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[ディスプレイ]薄く・大きく・美しいプロ仕様ディスプレイの実力

[ディスプレイ]薄く・大きく・美しいプロ仕様ディスプレイの実力

圧巻のフルスクリーン

多くのユーザにとって、新しいiPadプロの最大の魅力はそのディスプレイではないだろうか。オールスクリーンの部分に目がいきがちだが、より具体的に見ていくといろいろと興味深い点も多い。

まず、ディスプレイサイズは11インチと12・9インチの2モデルがあるが、前者は縦と横の解像度がこれまでと異なる。アスペクト比としては従来の4対3のスタンダートサイズから少しワイドな4.3対3となっている。

また、ディスプレイの四隅が直角ではなく角丸になっている。これはiPhoneと同じくディスプレイを最大限有効に使うと同時に本体デザインとの一体感をも生み出している。

ディスプレイそのものの仕様としては、前モデルから引き続き輝度600ニト、P3の広色域、トゥルートーン(True Tone)による自動ホワイトバランス調整機能などを実現している。一番の注目点は表示のリフレッシュレートが最大2倍になる「プロモーション(ProMotion)テクノロジー」の採用だ。これがユーザ体験にもたらすメリットは数値だけでは計り知れないものがあるだろう。

ディスプレイは2サイズ

ディスプレイサイズは対角11インチと12.9インチの2モデル。11インチは前モデルの10.5インチよりもディスプレイが一回り大きくなっているが、狭額ベゼルにより本体自体の長辺方向のサイズが3mm小さくなっている。12.9インチに至っては長辺方向で25.1mm小型化するなど、技術の進歩に驚かされる。

Liquid Retinaディスプレイを採用

11インチモデルは2388×1668ピクセル、12.9インチは2732×2048ピクセルのIPS液晶を搭載。いずれも264ppiの解像度を持つLiquid Retinaディスプレイだ。表面は反射防止のコーティングが施され、ディスプレイは「Display P3」の広色域をサポートする。

2サイズの比率は異なる

新しいiPad Proの12.9インチモデルはこれまでのiPadシリーズと同じアスペクト比4対3を踏襲している。一方、11インチモデルは4.3対3と、異なるアスペクト比を採用しているため、長辺側に少し伸びた形になる。このアスペクト比変更によって、11インチモデルに対応していないアプリは長辺両端に黒帯ができてしまう。各種アプリの対応が待たれる。

四隅は角丸に

新iPad Proのディスプレイは四隅が直角ではなく角丸になっている。なお、スクリーンショットは直角で撮影される。

?CHECK・「反射率がもっとも低い」は本当か?

1枚のソリッドなガラス板のようにも感じられる新しいiPad Pro。実際の利用シーンでは照明の写り込みや外光の乱反射があって見にくいのではと心配する人もいるかもしれない。だが、iPadプロの反射防止コーティングは非常に優秀で反射率は1.8%という高水準。これは一般的な反射防止機能を持った保護フィルムが透過率90%で反射率が2%程度であることを考えると、どれほど優秀かは明らかだ。

さらに液晶パネル部分とガラス面が一体化する製法を採用しているので、日常的な用途で反射が気になるということはほとんどないはずだ。後述するSmart Keyboard Folioを併用すれば、ランドスケープ利用時のディスプレイ角度を2段階から変更できる。これで光源の写り込みの心配はほぼないと言えるだろう。

iPad(第6世代)と比較すると一目瞭然

iPad(奥)と新iPad Pro(手前)の反射率を比較してみた。カバーガラスと液晶パネルを一体化したフルラミネーションディスプレイは、反射防止コーティングの効果と相まって一切の隙間を感じさせない。通常のiPadが空気層が確認できるのと比べると対照的だ。

自然光下での利用も快適

日が低くなると自然光が室内の奥にまで差し込むため、ディスプレイガラス面の反射や写り込みが気になることがある。iPad Proの1.8%という反射率の低さは前モデルと同等だが目に優しく感じられるだろう。

?CHECK・ProMotionの真価はどこにある?

新しいiPad Proのディスプレイにおいて、もう1つの重要なテクノロジーが「ProMotion」だ。これはディスプレイのリフレッシュレート(1秒間あたりの書き換え速度)が状況に応じて変化するというもので、最大で120Hz(1秒間120回)もの速さで書き換わる。前モデルのiPad Proでも60Hzに対応していたが、それがさらに半分の時間で描画できるので、表示の反応速度は単純に2倍快適になるわけだ。

それが一番実感できるのは、Safariをフリック操作で高速スクロールする際の描画だろう。データの読み込みさえ済んでいれば指先の動きにピタリと合って画面が動くのでとても快適だ。この遅延の少なさはApple Pencilで描画する際や3Dゲームを楽しむ際にも活きてくるので、iPad Pro全体のユーザ体験を向上させてくれる。

可変リフレッシュレート

ProMotionの効果が一番わかりやすいのは画面を高速にスクロールした際の描画だ。第6世代のiPad(左)とSafariのスクロールを比較したところ、新しいiPad Pro(右)では表示の遅延がほとんど見られない。

3Dゲームもぬるぬる動く

A12X Bionicのグラフィックス性能の向上もあって、高負荷な3Dグラフィックスを多用するゲームも遅延なく表示される。

Apple Careには入るべき?

Apple製品の延長保証サービス「AppleCare+」に加入すると、iPadとApple Pencilの保証とサポートが購入日から2年間に延長される。Macの場合の延長3年間に比べると短いようにも感じられるが、本体価格に関わらず一律1万4800円(税別)で加入できるのはお得と言えるだろう。過失や事故による損傷であっても1回につき4400円(Apple Pencilは3400円)で最大2回まで通常5営業日で修理でき、新品同様の交換品を最短数日で届ける「エクスプレス交換サービス」を利用可能だ。

保証対象外での修理サービス料金を考慮すると、AppleCare+は必ずしも高価なサポートサービスでないことがわかるだろう。