Appleは2026年3月16日、オーバーイヤー型ヘッドフォンの最新モデル「AirPods Max 2」を発表した。H2チップを搭載し、ノイズキャンセリング性能をはじめ、音質、インテリジェンス機能が大きく進化。デザインは従来のスタイルを継承しつつ、内部の処理能力やサウンド構造を大幅に刷新している。
H2チップが生み出す静寂と豊かなサウンド体験
AirPods Max 2で注目すべきポイントは、H2チップにより強化されたアクティブノイズキャンセリング性能だ。Appleによれば、前世代と比べて最大1.5倍の効果を実現し、飛行機や通勤電車のような騒音の多い環境でも、これまで以上に深い静寂が得られるという。周囲の音を取り込む外部音取り込みモードも改良され、アルゴリズムの進化により、街中の音や人の声がより自然に聞こえるようになった。
音質についても進化の幅は大きい。新たに採用されたハイダイナミックレンジアンプがクリアなサウンドを再現し、空間オーディオでは音源定位がより正確になり、低音域は安定性が増した。中高音域も自然で、全体として立体的なサウンド体験が得られる。また、付属のUSB‑Cケーブルで有線接続することで24bit48kHzのロスレスオーディオに対応する。
音楽制作環境でも活用が見込まれる。Logic Proなどを使用した制作からミックスまで、ヘッドトラッキングを組み合わせた空間オーディオ制作にも利用可能だ。AirPods Max 2を制作機材として使うシーンも広がりそうだ。

より賢く、より快適に。インテリジェンス機能が多数追加
H2チップの採用は、音質だけでなく利便性にも大きな影響を与えている。新たに搭載された「適応型オーディオ」は、周囲の状況に合わせてANCと外部音取り込みのバランスを自動で調整し、環境の変化に対応してくれる。また、ユーザーが会話を始めた瞬間に音量を下げ、周囲の音が聞こえやすくなる「会話感知」も加わった。
さらに、Apple Intelligenceを活用したライブ翻訳にも対応する。対応したiPhoneと組み合わせることで、AirPods Max 2を装着したまま対面の会話を翻訳でき、多言語コミュニケーションの幅が広がる。
通話時には「声を分離」が働き、周囲の雑音を抑えながら声だけをクリアに拾う。撮影中にDigital Crownからシャッターを押せる「カメラリモート」も搭載され、離れた位置からの撮影がしやすくなった。
クリエイター向けには、スタジオ品質の録音機能も導入されている。ポッドキャスターや歌手などは、自然な声質を保ったまま高品質な収録が可能になり、ヘッドフォン単体でできる制作活動の幅が広がっている。加えて、大きな音を抑える機能や、ユーザーの好みを学習して音量を自動調整するパーソナライズ型の音量最適化、Siriへのジェスチャー応答など、細かな快適性も充実した。

環境負荷をさらに低減した素材構成
AirPods Max 2は、製品そのものにも環境への配慮が盛り込まれている。マグネット部品には100%再生希土類元素を使用し、イヤークッションには100%再生ポリエステルを採用した。基板のメッキ部分には100%再生金、はんだには100%再生スズが使われるなど、主要部品の多くで再生素材が活用されている。紙のパッケージは100%ファイバー素材で、リサイクルもしやすい構成だ。
これらの施策は、Appleが掲げる「Apple 2030」に基づくものだ。素材、電力、輸送といった排出源に対し総合的な改善を行い、2030年までのカーボンニュートラル達成を目指す。
発売日、価格、保証サービスなど

AirPods Max 2はミッドナイト、スターライト、オレンジ、パープル、ブルーの5色で展開される。価格は89,800円(税込)で、3月25日からApple公式サイトおよびApple Storeアプリで予約受付が始まり、4月上旬に販売開始となる予定だ。
保証サービスはAppleCare+のほか、米国では複数製品をまとめて保護できるAppleCare Oneにも対応し、落下や水濡れ、盗難や紛失、バッテリー交換など幅広いサポートを受けられる。購入者はApple Musicを3か月間無料で利用できる特典も用意されている。
なお、ライブ翻訳やスタジオ品質録音など一部の機能は地域や言語により利用可能状況が異なるため、事前の確認が推奨される。


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