TourBoxシリーズは、2017年の登場以来、世界中のクリエイターに支持されてきた左手デバイスです。ユーザの声を反映しながらハードウェアの使い勝手と機能を着実に進化させてきました。
「CLIP STUDIO PAINT」や「Adobe Photoshop」といったイラスト制作・グラフィックツール、「Final Cut Pro」や「DaVinci Resolve」といった映像編集ツールをはじめ、対応アプリの幅広さが大きな強みです。あらかじめ用意されたプリセットをそのまま使えるのはもちろん、ユーザが好みのアプリで自由にキーを割り当てることもできます。
そんなTourBoxシリーズのフラッグシップモデルが、「TourBox Elite Plus」です。最大の特徴は、MacやWindows PCだけでなく、iPadやAndroidデバイスでも利用できること。Bluetoothで最大2台のデバイスとペアリングでき、MacとiPadをシームレスに切り替えながら使えます。
※この記事は『Mac Fan』2026年5月号に掲載されたものです。

【販売】エム・エス・シー
【発売】TourBox Tech Inc.
【価格】4万3967円
イラスト制作をはじめ、あらゆるクリエイティブワークの効率を高める「左手デバイス」の中でも、多くの支持を集めている「TourBox」シリーズ。そのフラッグシップモデルである本製品は、Mac、Windows PCだけでなく、iPadやAndroidにも対応しています。
エム・エス・シー
周辺機器やデジタル向けアクセサリの製造・販売に加え、数多くの海外輸入ブランドも取り扱い、iPhone向けにも豊富な製品を提供しています。
https://www.mediasell.co.jp/
TourBox Tech Inc.
TourBoxは、クリエイティブ分野におけるヒューマンマシンインタラクションを革新すべく、クリエイターのための効率的で直感的なワークフローの構築を目指しています。
https://www.tourboxtech.com/jp/
筆者が左手デバイスを使ってこなかった2つの理由。TourBox Elite Plusが払拭!
実は私、正直に言うと左手デバイスの必要性をそれほど強く感じていませんでした。その理由は2つ。「ツールを使いこなすにはボタンが足りない」こと、そして「どこに何を登録したか覚えるのが大変」ということです。過去にいくつかの左手デバイスを試しましたが、使い続けたいと思えるものはありませんでした。しかし、そんな私の先入観を鮮やかに覆してくれたのがTourBox Elite Plusです。
左手デバイスの課題①:ボタンが足りない
まず、ボタン数の課題についてお伝えしましょう。私はイラストを描いている途中に、パーツの変形や色補正などたくさんの機能を使います。
しかし、これまでの左手デバイスでは機能を登録しきれず、結局キーボードに手を伸ばさなければなりませんでした。ところがTourBox Elite Plusでは、ボタンの2度押しや同時押しを組み合わせることで、実際のボタン数以上の機能を割り当てられます。
仕様によると、設定できる機能数は最大150以上とのこと! さらに複数の操作を連続実行する「マクロ」も登録可能です。これならアプリの機能をほぼ網羅でき、キーボードへ手を伸ばす場面はほとんどなくなります。
左手デバイスの課題②:操作を覚えるのが大変
次の懸念だった「覚えるのが大変」という課題も、TourBox Elite Plusは2つの工夫で解消しやすくなっていると感じました。
1つは、いつでも登録内容を確認できる半透明のフローティングパネル(HUD)です。ポインタを重ねると一時的に非表示になるなど、実際の作業を邪魔しない配慮も行き届いています。そしてもう1つが、ボタンの形状と配置です。大きさも形も異なるボタンが、一見バラバラに配置されているように見えますが、これが絶妙な覚えやすさを生んでいます。

ボタン設定が確認できるフローティングパネル(HUD)を表示できます。位置や表示サイズを自在に変更できるほか、ポインタが重なったときに隠れるように設定することも可能。もちろん慣れてきたら非表示にすればOK。
テンキーのように整然と並んだボタンよりもずっと覚えやすいのです。しかも、ボタン形状の違いにより「どのボタンに指が触れているか」が直感的にわかるため、手元を見ることなく作業に没頭できます。

一見不規則に見えるボタン形状や配置が、絶妙な覚えやすさにつながっています。また、ダイヤルは回転させるとカチカチとした手応えがあり、操作に心地よさを与えています。これは振動モータにより電子的に「あえて」付加している触感フィードバックです。
なお、私は左利きのためこのデバイスを右手で扱うことになりますが、使いやすさはまったく問題ありませんでした。左右非対称のデザインながら、どちらの手にもなじむのは本当に不思議です。
このように、TourBox Elite Plusでは私が左手デバイスに対して抱いていた課題がすべて覆されました。ペンタブレットと組み合わせてイラストを描いたり、フォトレタッチを行う人ならすぐに便利さを実感できるでしょう。
また、TourBox Elite Plusは映像編集アプリでも重宝します。特にダイヤルをひねって、速度を可変しながら再生・逆再生できる「スクラブ再生」が非常に快適でした。
iPadでもMacでも一貫した操作感を実現。接続の切り替えもワンタッチで
この製品の大きな特徴のひとつがiPadとの連係です。イラスト制作アプリの「Procreate」で試したところ、ツールの切り替えをこのデバイスで瞬時に行えるのが本当に快適でした。画面内のメニューなどに視線を移す必要がなくなるので、描画だけに集中できるようになります。
さらにうれしいのが、MacとiPadで操作感を統一できる点です。私はMacではPhotoshopをメインに使い、iPadではProcreateを使うことが多いのですが、使うアプリが違っても各ボタンに同じ機能を割り当てておけば、一貫した操作感が実現します。
TourBox Elite Plusは2台のデバイスにペアリングできるため、MacとiPadの切り替えもワンタッチ。iPadで絵を描く方には、特に強くおすすめしたい1台です。

BluetoothでiPadと簡単に接続します。ボタン設定は専用アプリをインストールして行う仕組みです。「Procreate」「Clip Studio Paint」「MediBang Paint」など、数多くのプリセット設定が用意されています。
こちらもイチオシ! 「TourBox Elite Plus アークティックシリーズ」
「TourBox Elite Plus アークティックシリーズ」は、2025年11月に登場したカラーバリエーションです。機能はTourBox Elite Plusとまったく同じで、選べるカラーが異なります。
「アークティック(Arctic)」とは北極のこと。北極圏の自然光からインスピレーションを得た、フロストホワイト、グレイシャーブルー、オーロラバイオレット、ミッドナイトインディゴという4色が揃います。デスク周りのデバイスカラーを統一したい方や、iPadやMacのボディカラーに合わせたい方にぴったりのラインアップです。

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著者プロフィール
小平淳一
Apple製品を愛するフリーランスの編集者&ジャーナリスト。主な仕事に「Mac Fan」「Web Desinging」「集英社オンライン」「PC Watch」の執筆と編集、企業販促物のコピーライティングなど。ときどき絵描きも。Webの制作・運用も担う。







