目次
- 原文のニュアンスを巧みに活かし、各国の言語に翻訳されるiPhoneのキャッチコピー
- iPhoneのキャッチコピーは、“ボジョレ・ヌーボーと同じ”なのか?
- 歴代iPhoneのキャッチコピーを振り返る
- iPhone:2007年6月発売
- iPhone 3G:2008年7月発売
- iPhone 3Gs:2009年6月発売
- iPhone 4:2010年6月発売
- iPhone 4s:2011年10月発売
- iPhone 5:2012年9月発売
- iPhone 5s:2013年9月発売
- iPhone 5c:2013年9月発売
- iPhone 6/6 Plus:2014年9月発売
- iPhone 6s/6s Plus:2015年9月発売
- iPhone SE:2016年3月発売
- iPhone 7/7 Plus:2016年9月発売
- iPhone 8/8 Plus:2017年9月発売
- iPhone X:2017年11月発売
- iPhone XS/XS Max:2018年9月発売
- iPhone XR:2018年10月発売
- iPhone 11:2019年9月発売
- iPhone 11 Pro/11 Pro Max:2019年9月発売
- iPhone SE(第2世代):2020年4月発売
- iPhone 12/12 mini:2020年10月・11月発売
- iPhone 12 Pro/12 Pro Max:2020年10月・11月発売
- iPhone 13/13 mini:2021年9月発売
- iPhone 13 Pro/13 Pro Max:2021年9月発売
- iPhone SE(第3世代):2022年3月発売
- iPhone 14/14 Plus:2022年9月発売
- iPhone 14 Pro/14 Pro Max:2022年9月発売
- iPhone 15/15 Plus:2023年9月発売
- iPhone 15 Pro/15 Pro Max:2023年9月発売
- iPhone 16/16 Plus/16 Pro/16 Pro Max:2024年9月発売
- iPhone 16e:2025年2月発売
- Appleのキャッチコピーの妙。それは各国の言語に翻訳される際も損なわれない
Appleの公式Webサイトには、キャッチコピーとともに製品のビジュアルが掲載されている。このコピーは、英文が元となり、発売国の言語に翻訳されたものだ。しかし、ただ直訳されているのではない。
各国のコピーライターが工夫し、その国にあった内容に翻訳しているのだ。そのため、名作コピーの宝庫になっている。
原文のニュアンスを巧みに活かし、各国の言語に翻訳されるiPhoneのキャッチコピー
Appleの公式Webサイトに表示されるデバイスのビジュアルは、デザインも見せ方も洗練されている。これは誰もが感じていることだろう。特に素晴らしいのがキャッチコピーだ。
このキャッチコピーは、英文が元となり各国語に翻訳されている。しかし、ただ直訳するではなく、ちょっとした「てにをは」の使い方で、英文コピーのニュアンスを活かしている。日本語はもちろん、他言語のAppleユーザに尋ねても、感心している人が多いという。
名作コピーというのは各国にあると思う。だが、各国の言語に翻訳されながら、名作コピーを連発しているというのはあまり例がないのではなかろうか。
iPhoneのキャッチコピーは、“ボジョレ・ヌーボーと同じ”なのか?
しかし、時代とともにこのすごみがわかりづらくなってきている。というのも、iPhoneの登場とほぼ同時期に生まれてきた高校生と過去のiPhoneのキャッチコピーを見ていたところ、へらへら笑いながら「ボジョレ・ヌーボーみたいっすね(笑)」と言うのだ。
ボジョレ・ヌーボーは、その年に収穫されたブドウを使った新酒のことで、楽しみにしている方が多い。しかし、その年の出来栄えを伝えるコピーが、SNS上ではしばしばネタにされる。
「100年に1度の出来とされた2003年を超す、21世紀最高の出来栄え」(2011年)など、毎年、最高の味であることを強調するための苦労が垣間見えるコピーだからだ。
一方、iPhoneのコピーも「史上最高のiPhoneです。」「iPhoneの誕生以来、最も大きな驚きを。」「すべてを変えていきます。もう一度。」など、確かにボジョレ的な要素がないわけではない。
しかし、そのコピーが示すiPhoneのことを知っていれば、いずれも名作コピーだとがわかる。iPhoneも発売されて18年が経つ。そろそろ、初期のiPhoneの驚きが忘れられても仕方のないだけの年月が経ってしまった。
それはあまりにも残念なので、過去のiPhoneのコピーを振り返り、どこが名作だったのか、振り返ってみたい。
歴代iPhoneのキャッチコピーを振り返る
iPhone:2007年6月発売
Say hello to iPhone

初代iPhoneは日本では未発売なので、日本語コピーは存在しない。
この「hello」という言葉は、デジタル系の人にとっては特別な言葉である。なぜなら、はじめてのプログラミング言語に触れるとき、「hello」と表示するプログラムを書いてビルドを行い、コーディングから実行までの一連の動きを確かめることが儀式になっているからだ。
正確には「hello, world」と表示するプログラムを書く。これはプログラマーの世界ではバイブルとも言える名著「プログラミング言語C」(カーニハン&リッチー)以来の伝統だ。
1984年にMacintoshが誕生したときも、Macintoshはプレゼンテーションの最初に合成音声で「Hello, I am Macintosh」と発し、観客から喝采された。Appleにとって、はじめて世に出す製品でHelloという言葉を使わないというのは、もはや考えることができないほど強い単語になっている。
iPhone 3G:2008年7月発売
みんなが待っていたiPhone、ついに登場。
The iPhone you have been waiting for.

初代のiPhoneは、米国など6カ国でしか発売されなかった。それがiPhone 3Gでは22カ国に拡大された。つまりiPhone 3Gは、記念すべきiPhoneの世界デビューだった。
iPhone 3Gs:2009年6月発売
これが、最も速く、パワフルなiPhone。
The fastest, most powerful iPhone yet.

メモリが128MBから256MBに大きく増加。アプリの起動時間がほぼ半分になり、動作速度もほぼ2倍になるなど大きく性能向上した。また、動画撮影にも対応した。
原文は、最後の「yet」がうまい。この言葉があることで、「これまでのiPhoneも速く、パワフルだったけど、それ以上に」というニュアンスが生まれている。
iPhone 4:2010年6月発売
すべてを変えていきます。もう一度。
This changes everything. Again.

プロセッサがそれまでのサムスン設計のものから、A4というAppleシリコンに変更。いよいよAppleシリコン時代が始まった。
さらに、人間が知覚できる以上の解像度をもつRetinaディスプレイの搭載が始まる。またFaceTimeにも対応した。多くの人が、このiPhone 4、iPhone 4sをシリーズ最高の名機と称えている。
キャッチコピーについては、最後の「Again」がうますぎる。すでに世界を変えたのに、もう一度変えるという意味が、この1つの言葉で伝わってくる。
iPhone 4s:2011年10月発売
史上最高のiPhoneです。
It’s the most amazing iPhone yet.

Siriが搭載され、iCloudにも対応。ネットワークデバイスとしての形を整えた。
なお、スティーブ・ジョブズCEOは体調不良となり、発表会でのプレゼンターはティム・クック氏にバトンタッチ。その後ジョブズの復帰は叶わず、「ジョブズ最後の作品」とも言われるモデルだ。
これも最後の「yet」が効いている。過去のiPhoneもすごかったが、このモデルはそれをさらに上回るのだというニュアンスが生まれている。
iPhone 5:2012年9月発売
iPhoneの誕生以来、最も大きな驚きを。
The biggest thing to happen to iPhone since iPhone.

ディスプレイ比率が縦長となり、それまでの紙書類をイメージさせる縦横比から、現在の縦に長い、ネットコンテンツに対応した仕様に。
さらに、Lightningコネクタも初採用。Lightningは今日では非標準規格として消えゆく運命にある。しかし、当時はそれまでのDock端子に比べて小さく、表裏を気にせず挿すことができるなど、先進的なものだった。
また、3.9Gとも呼ばれたLTEに対応し、データの送受信が高速化。テザリング(インターネット共有)が広く使われるようになったのもこの頃だ。
iPhoneは、仕事や生活でなくてはならない必須ツールになっていった。キャッチコピーでは、画面が大きくなったbigと、大きな驚きのbigをかけている。これも最後の「since iPhone」がうますぎる。iPhoneの登場が時代の節目になっていることを認めさせてしまう、剛腕ぶりを感じさせるコピーだ。
iPhone 5s:2013年9月発売
あなたには想像を超えた力がある。
You’re more powerful than you think.

iOS 7を搭載。本体のデザイン統括をしていたジョナサン・アイブ氏が、iOSのUI/UXデザインにも参加したことにより、ハードとソフトのデザインが一体化した。
その変更が顕著なのはアプリアイコン。立体感のあるデザインから平面的なフラットデザインに変更され、現在も継続採用されている。余計な視覚要素がなくなることで、アプリ内での操作に集中できるようになった。また、指紋認証のTouch IDもこの機種から採用されている。
iPhone 5c:2013年9月発売
この色は、あなたです。
For the colorful.

iPhone初のエントリーモデル。ガラスと金属による筐体ではなく、ポリカーボネート筐体が採用された。
パステルカラーの5色展開となり、ポップなiPhoneとして話題に。ただし、iPhone5sは7万1800円、iPhone5cは6万800円と価格差は小さく、低価格モデルを期待していた人からは失望の声もあった。
iPhone 6/6 Plus:2014年9月発売
大きさ以上に大きく進化
Bigger than bigger.

ディスプレイが4.7インチと大型化(1334×750ピクセル)。iPhone 5の4.0インチ(1136×640)から大きく広がった。
また、5.5インチディスプレイ(1920×1080)という大型モデルのiPhone 6 Plusも発売され、iPhoneの大型化が始まる。この頃から、「片手だけで操作する」ことが難しくなり、4.0インチディスプレイを望む声も強くなった。
iPhone 6s/6s Plus:2015年9月発売
唯一変わったのは、そのすべて。
The only thing that’s changed is everything.

世の中的にはiPhone 6と変わりばえのしない機種であり、「iPhoneの進化は止まった」と言われることもあった。しかし、触覚をフィードバックするTaptic Engineの搭載は大きなポイントだ。
単なる通知のためのバイブレーションではなく、3D Touchで指を押し込むとクリック感を返すなど、リアルな触感が得られる。iPhone 5sでフラットデザインとなり、アイコンやボタンの視覚的な物体感が薄まったことをAppleは触感で補おうとした。
また、Touch IDも第2世代となり、高速化している。いまだに「Face IDよりもTouch IDのほうが使いやすい」という声があるのは、このときのTouch IDが非常に高速であったことが大きい。iPhoneは手で使うツールとしての成熟度を高めていく。
iPhone SE:2016年3月発売
小さなボディの大きな一歩。
A big step for small.

以前の標準サイズだったiPhone 5sと同じサイズだが、カメラやプロセッサはiPhone 6sと同等という、「小さなiPhoneが欲しい」という声に応えたモデル。
そのコピーは、人類で初めて月面に降り立ったアポロ11号のアームストロング船長が言った「That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.」(一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ)を下敷きにしていると思われる。
iPhone 7/7 Plus:2016年9月発売
これが、7。
This is 7.

iPhone 6sに続き、一部のユーザから「革新性がない」と批判された機種。しかし、実は重要な変更が数々行われている。
まず、ホームボタンが物理ボタンではなくなり、ただのプレートとなった。しかし、クリック感はTaptic Engineで再現される。可動部分を廃したことで、故障リスクを極限まで小さくした。さらにはイヤホンジャックを廃止。開口部を少なくしたことは、防水・防塵性能の獲得にもつながっている。
それまでiPhoneはデジタル機器であり、丁寧に取り扱うべきものだった。それが生活の中で使うツールとなり、iPhoneと人間の関係性の変化が見て取れる。
なおキリスト教世界では、神が6日間で世界を想像し、7日目に休息したところから7という数字はは“完全”を表す。iPhone 7/7 Plusのキャッチコピーは、そのイメージをうまく使っている。Appleは、iPhoneの完成形であることを伝えたかったのかもしれない。
そして、それは次のモデルからiPhoneの新しい時代が始まることも示唆をしている。
iPhone 8/8 Plus:2017年9月発売
新世代のiPhone。
A new generation of iPhone.

iPhone 8/8 Plusでは、背面がすべてガラスパネルになるという大きな変化が起きた。
従来も背面にガラスを使用するモデルはあったが、iPhone 5/5sではガラス部分が大きく減って上下部分のみに。iPhone 6ではアルミ削り出しとなっていた。iPhone 8/8 Plusでは、その背面ガラスが戻ってきた。
なお、背面をガラス仕様にしたのは、ワイヤレス充電規格Qiに対応するため。一般的な使い方であれば、iPhoneにケーブルを接続せずに運用できるようになった。Appleが言いたいことはおそらく、iPhoneは7で完成形を見せ、8から新世代が始まったということだろう。
iPhone X:2017年11月発売
未来をその手に。
Say hello to the future.

iPhoneは10周年を迎え、それを記念して「iPhone 9」ではなく「iPhone X」(テン)となった。
macOSがそれまでのMac OS 9からUNIX系のOS Xに切り替えられ、Macが新しい時代に突入したイメージを借りたいという意図があったのかもしれない。
iPhone XからはFace IDが搭載された。Face IDとTouch IDのどちらがいいか、好みが分かれるところがあるが、Face IDは明示的な認証作業をしなくてもロック解除できるのが魅力だ。
ユーザは特に意識をせずとも、自然にセキュリティが保護されているという理想的な状態になった。iPhone 7が完成形、iPhone 8が新世代、iPhone Xが未来を先取りしたモデル。このあたり、キャッチコピーにもきちんとロジックが通っている。
iPhone XS/XS Max:2018年9月発売
ようこそビッグスクリーンの世界へ。
Welcome to the big screens.

iPhone XSは5.85インチ、2436×1125ピクセルとiPhone 8と同じだが、iPhone XS Maxは6.5インチ、2688×1242ピクセルと、iPhone 8 Plusよりも大幅に大型化した。iPhoneの大型化がさらに進んだモデルと言える。
これにより、iPhone XS Maxは、スマートフォンというよりもミニiPad的な使い方もできるようになった。AppleはiPhone Xから、各国で著名映画監督によるiPhoneを用いた映画制作をスタート。映画はオンラインで公開され、iPhoneは高品質の動画撮影デバイスとしても注目を集めるようになった。
iPhone XR:2018年10月発売
触れるたびに鮮やか。
Brilliant. In every way.

スペックを抑え、カラー展開をするというエントリーモデルの位置づけだったiPhone XR。しかし、例によってiPhone XSとの価格差がないため、あまり人気が出なかった。
当時は液晶を好む人も多かったため、新開発のLiquid Retinaディスプレイを搭載するという意欲的なモデルでもあった。
iPhone 11:2019年9月発売
すべてがある。パーフェクトなバランスで。
Just the right amount of everything.

大きな進化はなく、iPhoneの成熟ぶりを感じさせるモデルとなった。iPhoneの大規模な進化は、Proシリーズが中心となっていく。
iPhone 11 Pro/11 Pro Max:2019年9月発売
カメラも、ディスプレイも、性能も、Pro。
Pro cameras. Pro display. Pro performance.

iPhone 11 Proシリーズは、ディスプレイにSuper Retina XDRを搭載。そして、プロセッサは最新のA13を採用。カメラは従来の広角、望遠に加え、超広角を加えた三眼となった。さまざまな面で最先端の性能を備えている。
写真を撮るときも、3つのカメラで合計9枚の写真を撮り、それを1枚に合成していくというDeep Fusion機能がサポートされた。この頃から、ショート動画やライブ配信が企業プロモーションに活用されるようになり、撮影機としての優秀さから、iPhoneのProシリーズの需要が高まっていった。
iPhone SE(第2世代):2020年4月発売
手にしたくなるものを、手にしやすく。
Lots to love. Less to spend.

iPhone 8の筐体に、最新のプロセッサを搭載したエントリーモデル。AppleはiPhoneのエントリーモデルの定着に失敗してきたが、このSEシリーズはしっかりと定着した。SEシリーズが終売した現在でも好む人は多い。
iPhone 12/12 mini:2020年10月・11月発売
早い話、速いです。
Blast past fast.

5Gに対応したモデル。キャリア側でも5Gエリアの拡大が進み、ネットワークアクセスが高速に。
また、液晶のLiquid Retina HDから有機EL(OLED)のSuper Retina XDRに変更した。本体側面も丸みのあるものから角のあるフラットなデザインとなり、現在のiPhoneの基本スタイルを定める機種となっている。
iPhone 12 Pro/12 Pro Max:2020年10月・11月発売
飛ぶように、つぎの次元へ。
It’s a leap year.

5Gに対応。この年は閏年(Leap Year)だった。4Gから5Gに対応したことを、閏年とLeap(飛び越え)する年というダブルミーニングにしている。
iPhone 13/13 mini:2021年9月発売
できること、超人的。
Your new superpower.

センササイズが大型化し、カメラが大きく進化。光が足りない状況でもノイズのない鮮明な写真が撮れるようになった。被写体に焦点をあて、背景をぼかすポートレートモードも性能が向上している。さらに、ポートレートの動画版とも言えるシネマティックモードも搭載された。
ディスプレイにはiPhone 12からOLEDのSuper Retina XDRが採用されていたが、iPhone 13ではディスプレイのコピー「スーパーキラキラカラフルクッキリディスプレイ。」が話題を呼んだ。
原文は「SupercolorpixelistickXDRidocious」という、“分かち書き”をしないもので、これをうまく日本語に置き換えている。原文は、映画「メリーポピンズ」の挿入歌「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」(Supercalifragilisticexpialidocious)をパロディにしたのだと言われている。
有名な曲なので、誰でも一度は聞いたことがあるはず。Apple Musicでチェックしてみてほしい。
iPhone 13 Pro/13 Pro Max:2021年9月発売
すべてがプロ。
Oh. So. Pro.

ディスプレイがリフレッシュレート120Hzに対応。ゲームなどの動きの速い表示だけでなく、撮影した動画のチェックもiPhone 13 Pro上で行えるようになった。
マクロ撮影、ナイトモード、ポートレートモード、シネマティックモードも高性能となり、撮影機として隙のない仕上がりのモデルだ。
iPhone SE(第3世代):2022年3月発売
手にしたくなるパワーを、手にしやすく。
Love the power. Love the price.

5Gに対応。魅力は価格。5万7800円からと、iPhone 13の9万8800円からに比べて、かなりの割安感がある。
円安によってiPhoneの価格が急騰し始めた中、非常にありがたい価格設定だった。Touch ID対応であることから、Face IDになじめない人からも選ばれた。その使いやすさから、現在でも愛用している人が多い。
iPhone 14/14 Plus:2022年9月発売
ビッグと超ビッグ。
Big and bigger.

iPhoneのminiシリーズが廃止され、Plusが復活。iPhone SE(第3世代)の価格設定が上手かったことにより、miniシリーズの存在価値がなくなってしまったのだ。これで、ディスプレイサイズは6.1インチ(14、Pro)と6.7インチ(Plus、Pro Max)の2種類となった。
iPhone 14 Pro/14 Pro Max:2022年9月発売
プロを超えたプロ。
Pro. Beyond.

ダイナミックアイランドを採用。シネマティックモードが4Kに対応。また、強力な手ぶれ補正機能が使える「アクションモード」も搭載され、ビデオカメラやアクションカメラと比べても遜色がないか、上回るレベルに到達。
プロの映像作家が、iPhone 14 Proで作品を撮影することも珍しくなくなった。
iPhone 15/15 Plus:2023年9月発売
新しいカメラ。新しいデザイン。うっとり。
New camera. New design. Delightful.

エントリーラインのiPhone 15/15 PlusもDynamic Islandを搭載。メインカメラは4800万画素に向上し、スナップ撮影やSNS投稿用撮影では不満に感じることは皆無になった。
さらに、Lightningコネクタが廃止され、iPhoneではじめてのUSB-Cコネクタが採用された。AppleファンにはLightningが過去のものになり複雑な思いだが、必要なケーブルの種類が減った恩恵があるのも確かだ。
iPhone 15 Pro/15 Pro Max:2023年9月発売
チタニウム。この強さ。この軽さ。これぞ、Pro。
Titanium. So strong. So light. So Pro.

外装フレームにチタン合金を採用。内部の構造も変え、iPhone 14 Proの206gから187gへと大幅な軽量化に成功した。
iPhone 16/16 Plus/16 Pro/16 Pro Max:2024年9月発売
Apple Intelligenceのために設計。
Hello, Apple Intelligence.

AppleのAI「Apple Intelligence」に対応したモデル。iPhoneの新しい時代が始まる。
iPhone 16e:2025年2月発売
最新のiPhoneを、手にしやすく。Apple Intelligenceのために設計。
Latest iPhone. Greatest price.Hello, Apple Intelligence.

円安の影響でiPhone 16は12万4800円からとかなり高価になってしまった。そのため、iPhone SEの後継として登場したモデル。しかし、その価格は9万9800円からと想定よりもかなり高額で、Appleファンを悩ませている。
2万円少しプラスすればiPhone 16が買えるのだ。それでも、Apple Intelligenceに対応している最安値モデルであるという点は大きい。
Appleのキャッチコピーの妙。それは各国の言語に翻訳される際も損なわれない
Appleのキャッチコピーはクリエイティブの最高水準にあるが、日本語訳も非常にレベルが高い。試しに、日本語を隠した状態で原文のコピーを見て、自分で翻訳してみていただきたい。細かい「てにをは」などの使い方ひとつで、こうまでニュアンスが変わるのか、と発見があるはずだ。
たとえばiPhone 13 Proの「Oh. So. Pro.」は、そのまま訳すと「お!だから、プロ」になる。これでは何を訴えたいのか不明瞭で、まずボツだ。
これを「すべてがプロ。」と訳すのは、思いつくようで思いつけない。このコピーであれば、メッセージのベクトルがiPhone 13 Proの機能や性能に向かっているため、広告コピーとして成立する。
他国の人に聞くと、このような離れ技が各言語で行われているそうだ。現地語の文法的には誤りであるのに、それゆえに目立ち、しかも伝わるコピーがいくつもあるという。
Appleは、製品がグローバルになっているだけでなく、このような広告やマーケティングもグローバルに展開をして、成功を収めているのだ。

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著者プロフィール

牧野武文
フリーライター/ITジャーナリスト。ITビジネスやテクノロジーについて、消費者や生活者の視点からやさしく解説することに定評がある。IT関連書を中心に「玩具」「ゲーム」「文学」など、さまざまなジャンルの書籍を幅広く執筆。