ストレージメーカーの雄
MacやiPhone、デジカメなどのデジタル機器を使っている人であれば、「WD」のロゴがついたSSD/HDDや、「SanDisk(サンディスク)」ブランドのSDカードやフラッシュメモリを一度は見たことがあると思います。昔から愛用している、という人もきっと多いことでしょう。
こうしたストレージ製品を製造・販売する企業が、「Western Digital(ウエスタンデジタル)」です。世の中に数多く存在するストレージ系の製品の中でも、Western Digitalの製品は定番として知られており、多くのユーザから絶大な支持を集めています。
ここでは、そんな同社の歴史と、どのようなカルチャーを持った企業なのか、そして特におすすめの製品について解説します。
Western Digitalが取り扱うブランドは、Western Digital、WD、SanDisk、SanDisk Professional、WD_BLACKの5つ。いずれのブランドも、優れた性能と洗練されたデザイン性を持っています。
Western Digitalの歩み
Western Digitalの前身となったのは、1970年に米国カリフォルニア州で創業した半導体企業の「General Digital(ゼネラルデジタル)」です。同社は経営危機を経験しながらもこれを乗り越え、1980年にはストレージ関連事業に参入。デジタル業界の拡大とともに成長を続け、1990年代にはハードディスク事業で大成功を収めます。
さらに、2012年には日立製作所からハードディスク部門である日立グローバルストレージテクノロジーズを買収。2016年にはサンディスクを買収し、フラッシュメモリ事業にも参入を果たしました。
その結果、現在ではSSDやHDD、USBメモリ、メモリカード、さらにはデータセンターストレージやネットワーク接続ストレージ(NAS)、組み込みフラッシュドライブなど多様な製品を展開。総合ストレージメーカーと呼べる、唯一無二の存在になっています。
同社は30以上の国で事業を展開しており、従業員数は6万5000人にも及びます。また、NANDビット(ストレージなどに使われる不揮発性メモリの一種)世界供給シェアは32%(ウエスタンデジタルコーポレーションとキオクシアコーポレーションのジョイントベンチャーによる数字)に達しており(2022年9月時点)、まさにストレージ市場のリーディングカンパニーといえるでしょう。
Western Digitalは1983年、マサチューセッツ工科大学と協力して人工知能コンピュータ「Nu Machine」を開発。そのNu Machineをもとに開発されたNuBusテクノロジーは、AppleのMacintosh Ⅱにも採用されています。
あらゆる先進性を突き詰める
Western Digitalは、「テクノロジーの限界を押し広げる」ことをビジョンとしています。その言葉のとおり、革新的なテクノロジーで常にイノベーションを起こしてきました。
たとえば、1991年に世界初となるフラッシュベースのSSDを発表したのは、現在Western Digitalが買収したSanDiskです。また、同じくWestern Digitalが買収した日立グローバルストレージテクノロジーズは2013年に世界初となるヘリウムHDDを発表しています。
また、Western Digitalも2012年に世界初のNASシステム用ハードディスクドライブを発表するなど、グループ会社とともにイノベーションを牽引してきました。
そして、Western Digitalを語るときに欠かせないのが日本との関わりです。日立グローバルストレージテクノロジーズを買収したこともあり、Western Digitalの開発拠点は日本に置かれているのです。
2002年以降、Western Digitalは三重県四日市市に設立したウエハー製造工場を通じて、高性能かつ大容量のNADN型フラッシュメモリを生産しています。2014年にはストレージ・テクノロジー・イノベーション・センターを、2018年にはメモリ開発センターを設置。同社における主要な開発拠点として運用されています。
また2019年、岩手県北上市に開設されたのがウエハー製造の第二拠点となる北上工場です。四日市工場と同じく、世界最先端となる設備を有しています。また、神奈川県藤沢市にはHDD開発拠点があり、数々のイノベーションが生まれました。
このように、Western Digitalは日本に多くの設備投資を行ってきました。その金額は累積で190億ドル以上となります。
実際に日本で生まれたイノベーションもあります。たとえば前述したヘリウム充填型大容量HDDも、ここ日本で生まれ世界に先駆けて製品化されました。この技術は、2018年に市村産業賞「貢献賞」を受賞しています。
Western Digitalはさらに、次世代データセンターに対応するゼタバイト規模(1ゼタバイト=10億テラバイト)のストレージ層の設計のために、「Zoned Storageアーキテクチャ」も発表しています。これは、アプリケーションやホスト、ストレージによるデータ配置の運用管理を自動化し、ストレージ容量の効率的な活用を実現する技術です。
世界のデータ量は年々加速度的に増加しています。データを安全に管理するためにも、データセンターの拡大とストレージ容量の大規模化は避けられません。そうしたテクノロジー企業の要請に応えて、ウエスタンデジタルはストレージ領域で常に世界の最先端を走っているのです。
またWestern Digitalの特徴として、サステナビリティへの取り組みについても触れておく必要があります。
昨今、企業には持続的な社会の実現に取り組むことが強く求められています。そんな中、Western Digitalもまた未来を見据え、CSRやSDGsに積極的に取り組んでいるのです。
たとえば、CO2の削減です。Western Digitalは、事業活動で生じる排出ガスを2030年までに42%削減する目標を掲げています。また、マレーシアの工場では完全自動化工場の実現に着手。生産と物流を自動化することで、工場のコストを32%削減することに成功しました。この成果により、第4次産業革命の本格的導入に成功した先進的企業コミュニティ「世界経済フォーラム」のグローバル・ライトハウス・ネットワークに選出されています。
このような取り組みが評価され、ウエスタンデジタルはエシスフィア社(企業倫理基準を定義し、測定する営利企業)が発表する「世界でもっとも倫理的な企業」の1社に選ばれました
Western Digitalのおすすめ3製品
ストレージ領域をリードする企業として高く評価されているウエスタンデジタル。その唯一無二の技術が惜しみなく注ぎ込まれた、同社のおすすめ製品を紹介していきましょう。
まず、ポータブルSSDの「WD My Passport SSD」です。
最大1050MB/秒の読み出し速度と最大1000MB/秒の書き込み速度を実現したハイパフォーマンスなSSDで、500GBから4TBまで豊富な容量の製品をラインナップしています。また、5色のカラーから選べるのもポイント。スタイリッシュなアルミ筐体デザインと相まって、見た目にこだわるAppleユーザにもぴったりの製品といえます。
特長の1つは、パスワードでドライブにロックをかけられること。プライベートなデジタルコンテンツを保護することが可能です。
WD My Passport SSD
【価格】500GB/1万880円、1TB/1万5180円、2TB/2万5080円、4TB/★万★円
【備考】4TBはグレーのみ。
【URL】https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/portable-drives/wd-my-passport-usb-3-2-ssd
万人におすすめできるのがWD My Passport SSDだとすれば、より“エクストリームな状況”でSSDを使用するユーザにおすすめなのが、「サンディスク エクストリーム ポータブル SSD」です。
その名のとおり、自宅やタウンユースだけでなく、旅行やアウトドアなど何が起きるかわからない環境で使用するのに適した製品となっています。
3mの高さから落下させてもデータを保護する驚異の耐久性を備えるほか、IP65の防滴・防塵性能を備えているため、どんな環境でも安心して使用できるのです。
サンディスク エクストリーム ポータブル SSD
【価格】500GB/1万2980円、1TB/1万7490円、2TB/3万1680円、4TB/5万4780円
【備考】500GBモデルはブラックのみ(左)。スカイブルー(中央)、モスグリーン(右)はオンラインストア限定販売。
【URL】https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/portable-drives/sandisk-extreme-usb-3-2-ssd
最後に、これぞWestern Digital!といえる最高クラスの製品「SanDisk Professional PRO-G40 SSD」を紹介します。
4TBモデルはThunderbolt 3を利用すると、最大3000MB/秒の読み出しと2500MB/秒の書き込みを実現する超高速のSSDであり、しかもサンディスク エクストリーム ポータブル SSD以上の耐久性、IP68の防水・防塵性能まで備えています。
最高クラスのパフォーマンスと耐久性を兼ね備えたSanDisk Professional PRO-G40 SSDは、まさに究極のSSDであり、パフォーマンスの高さを追求するプロクリエイターなどに最適のアイテムです。
SanDisk Professional PRO-G40 SSD
【価格】1TB/4万3780円、2TB/6万5780円、4TB/9万8780円
【URL】https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/portable-drives/sandisk-professional-pro-g40-ssd
ここまでの説明でわかるとおり、Western Digitalは世界最高レベルの技術を持つストレージ領域のリーディングカンパニーです。これまでに幾度となくイノベーションを起こし、世界を変えてきました。
デジタルデバイスの普及やSNSの隆盛、そしてAIの進化など、データの重要性が増す今後の世界において、Western Digitalは今後もなくてはならない唯一無二の存在であり続けるでしょう。
企画協力:ウエスタンデジタル合同会社