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Macの「スケジュールとタスク管理」の基本

Macの「スケジュールとタスク管理」の基本

予定やToDoをスマートにMacで管理

macOSにもiOSにも標準でインストールされている2つのソフト「カレンダー」と「リマインダー」。この似て非なる両者を使いこなすことができれば、スケジュールなどを効率よく管理できるはずです。ということで、今回はスケジュールとタスク管理の観点からこの2つのソフトをおさらいしましょう。

まず、「カレンダー」と「リマインダー」ですが、別々のソフトであるにも関わらず、その使い分けは少々わかりづらいですね。そこで、それぞれのソフトが扱うアイテムの呼び方に注目してみましょう。「カレンダー」に登録するアイテムは出来事や行事の意味を持つ「イベント」と表記されます。一方「リマインダー」に登録するアイテムは「タスク」かと思いきや、アップルの公式ユーザガイドでは「リマインダー」となっています。ここから見えてくるのは、これから起こるイベント=予定を管理する「カレンダー」に対して、「リマインダー」は、その名のとおり、やるべき事柄をリマインドすることに重きを置いたソフトということです。

たとえば、来月の健康診断の予定は「カレンダー」に登録。仕事の帰りに牛乳を買って帰るのは「リマインダー」に通知させるといった使い方が考えられます。健康診断は未来の予定、帰宅時の買い物はやるべきことの備忘録と言い換えることもできます。

また、ゴールデンウィークの旅行は「カレンダー」。それまでにやっておきたいパスポートの更新やチケットの手配は「リマインダー」といった使い方もありでしょう。場合によっては、持ち物リストの作成に「メモ」のチェックリストを活用してもいいですね。このように、1つのトピック(ここでは旅行)に対して発生するイベントやタスクを、複数のソフトに振り分けて管理するわけです。イベントやタスクを逐一入力するのは面倒だと感じるかもしれませんが、そのひと手間が、計画のスムースな遂行につながるのです。

なお、「カレンダー」も「リマインダー」も通知が重要なキーワードですが、それに加えて、その日の予定やタスクが1目で見渡せる「通知センター」も活用したい機能の1つです。もちろん、アイクラウドも外せません。「カレンダー」や「リマインダー」に追加した情報をすべてのデバイス間で同期すれば、もう予定やタスクをうっかり忘れてしまうことはないでしょう。

これだけは知っておきたいコトバ

[タスク]

タスク(task)は、やるべき仕事や作業、課題といった意味を持つ単語で、ビジネスシーンでは目標達成までの行程に必要なさまざまな作業を指します。また、それらの作業を計画どおり遂行するための業務をタスク管理、タスクマネージメントと呼びます。

[リマインド]

リマインド(remind)という単語には、(やるべきことを)思い出させる、気づかせる、思い起こさせるなどの意味があります。一方リマインダー(reminder)は、思い出させる物を指し、転じて「通知」や「注意」といったニュアンスで使われることもあります。

[チェックリスト]

項目にチェックボックスが付いたリスト。たとえば、ToDo(やること)リストの場合、実行した項目にチェックを付けます。macOS標準ソフトの「メモ」にもチェックリスト機能が備わっています。

【基本1】「カレンダー」を使ってイベントを管理しよう

「カレンダー」に記録できる情報

「カレンダー」は、少し先の未来に発生するイベントを記録して、計画をスムースに遂行するためのツールです。また、「カレンダー」は、予定の場所や通知、添付書類など、従来の紙のカレンダーに比べてはるかに多くの情報を扱えます。まずは、記録可能な情報をチェックしてみましょう。

詳細情報を盛り込んだイベントを作成する

イベントに記録できる情報の種類がわかったところで、実際にイベントを作成してみましょう。「カレンダー」の中でもユニークな項目が「場所」です。イベントに場所を追加すると、地図のリンクも同時に挿入されます。また、場所を追加することにより、移動時間を算出して通知させることも可能です。さらに、詳細ウインドウに表示された地図をクリックすると「マップ」が起動して、より詳細な地図で場所の確認や経路検索ができます。

もちろん、用意された項目すべてを埋める必要はありません。たとえば結婚記念日のような特別な日を「カレンダー」に追加する場合、時間や場所の情報は不要ですよね。このように、イベントの内容によって入力する情報を選ぶといいでしょう。

新規イベントを作成

イベントを追加したい日時の領域をダブルクリックして、新規イベントの作成を開始します。

開始と終了日時を指定します。開始時間の指定後、終了時間をクリックすると30分刻みの時間の候補が表示されます。指定しない場合は[終日]にチェックを付けます。

場所を追加

[場所を追加]と表示された欄をクリックし、場所の名称または住所を入力します。候補が表示されたら該当する場所を選択します。

場所を確定すると、住所や地図が自動的に追加されます。場所が候補に上がらないときは、場所の名称や住所を入力して[リターン]キーを押します。

通知を設定

場所を指定すると出発時刻の通知が自動で設定されますが、イベントの開始時刻からさかのぼって通知を設定することも可能。[通知]欄をクリックしてタイミングを選択しましょう。

指定した通知の上にマウスポインタを合わせると、[+]が表示されます。通知時間を複数設定したいときは、[+]をクリックして追加します。

移動開始時間を基準に通知を設定するには、はじめに[移動時間]を指定します。場所を設定した場合は、現在地から推定される移動時間が自動的に候補に上がります。

移動時間を設定すると、通知時間の基準がイベントの開始時刻から移動開始時間に変更されます。元に戻したいときは、移動時間を[なし]に設定します。

カレンダーを使ってカテゴリごとに整理

「写真」ならアルバム、「メール」ならメールボックスでアイテムを整理するように、「カレンダー」ではカレンダーを使ってイベントを整理します。

ソフトと同じカレンダーという名称のためややこしいのですが、要するにイベントをカテゴリごとに分類する機能がカレンダーと呼ばれているわけです。

「カレンダー」の初回起動時には、「ホーム」と「仕事」という名前のカレンダーが作成されます。このようにイベントの属性によって整理・分類するカレンダーはシンプルな仕組みですが、カレンダーごとの色分けや書き出し、表示/非表示の切り替えなどが可能となっています。仕事とプライベート、あるいは家族間のスケジュールを1つのソフトで管理するための機能といえます。

カレンダーを追加するには、[ファイル]メニューの[新規カレンダー]を選択します。iCloudなどカレンダーアカウントを複数使用している場合は、カレンダーを追加するアカウントを選びます。

リストに追加されたカレンダーに名前を付けます。一目で内容がわかるような名前を付けると、イベントを整理するときなどに便利です。

カレンダーの名前の上でオプションメニューを表示し、カラーを選択します。ほかのカレンダーと被らない色にしたいときは、[カスタムカラー]をクリックして任意の色を指定します。

イベントとカレンダーを紐付けるには、あらかじめカレンダーを選択した状態でイベントを作成するか、イベント詳細ウインドウ右上部の■をクリックしてカレンダーを割り当てます。

アイクラウドで「カレンダー」を同期

「カレンダー」をMac上だけで使うのはもったいない。スケジュール管理はクラウドを介してこそ、その役割を果たせるのではないでしょうか。いつでもどこでもどのデバイスでも、自分の予定を確認したり追加したりできるのが、クラウドの醍醐味です。

ここでは、「カレンダー」をアイクラウドに同期して、MacだけでなくiOSデバイスでも同じ情報を共有する手順を紹介しますが、「カレンダー」が連係できるのはアイクラウドだけではありません。グーグルカレンダーなど広く利用されているオンラインカレンダーサービスとも同期できます。アイクラウドの手順を応用するといいでしょう。

なお、アイクラウドなどで連係したカレンダーは、アカウントごとに画面左のカレンダーリストに表示されます。複数のカレンダーサービスを併用する際は、どのアカウントにイベントを追加するか、よく確認して間違えないようにしましょう。

「カレンダー」をiCloudで同期するには、「システム環境設定」の[iCloud]パネルで[カレンダー]にチェックを付けます。

「このMac内」で運用していたカレンダーをiCloudのカレンダーと結合する場合は、[結合]をクリックします。

カレンダーアカウントのオンオフ切り替えや更新頻度は、「カレンダー」の環境設定の[アカウント]タブで設定します。

アカウントは「カレンダー」の環境設定の[アカウント]タブで追加しますが、削除する場合は「システム環境設定」の[インターネットアカウント]で行います。

iCloudアカウントの追加前(右)は「このMac内」だけだったサイドバーに、「iCloud」が追加されました。サイドバーが表示されていない場合は、画面上部の[カレンダー]をクリックします

カレンダーやイベントをグループで共有する

カレンダーやイベントは、自分だけで運用する以外に、複数のメンバー間で共有することも可能です。特定のイベントを参加者と共有したり、家族やサークルなどのグループ内で共通のカレンダーを利用したりすることで、「カレンダー」の活躍の場が広がります。

共有したいカレンダー上でオプションメニューを表示し、[カレンダーを共有]を選択したあと、共有相手のメールアドレスを追加します。

特定のイベントを共有するには、イベントの詳細画面で[予定参加者を追加]の欄に、共有相手を追加します。

カレンダー

本記事では、標準ソフトの「カレンダー」を示す場合はカギカッコを付けて表記しています。「カレンダー」内でカテゴリー分けをするための機能であるカレンダーや、一般名詞のカレンダーなどと区別するためです。

クイックイベント

「カレンダー」ウインドウの左上部にある[+]をクリックし、「金曜 19時から コンサート」など口語に近いテキストを入力することで簡単にイベントを作成できます。

誕生日

「カレンダー」では、「連絡先」と連動した「誕生日」カレンダーを自動で生成します。不要な場合は、[環境設定]の[一般]タブで[誕生日カレンダーを表示]のチェックを外します。

公開カレンダー

[カレンダーを共有]ウインドウで、[公開カレンダー]にチェックを入れると、読み出し専用カレンダーのURLが生成されます。このURLを知っている人なら誰でも閲覧できるカレンダーですが、書き込みはできません。