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[買う]iPhone 8/8 Plus/Xの仕様と料金、SIMについて確認しよう?

[買う]iPhone 8/8 Plus/Xの仕様と料金、SIMについて確認しよう?

SIMカードの基本を学ぼう

SIMってなに?

そもそも、SIMカードとは、iPhoneなど携帯電話回線を利用する端末に装着される小さなICカードのことです。アップ

ルストアやキャリアのショップでiPhoneを購入・機種変更する際に見たことがあると思います。

SIMカードの主な役割は「そのデバイスが誰のものなのか」を証明することで、1枚ごとにIMSIという固有のIDが割り振られています。たとえばiPhoneであれば、このIDが電話番号と紐づいていて、契約しているキャリア回線を利用した音声通話やデータ通信が可能になります。3GやLTEなどキャリア回線での通信に不可欠なカードであることを理解しておきましょう。

先述のとおり、キャリアで買ったiPhoneはSIMロックされていますが、2015年5月以降、総務省が事業者に対してSIMロック解除を義務化としました。そうしてキャリアがロック解除に応じることにより、SIMフリー化された端末が増え、ユーザが自由にSIMを選択できる流れが進んでいるのです。

現行モデルのiPhoneやセルラー版のiPadには、接触型のナノSIMカードが装着されています。通常SIMカードはキャリアからの貸与品ですが、プリペイド式のSIMカードとして利用できる契約もあります。

キャリアによって名称が異なることもありますが、SIMカードには数種類の共通規格があります。モバイル端末向けの標準的なミニSIMは現在ほとんど使われておらず、マイクロSIMはiPhone 3GSまで使われていました。現在のiPhoneやiPadはナノSIMを採用しています。なお、物理的なSIMカードを必要としないバーチャルSIMの研究がAppleによって進められています。

 

格安SIMのはじめの一歩

MVNOという選択

こうした中で登場したのが、大手キャリアより安くSIMカードだけを販売する事業者です。自前で通信設備を持たずにキャリアの回線を間借りしてサービスを提供することからMVNOとも呼ばれ、さまざまなプランの「格安SIMカード」が登場しています。格安といっても通信インフラ自体はキャリアの設備を利用していますので、極端に品質の低いものではありません。格安SIMには「データ専用SIM」と「音声通話対応SIM」があり、音声通話に加えてSMS(ショートメッセージサービス)に対応しているものもあります。大手キャリアからこれらのMVNOに契約を移せば、月々の通信料金を数千円程度安く抑えることができます。しかし一方で、端末代金を分割払いしている最中であれば、キャリアの割引サービスを適用させずに残債を支払う必要があるので、一概に「格安SIMを使えばすぐ安くなる」とはいえません。

なお、9月22日に発売開始されたアップルウォッチ・シリーズ3はLTEに対応し、iPhoneと同じ番号を使うことでモバイル通信が行えます。ドコモ、au、ソフトバンクはそのためのオプションプランを用意していますが、MVNOが対応しているかどうかは9月21日時点わかっていません。アップルウォッチ・シリーズ3でモバイル通信を行いたい人は、各MVNO事業者の今後の情報を待つほうが賢明です。

3種類のSIMカード

データ通信用SIM

3G・LTEなどのデータ通信のみを行なうSIM。通話、SMSは使えません。iPad、Wi-Fiルータなどで使うとよいでしょう。iPhoneでも使用できますが、通話ができないためあまりおすすめできません。

データ通信+SMS専用SIM

データ通信とSMSが使用可能です。たとえば「LINE」のアプリなどはアカウント登録時にSMSを使用するので、こうしたサービスを使う場合にはデータ専用SIMよりもこちらがおすすめです。

音声通話+データ通信+SMS対応SIM

上記の2つに加え、通話にも対応しているSIM。格安SIMはキャリアからのMNP(モバイルナンバーポータビリティ)にも対応しているため、キャリアのiPhoneを使っているユーザが格安SIMを使う場合、このタイプのSIMを使うとよいでしょう。

MVNOは百花繚乱の戦国時代

格安SIMのサービスを提供するMVNOは、そのサービスや事業ノウハウを支援するMVNE(仮想移動体サービス提供者)の登場によって急速に数を増やし、新規事業者が続々と参入しています。最近はLINEなどWEBサービス系事業者の参入が大きな話題になりました。

大手キャリアとMVNOの料金比較(編集部調べ)

モデルケースとして、NTTドコモの通話無料(2年間の定期契約あり)+もっとも小容量なデータ通信プランと、IIJmioの音声通話機能付きSIMのミニマムスタートプランを比較しました(初期費用3000円は含まず)。その差額は月額3900円にもなります。

 

格安SIMの選び方

格安SIMってどう?

格安SIMはキャリアの回線を利用して通信を行うため、対応するキャリアの回線を使っている格安SIMなら、SIMロックがかかっている端末でも通信できます。

ただし、契約中のキャリアによって対応状況が大きく異なります。一番問題がないのがNTTドコモで、ほとんどのMVNOが対応しています。auの回線を利用するMVNOもありますが、ドコモに比べると数が限られます。ソフトバンクの回線を利用したMVNOは、今年の3月にようやく登場したばかり。まだまだ数社しかありません。

SIMロックされた端末ではこのような制限がありますが、SIMフリーモデルであればすべての格安SIMを使用できます。アップルストアやアップル公式サイトで購入したSIMフリー版はもちろん、キャリアから購入した端末でもSIMロックを解除すればOK。iPhoneは、6s以降の端末でロック解除が可能なので、現在販売されているものはすべてSIMロック解除の対象になっています。

キャリア版iPhoneで使える格安SIM

NTT docomoのiPhoneの場合

IIJmio、mineo、BIGLOBE SIM、OCNモバイルONE、DMM mobile、FREETEL、LINEモバイル、楽天モバイル ほか

ほとんどのMVNOが、ドコモの回線を利用した格安SIMサービスを提供しています。そのため、ドコモの対象端末であれば、簡単な手続きで格安SIMに乗り換え可能です。なお、iPhone各機種の詳細な対応状況は、MVNO事業者のWEBサイトを確認ください。

auのiPhoneの場合

IIJmio、mineo、UQ mobile、Fiimo、J:COM MOBILE、TikiTiki

auの4G LTE網を利用した格安SIMサービスでは、auで購入したiPhoneに対応しています。ドコモ回線事業者に比べると数こそ少ないですが、上記格安SIMならば、auのiPhoneでそのまま使うことができます。2016年2月の「Fiimo」(フィーモ)に続き、同年10月には「IIJmio」が加わりました。

SoftBankのiPhoneの場合

U-mobile、スマモバ、YAMADA SIM

ソフトバンク回線を利用したMVNOは、今年3月にようやく登場しました。まだまだ数は少ないですが、昔からiPhoneを使用している人にとっては朗報でしょう。SIMロック解除可能なiPhone 6sより前のiPhoneでも、格安SIMを挿入して使用することができるようになったのです。

おすすめのMVNO

各社が多種多様なサービスを提供している格安SIM、どのSIMを選べばいいのか困ってしまう人も多いはず。そこで、ユニークなプランやiPhoneと合わせて使いたいサービスなどを提供する、編集部おすすめのサービスを4つピックアップしました。

U-NEXT/U-mobile

【URL】https://umobile.jp

1GBのデータ通信が使える「U-mobile S」なら、月々880円というリーズナブルな価格で利用できます。また、ソフトバンク回線を利用しているため、SIMロック解除ができないiPhone 6sより前のソフトバンク版iPhoneを利用できるメリットもあります。

おすすめポイント

●ソフトバンク回線のMVNO

● 1GBから30GBまでの多様な料金プラン

IIJ/IIJmio

【URL】https://www.iijmio.jp

老舗MVNOで、音声通話対応SIM「みおふぉん」を取り扱っています。格安SIMプランのほか、10GBの容量を家族で分け合える(最大SIM10枚)「ファミリーシェアプラン」があります。

おすすめポイント

●家族全員が格安SIMを使える

●家族間通話料金が20%引き

●イオンや家電量販店で即日MNP

ケイ・オプティコム/mineo

【URL】http://mineo.jp

auとドコモの両方の通信網に合わせたサービスを提供しています。データ専用、音声対応など多彩なプランを揃えるほか、家族や友人と余ったデータ容量をシェアできるなどのサービスが特徴です。

おすすめポイント

●auとドコモの回線に対応

●余ったデータ容量をシェアできる

●通話SIMの解除違約金が発生しない

プラスワン・マーケティング/FREETEL

【URL】https://www.freetel.jp

おすすめポイント

●専用プランならアップストアの通信料がタダ

● 使った分だけ支払いする仕組み

● 電話かけ放題アプリもある

 

SIMロックを解除する

SIMロックは解除できる

キャリアによって施されたSIMロックは、一部のデバイスに限り既定の条件で解除できることを68ページでお伝えしました。SIMロックを解除すれば、ドコモの回線でしかサービスを提供していないMVNOをauのiPhoneで使ったり、ソフトバンクのiPhoneで格安SIMを利用したりといったことが可能になります。このロック解除には一定の条件があることを押さえておきましょう。

2015年5月以降に発売されたiPhoneならば、分割では契約から100日程度経過するか、一括払いの場合は即日SIMロックの解除を行えます。解除の日程や条件は各キャリアによって若干異なるので、iPhone 8を発売日に購入した場合の例を下記にまとめました。

SIMロック解除の作業は、WEBページでもキャリアショップでも受け付けています。ただし、オンラインでは無料でできるのに対し、ショップで頼むと3000円の手数料がかかるので、オンラインで手続きするとよいでしょう。

キャリア各社のSIMロック解除対応の違い

NTT docomo

●購入から100日が経過した日に解除可能

●過去に解除したことがあり、なおかつ前回の解除から100日以上経過すれば即日可能

●一括払いの場合即日可能

2017年9月22日に購入したiPhone 8は2017年12月31日から解除可能

 

au

●機種購入日から101日目以降より手続きが可能

●一括払いの場合即日可能(2017年12月1日より)

2017年9月22日に購入したiPhone 8は2017年12月31日から解除可能

 

SoftBank

●機種購入日から101日目以降より手続きが可能

●一括払いの場合即日可能(2017年12月1日より)

2017年9月22日に購入したiPhone 8は2017年12月31日から解除可能

 

対応するiPhoneを確認

対応? 非対応?

ここまで通信キャリアによるSIMロックが施されたモデルと、そのSIMロックを解除したモデル、そもそもSIMロックが行われていないSIMフリーモデルの3種類があることを述べました。

また、SIMロックを解除せずとも移行できるキャリアとそれに対応するMVNOの組み合わせや、iPhoneユーザにおすすめの格安SIMについても確認してきました。対応状況が若干複雑なため、改めて下記にまとめておきました。自分のiPhoneが格安SIMの利用に対応しているのか、今一度確認しておきましょう。

MVNOに対応する3種類のiPhone

SIMフリーのiPhone

購入時にキャリアの本体割引キャンペーンが使えないなど入手性に難がありますが、SIMロック解除をせずに各MVNOの格安SIMへの乗り換えに対応しているので安全と言えます。これから新規購入するといった場合にも有力な選択肢となるでしょう。

キャリアのiPhone

SIMロックを解除しなくても、各キャリアの回線に対応するMVNOに移行できます。2年契約の場合、更新月だと解除料がかからず安価に移行できます。

SIMロック解除したiPhone

iPhone 6s/6sプラス以降に発売された機種であれば、キャリアで購入したものでも、SIMロック解除が可能です。

やってはいけないロック解除アダプタ

SIMロックがかかったキャリアモデルのiPhoneと、希望のMVNO事業者が対応していない場合、繰り返しになりますが、SIMフリーモデルのiPhoneを手に入れるか、SIMロックを解除しない限りは利用することができません。

しかし、オンラインの通販サイトなどを確認すると、こうした場合でも格安SIMが利用可能と謳う「SIMロック解除アダプタ」が1000円~3000円程度で堂々と販売されています。

本体購入価格がかからないので安上がりのように思えますが、動作の確実性がないことや、4G LTE通信や音声通話のサポート対象外であること、iOS自体のアップデートに対応しない可能性があるなど非常に不確実性の高いものです。このようなリスクを犯すくらいであれば、中古で型落ちのドコモ版iPhoneを手に入れるほうがまだ安全でしょう。

「SIMロック解除アダプタ」は、容易に入手することができてしまいます。リスクが高いため、おすすめはしません。

 

格安SIMの導入方法

さっそく導入してみる

現在使っているiPhoneがどのモデルに当てはまるのかを確認したら、いよいよ自分のニーズとマッチしたMVNOで格安SIMの契約を結ぶ段階に入ります。

下で紹介しているのは、2015年9月にソフトバンクで購入したiPhone 6sを移行したときの流れです。移行先となるMVNOはIIJmioの音声対応SIMのプラン。ここでは音声SIMで電話番号もMNP転出する場合を想定していますので、身分証明書とメールアドレスを事前に用意しておいてください。なお、キャリアやMVNOによって方法は異なるため、全体の流れの把握として参照ください。

また、MVNOのプランの多くはクレジットカード決済のみなので、カード情報も用意しておきましょう。データ専用SIMカードの場合は、MNP転出の手続きや本人確認の手続が簡略になるのでもっと簡単に移行手続きが済ませられます。店頭で移行作業を代行してくれる場合もありますので、手続きが不安な場合は相談してみるのもよいでしょう。

(1)SIMパッケージを購入

IIJmioの「SIMパッケージ」を店頭または家電量販店で購入します。MVNOのサイトから注文すれば開通手続き済みのSIMカードを送付してくれます。また、店舗によっては開通手続きまで行ってくれる場合もあります。

(2)申し込みと開通手続き

申し込みサイトにアクセスし、データ通信の場合はSIMカードの台紙に記載された識別番号と製造番号を入力し、画面の指示に従ってプランの選択と申込情報などを登録します。音声SIMプランの場合は本人確認手続き後、1週間~10日程度でSIMカードが送付されます。

(3)MNP予約番号の発行

音声SIMの場合はMNPによる転出でこれまでの電話番号をそのまま使えます。ソフトバンクの場合は番号ポータビリティ(MNP)お問い合わせ電話窓口かソフトバンクショップでMNP予約番号を発行して、数日以内に移行手続きをします。費用は3240円かかります。

(4)SIMロックを解除

キャリアのSIMロック解除の手続きは店頭でも行えますが有料です。オンラインで行うのが手っ取り早く無料です。あらかじめ「設定」アプリの[一般]→[情報]から[IMEI](製造番号)を控えておき、解除手続きを済ませておきます。

(5)SIMカードの差し替え

SIMカードトレイをiPhoneから付属のピンで取り出し、MVNOのSIMカードと差し替えてからトレイを戻します。ICチップの表面には素手で触れないようにしましょう。

(6)APN構成プロファイル

自宅のWi-Fiなどに接続し、IIJmioのAPN構成プロファイル(iOS 7~9用)をダウンロードしてインストールします。すると、自動でAPNの設定が反映されます。

(7)動作を確認

キャリア情報が「docomo」になっていることを確認し、インターネットに接続できるか確認します。また、SMSも利用可能か確認しておきましょう。

(8)設定を確認

最後に「設定」アプリの[一般]→[情報]でネットワークやキャリア情報がこのようになっていればMVNOへの移行が完了です。