※この記事は『Mac Fan』2024年1月号に掲載されたものです。
完全な“独自設計”でM3をパワーアップ
M3ファミリーのミッドレンジモデルとなる「M3 Pro」チップは、今回リリースされた3種類の中で、もっとも大きな変化を遂げたAppleシリコンだ。
従来のM1 ProやM2 Proは、上位モデルであるM1 MaxやM2 Maxと設計が共通しており、そのGPUとファブリックのみを半分にしたものだった。それ以外はすべて共通設計のため、たとえばCPUのコア数や性能はProとMaxは等しい(一部コア無効化モデルは除く)。

画像●Apple
つまり、GPUを酷使する用途でなければ、ProとMaxの性能差をユーザが体感することは難しかった。
一方、M3 ProはM3 Maxとはまったく異なる独自設計を採用。どちらかといえば“M3の強化モデル”となっている。
第3世代のMac用Appleシリコンでは、Maxと共通設計でProを作るのではなく、3種類すべてを個別に作り分けることで、ラインアップを再構築している。

画像●https://www.youtube.com/watch?v=ctkW3V0Mh-k
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M3 Proの性能は名実ともにミッドレンジ
新規設計の結果、M3 ProはCPUにおいてもM3とM3 Maxの中間的な仕様となっている。
その実力を見ると、Geekbench 6におけるCPU性能(マルチコア)は、M2 Proと比べて数%の向上に留まっている。また、メタルベンチマークも性能向上分がGPUコアの減少に相殺されて、M2 Proとほぼ同等だ。

それもそのはずで、M3 Proのトランジスタ数は370億個とM2 Proの400億個より少なく、メモリ帯域もM2 Proの200GB/sから150GB/sへと削減されている。
そういった点からも、M3 Proは“M2 Proの後継”ではなく、M3の上位モデルの位置づけであることがわかる。一方で次世代GPUの搭載によって、CinebenchでのGPUベンチマークはM2 Proの2倍近くを叩き出している。

一見すると微妙な位置づけに見えるM3 Proだが、M3とM3 Maxの中間を担うAppleシリコンという意味では、最適かつ絶妙な性能に仕上がっている。M3では足りず、かといってM3 Maxでは過剰スペックなケースでは、最適な性能バランスを備えている。またM3 Proは3nmプロセスの採用とトランジスタ数の減少によってシリコンが小型化されていることから、M2 Proに比べてエネルギー効率が大きく向上している。発熱量も抑えられていると見られることから、将来的に15インチMacBook AirやiMacの上位モデルなどへの搭載も期待したいところだ。
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