夜空や星座を眺めるのは楽しいですが、その美しさを写真に収めるのは案外難しいもの。特に、ひと昔前は高価な機材や特殊な技術が必要でしたが、今はiPhoneを使えば一眼レフより手軽に天体を撮影できるのはご存じでしょうか。
天体用カメラアプリ「NightCapカメラ」で星の軌跡を印象的に捉えよう

星の軌跡が流れている天体写真は通常、一眼レフでシャッターを数十分〜数時間開け続けて撮影しますが、かつては街明かりがあると空が昼のように明るくなってしまったので、真っ暗な場所でしか撮れませんでした。
それがデジタル時代になり「比較明合成」という技術が誕生しました。これは写真を重ね合わせる際、1画素ごとに比較して明るいほうを採用するもの。これで街明かりを必要以上に拾わず、長時間かけて星の軌跡を残すことができます。その「比較明合成」をMacやPCではなく、iPhoneで撮影しながら実現してしまうアプリが「NightCapカメラ」です。
使い方は簡単。iPhoneを三脚などで星空に向けて固定し、「星の軌跡」モードにしてシャッターを押すだけです。星は1時間に15度動くので、露出時間は30〜90分がよいでしょう。ちなみにこのアプリはiPhoneのバッテリ消費も少なく、フル充電であればiPhone 13 Proの場合はバッテリが切れることなく、下の写真を撮影できました。

なお、撮影のポイントはレンズを向ける方角。軌跡は北極星を中心に同心円を描くので、北に向けるのがベストです。東西では斜めの軌跡となり、南では左右に弧を描きます。また、満月では夜空が明るく、相対的に軌跡が暗くなりがち。上の写真は半月の頃ですが、撮影条件としては新月が理想です。

おすすめの記事
「星モード」を使って満天の星空をくっきり写そう

iPhoneの純正「カメラ」アプリでも「ナイトモード」を使えば30秒まで露光できるので、軌跡を描かない通常の星空撮影であればある程度くっきり写せます。ただしこの場合、空を必要以上に明るく写そうとしてしまい、空の色味がグレーになりがちです。
このようなときは、テクニック1でご紹介した「NightCapカメラ」の「星モード」を使うのがおすすめ。撮影時はiPhoneを三脚に固定してセルフタイマーを使うと、シャッターを押したときにカメラが揺れて写真にブレが生じるのを防ぎやすいです。また画角に関するコツは、星空と一緒に山の稜線や木々などを写すこと。星空だけを写してしまうと、ポツポツと点が見えるだけで何を撮った写真かわかりにくいのです。

「Lightroom」でレタッチすれば完成度がさらにアップ!

「NightCapカメラ」のような便利なアプリを使っても、星空は想像どおりのトーンで写らないことも多々あります。さらに星の軌跡など長時間におよぶ撮影では、星と一緒に飛行機や人工衛星の光跡が横向きの線で写り込んでくることもあるでしょう。
そこで、ちょっとしたレタッチをしてみましょう。上の写真は「NightCapカメラ」で撮影した写真に写っていた横向きの光跡3本をiPhone版「Lightroom」で消し、さらに明るさや色合いも調整したものです。
「Lightroom」は多くのカメラマンが愛用するRAW現像ソフトですが、そのiPhone版はなんと基本無料。高度な撮影機能に加えて、無料でもさまざまな補正機能を利用できるので、ぜひ一度使ってみるのがおすすめです。


著者プロフィール
