映画のシーンを背景に
アップル純正のビデオ編集アプリ「クリップス(Clips)」がリニューアルされ、新たな撮影モードやエフェクトなどの要素が多数追加されました。画面レイアウトも洗練され、より素早く簡単に、高品質のビデオを制作できるように進化しています。
目玉機能は、iPhone Xのみで使える「セルフィーシーン」機能。前面のトゥルーデプスカメラで奥行きを解析し、人物と背景を切り離して捉える技術を応用したものです。
このモードでは、自分の背景を抽象画や8ビットの世界などに置き換えて、まるで別の世界に飛び込んだような斬新なセルフィービデオを撮影できます。シーンは360度全方位を見渡すことができ、背景に合ったエフェクトがリアルタイムで顔にかかるようになっています。特に映画「スター・ウォーズ」の世界を再現した2種類のセルフィーシーンは、ファン必見の仕上がり。まるで、本当にその世界へテレポートしたような気分を味わえます。
驚いたのは、セルフィーシーンだけでなく、ビデオを彩る「ステッカー」や「ポスター」にも、スター・ウォーズやディズニー、ピクサーのキャラクターたちが加わっていたこと。しかも、ほかでは見たことのない素材ばかりなうえ、アニメーションの一つ一つに躍動感があり、かなりこだわった作りであることが伺えます。
アップルによる完全オリジナル
アップルによると、これらはクリップス専用に作られた完全オリジナルデザインとのこと。あのライセンスに厳しいディズニーキャラクターたちが、クリップスならすべて無料で自由に使えるようになったのです。それだけでも、クリップスはほかのビデオ編集アプリとは一線を画すアプリだといえるでしょう。
さらに、アーティスティックなエフェクトによって、リアルタイムで人物を加工できる機能が追加。撮影中に話すと字幕が自動生成される「ライブタイトル」機能は、デバイスの言語設定を変更しなくても、アプリ上で自由に字幕の言語を切り替えられるよう強化されました。
試しに2本ビデオを撮ってみたところ、約30秒のソーシャル用なら、たった15分程度でこなれた映像を制作できました。何よりシンプルで直感的な操作性のおかげで、テンポよく編集できるので、ビデオ制作自体を楽しめます。
なお、新クリップスは新規購入のデバイスに標準搭載されるほか、iOS 11・1に対応するデバイスであれば、アップストアから無料でアップデートできます。今年のクリスマスや年末年始は、一味違ったクリップスのビデオレターで、大切な人たちに感謝を伝えてみてはいかがでしょうか?
iPhone Xだけで使える「セルフィーシーン」。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に登場するミレニアム・ファルコンとメガ・デストロイヤーの背景はファン必見です。シーンによっては、背景に合わせて顔にエフェクトがリアルタイムでかかります。
フィルタには新たに水彩画、チャコール、シエナなどのエフェクトが追加。先進的なスタイル変換テクノロジーによって、撮影中のビデオがリアルタイムで加工されます。なおスタイル変換エフェクトは、iPhone 7以降、2017年発売のiPad Proに対応しています。