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これからの猛暑に効く! 冷却ファン搭載Qi2ワイヤレス充電器「Ostand PolarCircle」レビュー

著者: 飯塚直

これからの猛暑に効く! 冷却ファン搭載Qi2ワイヤレス充電器「Ostand PolarCircle」レビュー

iPhoneだって夏の暑さは苦手

皆さんは、iPhoneを使っているときに本体が熱くなった経験はありませんか?

たとえば、直射日光にあたった状態での写真撮影や、グラフィック負荷の高いゲームの長時間利用のときなどで起こりがちです。

こういった事例は、Appleのサポートにも記載されており、避ける行為としてアナウンスされています。

ちなみに、iPhoneの温度が動作温度範囲を超えると、保護機能が働き、自動的に温度調節を試みるようです。

その結果、充電速度が遅くなり、場合によっては停止します。

また、画面表示も暗くなるか、何も表示されなくなるようです。

ほかにも、低電力モードになり電波が弱くなる、カメラのフラッシュなどのカメラ機能が一時的に無効になる、一部のアプリや機能でフレームレートの低下や処理時間の増加によりパフォーマンスが低下する、といった現象が起きます。

iOS/iPadOS端末は、周囲の温度が0度〜35度が適切な温度とされています。

保管については、-20度〜45度とされていますので、日中の車内などに放置する行為は、端末へのダメージが気になるところです。

ただし、「デバイスをはじめて設定するとき」「バックアップからの復元時」「ワイヤレス充電時」「グラフィックスやプロセッサへの負荷が高いアプリ・ゲームまたは、機能(カメラアプリなど)の使用時」「高画質ビデオのストリーミング中」といったシーンは、Appleが想定した状況であり、端末が温かく感じられる例として紹介されています。

温度の警告が表示されない限りは、使い続けても大丈夫ということです。

筆者は、1度「カメラ」アプリを起動中に「iPhoneを冷やす必要があります」と警告が表示されたことがあります。

2024年7月20日、大型ショッピングモール内で、当時iPhone 15 Pro Max(iOS 17.5.1)を使って、イベントに参加する娘を撮影したときのことです。

季節的には夏でしたが、店内は冷房がかかっており、涼しい環境でした。

ただし、撮影の直前まで、iPhoneをMagSafe対応モバイルバッテリで充電しており、バッグ内に入れていました。

バッグから取り出し、体感的には5分〜10分くらいでしょうか、動画を撮っていると、画面上部に「iPhoneを冷やす必要があります」と表示され、撮影がストップしたのです。

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iPhone使用時に本体温度が高くなると、このように注意文が表示されます。

急激に冷やすと端末内に結露が発生する可能性があるため、ケースを外したうえで、電源を切り、しばらく放置することに。

10数分後に起動すると、カメラ機能は使えるようになりましたが、その間、撮影できませんでした。

原因を考えると、バッグ内という熱がこもりやすい状況で、ワイヤレス充電を行っていたことでしょうか。

この一件以降、長時間動画撮影を行うようなシーンでは、バッテリ残量に気をつけるようになりましたし、熱には敏感になりました。

そもそも、問題ない範囲ではあるものの、ワイヤレス充電は熱を帯びやすいとされています。

便利なものの、バッグ内という、充電していた場所が悪かったということでしょう。

さて、便利なワイヤレス充電時における、熱対策として面白い製品を見つけました。

TORRASの「Ostand PolarCircle」という製品です。Amazonでの価格は、購入時で7999円でした。

39.6度から32.1度まで表面温度が下がった!

本製品はQi2かつMagSafeに対応し、iPhoneを15Wで急速充電できるワイヤレス充電ユニットです。

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本製品はQi2に対応しており、MagSafeでの装着に対応しています。
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表面のリングはスタンドとしても機能します。
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MagSafe対応ケースならそのまま充電&冷やすことができますが、効果の最大化を考えるならケースを外したほうがよさそうです。

特徴は、ワイヤレス充電中に発生する熱問題を解決するために、TEC(ペルチェ素子)プレートを採用している点です。

また、静音ファンも搭載しており、充電中に発生する熱を効率よく排出できるため、端末の温度上昇を抑えることが期待できます。

メーカーの公称値ながら、充電開始から約10秒で冷却パッドの温度が10℃低下するそうです。

ちなみに、本体に備えた唯一のボタンを長押し(3秒)することで、冷却機能の動作を停止できます。

実際に使用してみた結果ですが、まずiPhone 16 Pro Maxをケースに入れた状態で、表面温度を測ると39.6度でした。

この状態から5分程度充電してみると、32.1度まで温度が下がりました。

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高画質を特徴とするゲームなどを遊んでいると、熱くなりがち。熱いなと感じたときの表面温度を測ったら39.6度でした。
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約5分の充電で、表面温度は32.1度と7.5度冷えました。

10度未満の変化なので、急激な温度変化とはならず、ちょうどいい塩梅といえそうです。

ただ、本体に温度計が内蔵しているわけではないので、どのくらい冷えたのか、今の温度が何度になっているのかはわかりません。

熱い状態から冷えすぎたと感じるようだと、結露が怖いので、そこはちょっと気になりました。

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取り外した本体の接地面を見ると、うっすら濡れていました。

とはいえ、もとから高負荷であることがわかっているような使い方──それこそ、真夏の屋外撮影などでは、有効な熱対策となりそうです。

つまり、温度を下げるというよりも、上げさせないという考え方ですね。

熱くなってからよりは、熱くなることを見越して使うのがよさそうな気がします。

なお、充電と同時に冷却機能が動作する仕様であるため、出力が30W以上の単ポート充電器の使用を推奨しています。

試しに「Anker MagGo Power Bank(10000mAh)」(USB Type-C出力は最大27W)と組み合わせて利用してみましたが、電力供給は約12.4Wでした。

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「Anker MagGo Power Bank(10000mAh)」と組み合わせてみました。
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約12.4W出力で動作するという、まずまずの結果に。

カタログスペックの15Wには届かないものの、推奨外の使い方としては十分な結果と言えます。

これから夏に向けて、ますます暑くなりますから、スマートフォンの熱対策にも気をつけたいところです。

著者プロフィール

飯塚直

飯塚直

PC、カメラ、スマートフォン、プリンターをこよなく愛すフリーランスライター。

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