始予定)。

RecDotとNoteKitは、頻繁にミーティングを行う方、海外ニュースやPodcastを聞く方にとって、AIサービスを「意識的に使う」という段差を取り除いてくれる、一歩進んだ効率化デバイスになると言えるでしょう。

製品が気になる方は、ぜひ二子玉川 蔦屋家電に足を運んでみてください。同店内の蔦屋家電+にて、7月30日まで展示されています。

===============
蔦屋家電+(プラス)
住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズS.C. テラスマーケット 二子玉川 蔦屋家電 1階
営業時間:10:00~20:00
ホームページはコチラ
===============

おすすめの記事

著者プロフィール

笠井美史乃

笠井美史乃

アプリ、サービス、マーケティングなど、IT・ビジネス分野で取材・執筆・編集を行う。マイナビニュースでは2013年開始の連載「iPhone 基本の『き』」をはじめ、iPhone・iPad・Apple WatchなどAppleデバイスのハウツーやレビューを担当。雑誌「Web Designing」「Mac Fan」、その他企業オウンドメディアなどで執筆中。

この著者の記事一覧