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iPad Proが“活きる”アプリ

iPad Proが“活きる”アプリ

アプリは次の領域へ

初代iPadの登場から8年あまりが経過し、すでに幾多のアプリが登場した現在において、アプリを通して「まったく初めての体験」を得ることは少なくなったはずだ。しかし、新しいiPadプロは、秀逸なアプリとの組み合わせで、我々の感覚を“初体験以上”の鮮烈さで更新してくれる。

その一例としてまず、世界中のプロフェッショナルによってヘビーに使われ続けているツール「フォトショップ(Photoshop)」のiPad版(1)が挙げられる。iPadに最適化されたフル機能のアプリとして開発が進められており、2019年のリリースが待ち遠しい限りだ。

また、プロ用途のアプリとしては「オートキャド(Autodesk autoCAD)」(2)のiPad版も負けていない。「設計」という、些細なミスも許されないシビアな現場で使われるツールも、大きな処理能力と鮮明な大画面を備えたiPadプロ上で使うことで、パソコン版とはまた違ったメリットが発揮される。

スケッチアプリの「プロクリエイト(Procreate)」(3)や、DJアプリの「ディージェイ・プロ(djay Pro)」(4)など、すでに定番的な位置にいるツールも、処理能力や操作感の向上によって、より“手と一体化したようなツール”としての洗練度を増していくだろう。

新たな分野の開拓も

ハード的な進化がもっともダイレクトに現れる分野のひとつが「ゲーム」だ。たとえば「アサシンクリード・リベリオン」(5)は、少し前の据え置きゲーム機のグラフィックスレベルにまで達していると言っていい。今後、iPadプロに合わせた高度なグラフィックスを持ったゲームアプリが市場を席巻するだろう。

そして、我々にもっとも新鮮な感覚をもたらしてくれる可能性を秘めているのが「AR(拡張現実)」アプリだ。特に、「プランテール(Plantale)」(6)は、普段は見ることができない植物の内部構造などをより深く知ることができる秀逸な学習コンテンツである。アップル自身も力を入れているAR分野は、今後まずますコンテンツが充実していくに違いない。

新iPadプロを手にしたら、ぜひ自分自身も「次の領域」に進むような気持ちで、さまざまなアプリをトライしてほしい。

(1)iPadの進化を象徴する、期待のキラーアプリ!

【開発】Adobe 【価格】未定 【場所】https://www.adobe.com

Adobe Photoshop for iPad

「Photoshop」は写真や画像加工の代名詞となっているツールで、かつては初期から中期のMacの普及にも互いに大きな影響を与えあった存在だ。今までもPhotoshopの機能の一部を抜き出したアプリはいくつかあったが、最近になって開発元のAdobeから「“フル機能”を持ったiPad版Photoshop」の開発がアナウンスされ、iPad Pro発表イベントで一部機能が披露された。

iPad版のPhotoshopは、Mac版の「焼き直し」ではなく、30年以上に渡って蓄積されたデータを再度見直してiPadに特化した新しいアプリとして開発が進められているとのこと。現時点では2019年中のリリースが予定されており、その登場を世界中のユーザが固唾をのんで待ちわびている状態だ。かつてのMacと同じく、iPadの未来にも大きな影響を与える存在となるだろう。

iPad版Photoshopは、標準ファイル形式PSDファイルを開き、編集することができるほか、おなじみのPhotoshopレイヤーパネルも使うことが可能。まさにMac版のPhotoshopがiPadの中にそのまま落とし込まれた形と言っていいだろう。

iPad Pro発表イベントでは、開発中のiPad版Photoshopのデモが行われた。インターフェイスはゼロから再設計されており、Apple Pencilを交えたスムースな動作には期待が膨らむばかりだ。

(2)大定番CADソフトをiPad Proで!

【開発】Autodesk 【価格】無料(アプリ内課金あり) 【URL】App Srore>仕事効率化

AutoCAD

設計の世界でダントツの普及率を誇る「Autodesk autoCAD」のiPad版。Apple Pencilなどを活用することで、iPad Pro上で「製図板」のようなダイレクト感のあるオペレーションが実現されている。なお、アプリはインストール後7日間試用可能で、継続するには月540円、もしくは年間5400円のサブスクリプション料金が必要となる。パッケージ版はかなり高額なソフトだけに、リーズナブルな料金で始められるハードルの低さも大きな魅力のひとつだ。

アプリに付属するサンプルの図面を開いた様子。ピンチやドラッグといった操作にとても滑らかに反応し、まるで紙の図面を扱っているよう。これこそが設計・製図ツールの「完成形」と思える出来になっている。

(3)アナログのスケッチ感覚を再現!

【開発】Savage Interactive Pty Ltd 【価格】1200円 【URL】App Srore>エンターテインメント

Procreate

スケッチ&ペイントアプリ「Procreate」は、鉛筆や絵の具といった画材のタッチを高度にシミュレーション可能で、イラストレーターの間ではすでに定番のひとつとなっている。iPad ProとApple Pencilに最適化されているため、アナログ的な感覚を損なわないなめらかなレスポンスで緻密な描画を行うことが可能だ。数あるアプリの中でも、新環境の恩恵をもっとも受けられるものと言っていいだろう。

Procreate上では、画材がシミュレーションされたブラシで手描きするだけでなく、選択範囲を作って処理を実行したり、レイヤーで階層分けして効率よく描画することもできる。

(4)プロの使用にも耐える本格DJアプリ

【開発】algoriddim GmbH 【価格】6000円 【URL】App Srore>ミュージック

djay Pro 2

「DJといえばアナログレコード」というのはもはや一時代前の観念で、現在は音楽ファイルをベースにしたデジタルDJが広く普及している。「djay Pro 2」はiPadの初期から続く老舗アプリの最上位版。初心者でもごく簡単にミックスできるのに加え、豊富な機能を使いこなすと、現実のハードでは難しいような高度な表現も可能となる。1TBモデルのiPad Pro 2なら、何万もの楽曲を高音質なファイルで持ち歩けるので、DJプレイに新たな可能性を生む存在となっている。

djay Pro 2内では、曲のミックスやテンポ合わせ以外にイコライザやエフェクトの細かな処理も可能。また、円形のパッドを回してのスクラッチも非常に良いレスポンスで動作する。

(5)超美麗! 人気戦略RPGシリーズ

【開発】ユービーアイソフト 【価格】無料 【URL】App Srore>ゲーム

アサシン クリード リベリオン

「アサシンクリード リベリオン」は、人気シリーズ「アサシンクリード」の新作モバイルアプリ。15世紀のスペインが舞台の戦略RPGだ。プレイヤーは教団を築き上げ、テンプル騎士団とスペインを襲う抑圧に対抗すべく日々励んでいく。作中に登場するキャラクターは非常に精密な作りで、CGのレベルはモバイルデバイス向けとは思えないほどハイレベル。その分動作には高いスペックが求められるが、MacBook Pro並みのスペックを備えた新iPad Proであれば、かつてないレベルで快適にプレイすることが可能だ。

プレイヤー以外の登場人物も緻密なグラフィックで描かれており、各々から息吹を感じるかのよう。少し前なら据え置きゲーム機でしか不可能だった世界がiPad上で動くのは驚きだ。

(6)見慣れた部屋にARの植物が出現!

【開発】Designmate (I) Pvt. Ltd. 【価格】120円 【URL】App Srore>教育

Plantale

「Plantale」は、精密に作られたひまわりのCGを使って、植物の成長を“実物を観察しているように”学習することのできるアプリ。特に注目すべきは、カメラからの映像に植物をリアルタイムに合成する「AR Plant」のモードで、モーションセンサとの連動で、よく見たい部分に対してごく自然な感覚で寄ったり、茎の内部など解剖された部分まで自在に見ることができる。iPad Proの精細な大画面だと、より「体験」的な感覚を得ることが可能だ。

マーカーを認識すると、カメラを通した映像の中にヒマワリが出現! モーションセンサと綿密に連係し、まるでその場にある植物をカメラで撮っているような感覚になる。