制約を減らして自由に生きるためには、「ベーシックインカム(最低限の所得保障)」を確保することが重要となる。1社に依存せず、小さな定期収入を複数得るというスタイルがおすすめだ。
ぼくの収入源の中で、継続的に入ってくるものは、企業のアドバイザーの仕事や、雑誌の連載がそれにあたる。
アドバイザーとは、いわゆる企業の相談役や顧問業ようなもの。メールやZoomで相談に乗ったり、商品を共同開発したり、プロジェクトやブランドのプロデュースを行うこともある。
こういった仕事の月収は、1社あたり約5万円〜30万円ほど。アドバイザーという言葉だけ聞くと、多額の報酬を得てコンサルをしているというイメージがあるかもしれないが、ぼくの場合は、できる限り低い金額に抑え、責任を持てる範囲を大きくしすぎないスタイルで仕事を請け負っている。もし重すぎる仕事を受けてしまうと、それ自体が1つの重荷になってしまうし、もともと自由になりたくて始めた生き方に相反するからだ。
たとえ提案されるフィーが多額だとしても、短期や単発などのオファーもなるべく受けないようにしている。そして当然だが、長期間に渡って場所に縛られる仕事も、基本的にお断りする。
ほかには、株主や役員という立場で関わっているパターンもあるが、仕事のやり方は基本同じ。強く拘束される形ではなく、あくまで、個人として企業と対等にコラボレーションするといったスタンスを変えることはない。
そうすれば、自分の身体をオフィスに拘束されることはないし、自由に世界中を旅したり、心からやりたいことに自分の時間を投資することができる。
そういった投資のリターンとして得られる貴重な情報やインスピレーションをもとに、新たなアイデアを生み出しては契約先へアウトプットし続けていると、やがてそれが独自のキラーコンテンツとなる。そして、どんどん求められるようになるのだ。
また、原稿と写真を提供する形の雑誌連載での報酬は、対労働量で考えたら決して高くはない。だが、それも複数抱えることで、安定した収入源となる。
この執筆という仕事こそ、ぼくの仕事の中でもっとも場所の制約を受けないもの。お金よりも自由度を優先するというモバイルボヘミアンならではの判断基準の結果でもある。世界中どこにいても仕事ができるし、好きなこと自体がコンテンツになるわけだから、モバイルボヘミアンにはぴったりの仕事だ。
また、ぼくが主宰する「Lifestyle Design Camp」という、月会費制のオンラインサロンは、20年以上かけて培ってきた人生デザイン学とライフスタイル術を会員限定で提供する、インターネット上の学校のようなもの。
オフラインイベントも実施するが、基本的にオンラインで完結する。テクノロジーが可能にした、定期収入を生み出す新しい形の仕事だ。(次号へ)

※この記事は『Mac Fan 2019年12月号』に掲載されたものです。
著者プロフィール
四角大輔
作家/森の生活者/環境保護アンバサダー。ニュージーランド湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営み、場所・時間・お金に縛られず、組織や制度に依存しない生き方を構築。レコード会社プロデューサー時代に、10回のミリオンヒットを記録。Greenpeace JapanとFairtrade Japanの日本人初アンバサダー、環境省アンバサダーを務める。会員制コミュニティ〈LifestyleDesign.Camp〉主宰。ポッドキャスト〈noiseless world〉ナビゲーター。『超ミニマル・ライフ』『超ミニマル主義』『人生やらなくていいリスト』『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』『バックパッキング登山大全』など著書多数。




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