Appleは、クリエイティブワークを支援するアプリの包括的なサブスクリプションプラン「Apple Creator Studio」を、本日(2026年1月29日)よりApp Storeで提供開始した。
Apple Creator Studioは、動画編集アプリの「Final Cut Pro」、音楽制作アプリの「Logic Pro」を毎月手頃な価格で利用できるという点だけでも注目に値する。しかし見方を変えると、実はプロクリエイターだけを対象にしたサービスというわけでもなさそうだ。
ビジネスパーソンが企画書やプレゼンテーションの制作に役立てられる「Pages」や「Keynote」など、Appleによるオフィス向け定番アプリもAI系の追加機能により進化している。というわけで本稿では、Apple Creator Studioを幅広いクリエイティブワークに活かす方法を紹介しよう。
多彩なアプリをパッケージ化したApple Creator Studio
Apple Creator Studioは、複数のアプリを1つのパッケージにまとめたサービスだ。これまでAppleが個別に販売してきたプロクリエイター向けソフトウェア、そして無料で提供されていたプロダクティビティツールが含まれる。その価格は月額1780円、または年額1万7800円となっている。

Apple Creator Studioにバンドルされるアプリ一覧
Final Cut Pro:動画編集アプリ
Motion:モーショングラフィックス制作アプリ
Compressor:ビデオ変換アプリ
Pixelmator Pro:画像編集アプリ
Logic Pro:音楽制作アプリ
MainStage:ライブパフォーマンス用のオーディオ制御アプリ
iWork(Keynote、Pages、Numbers、フリーボード※):ビジネスツール
※フリーボードは年内追加予定
Apple Creator Studioの注目アプリをチェック!
さて、多くのiPhoneのユーザにとって、日常的に行っているクリエイティブワークといえば「iPhoneで写真やビデオを撮ること」だと思う。その先にもう一歩踏み込んで、Apple Creator Studioに含まれるAppleの画像編集アプリである「Pixelmator Pro」を使ってみてほしい。iPhoneで撮った写真を、手軽に“映える写真”に編集・加工できる。
Pixelmator Proの魅力は、写真のプロフェッショナルの即戦力にもなり得る多彩な画像編集機能を揃えながら、画像編集に関連する面倒な作業を自動で処理する、機械学習モデルをベースにしたAI機能を併せ持つことだ。
ここからは、筆者が事前に試したApple Creator Studioのアプリをいくつかピックアップし、その機能性や魅力を解説していく。
Pixelmator Pro/画像編集アプリ
では、Pixelmator Proの便利なAI関連の画像編集機能をいくつか紹介しよう。
画像の解像度を上げる「超解像技術」
まず、「画像」メニューの中にある「超解像技術」だ。iPhoneやデジタルカメラで撮影した写真の被写体が少しぼやけていた場合、超解像技術をかけるとその機械学習処理により、写真のパターンとテクスチャを分析しながら被写体の輪郭にも鮮明さを加えてくれる。

残念写真の構図を印象的にかえる「自動切り抜き」機能
写真の構図を整える作業も、画像ファイルの点数が複数になると面倒に感じられるものだ。そんなときは、ツールバーから「切り抜き」を選択して、表示されるメニューの中から「自動切り抜き」をタップしてみよう。すると、機械学習モデルが写真の中から視覚的に重要な被写体を分析・判定し、最適な構図による切り抜きを提案してくれる。

人物をきれいにトリミング! 「背景を削除」機能
また、人物だけをきれいにトリミングできる「背景を削除」機能も便利だ。人物のポートレートを撮影したものの、背景の被写体が騒々しい写真になってしまったときなどに活躍するだろう。被写体のエッジ処理も自然に仕上がる。


Photoshopよりも直感的? iPadとの好相性
Pixelmator Proは、iPadOSのタッチ操作との相性がとてもいい。Apple Pencil Proを片手に、直感的に画像の補正、先に紹介した超解像処理のプレビュー比較、自動切り抜きといった編集作業を手早く進められる。
なお、iPadOS版のPixelmator Proは、Apple Creator Studioの提供と合わせてリリースされた。

iPadOSで写真を編集するとき、筆者はAdobe PhotoshopよりもPixelmator Proを好んで使っている。画像ファイルのブラウジングから、アプリによる直感的な編集作業が行えるところまで、使い込むほどにPixelmator Proのほうがなじみがいいと感じるからだ。
iWork(Pages、Keynote、Numbers)/ビジネス書類作成アプリ
Pages、KeynoteにNumbersといった、Appleが無料で提供するオフィスワークの生産性を高める定番アプリもApple Creator Studioに加わる。なお、フリーボードについてはまた後日、Apple Creator Studioファミリーに追加される予定だ。
ちなみに、Pages、Keynote、Numbersは、今後もAppleデバイス向けに無料で配信される。それらと「Apple Creator Studio版」との違いは、AI系機能とプレミアムコンテンツが追加される点だ。
写真、イラスト、グラフィックなど多彩な素材を用意
たとえばPagesで企画書やイベントレポートなどのドキュメントを作成する際には、テキストの合間にイラストを挿絵的に使いたいことも多々ある。そのたびに自分で素材を1から作ったり、iPhoneで撮影した写真の中から意図に合うものを探すのは非常に手間だ。
そんなとき、Pagesのメニューバーから[挿入]→[コンテンツハブをブラウズ]を起動すると、イラストや実写、グラフィックスのさまざまな種類のフリー素材がライブラリから見つけられる。動物や食物をかたどった図形の素材も豊富に揃う。デザインに工夫を凝らしながら、緩急も付けたドキュメントを作りたいときに欠かせないツールになるはずだ。

足りない素材はAIで生成。OpenAIの画像生成モデルを統合
コンテンツハブにない画像素材は「生成」すればいい。OpenAIの画像生成モデルが統合されているため、任意のテキストプロンプトを入力すると、気の効いたイラストを素速く作ってくれる。



Keynoteでも、同様にコンテンツハブや画像生成の機能が使える。プレゼンテーション用のスライド制作などがはかどるだろう。さらにKeynoteの場合、ユーザが入力したテキストを元に「発表者ノート」を自動で生成できる機能も便利だ。

Final Cut Pro/動画編集アプリ
写真・静止画に比べると、iPhoneで撮影したビデオの編集はややハードルの高いクリエイティブワークだ。
Appleには、プロフェッショナルグレードの動画編集に対応する独自のアプリ「Final Cut Pro」がある。Mac版のFinal Cut Proは買い切り購入もできるが、価格が5万円と高価。そのため、一般の方々には手を出しづらかったと思う。しかし、「Apple Creator Studioのサブスクに申し込むと、パッケージの中に付いてくるアプリ」と考えれば、試してみたくなるはずだ。
Appleが開発した機械学習モデルをベースとするFinal Cut ProのAI系ビデオ編集機能をいくつか紹介しよう。
ハイライト動画を自動生成。「モンタージュを作成」機能
ひとつはiPad版のFinal Cut Proに搭載されている「モンタージュを作成」機能だ。アプリに読み込んだビデオクリップをAIが解析して、音楽のリズムに合わせて自動でダイナミックなハイライト動画を生成する。


動画内をキーワード検索。「視覚オブジェクト検索」
もうひとつはMac版・iPad版のFinal Cut Proで共通して使える、便利な「視覚オブジェクト検索」の機能だ。
プロジェクトに読み込んだ素材の中から「黒猫」や「黄色い花」、「白いビルディング」など特定の「オブジェクト」だったり、“ダンスしている人”のような「アクション」を単発のキーワードや、話し言葉調のテキストフレーズを入力して探すことができる。膨大なビデオファイルの中から、目当てのシーンを探して編集する時間が短縮され、作業の効率アップにつながるだろう。

Final Cut Proに慣れて、少し工夫を凝らしたショートビデオが作れるようになれば、Keynoteのスライドに挿入して、リズム感のあるビジネス用プレゼンテーションの作成にも活かせる。
Logic Pro/音楽制作アプリ
そしてもうひとつ、Apple Creator Studioにバンドルされる「Logic Pro」はハイレベルな音楽制作のためのアプリだ。
多くの方々にとって、作曲はあまりなじみのないクリエーションだと思う。ましてや、一般のビジネスパーソンが仕事で音楽制作を求められることはないだろう。そのため、どちらかと言えば趣味としての音楽制作に幅を広げたい方々に、Logic Proは深掘りしながら楽しみ甲斐のあるアプリになるはずだ。
正直に言って、筆者もLogic Proを使いこなせていない。ただ今回は、「iPhoneで撮ったビデオをFinal Cut Proで編集して、Mac版のLogic Proで自作したループ音源をBGMとして乗せる」ことに挑戦してみた。簡単に手順を振り返る。
プリセット音源を使って“楽曲らしいもの”を作る
まずはLogic Proで新規プロジェクトをつくる。BPM(速さ・テンポ)やコード(和音)、拍子などを画面トップのプロジェクト設定から決定。ゆっくりめのBGMにしたかったので、BPMだけデフォルトの120から80前後に変更した。

あとはプリセット音源の「Apple Loops」を活用して、作りたい楽曲のイメージに合うループを、ライブラリからプロジェクトのタイムラインにドラッグ&ドロップ。そうして組み上げるだけで、楽曲らしいものが出来上がる。

ここまでのステップは完全に筆者の我流だが、とにかくやみくもに組み上げたループを再生して「最初に音が出る」とにわかに気分が盛り上がり、Logic Proを極めてみたくなった。特に目的がなくても、デジタル楽器を遊ぶような感覚でアプリをいじり倒してみるのもアリだと思う。Apple Creator Studioをサブスクしたら、ぜひ一度はLogic Proを遊んでみるべきだ。
音源ファイルとして書き出す
プロジェクトを組み上げたら音源ファイルとして書き出そう。「ファイル」から「バウンス」を選ぶか、またはMacで[Command]+[B]キーを押すことでメニューに遷移する。
デフォルトの設定は非圧縮のAIFF形式になっているが、Final Cut Proで動画ファイルと合体させてBGM的に使う音源であればMP3でも構わないと思う。
この筆者の事例よりもベターなアプローチはいくつもあると思う。今回は拙い実践紹介をご容赦いただきたい。

クリエイティブは敷居が高い? Apple Creator Studioは、月額1780円でそれを“身近”にしてくれる
Apple Creator Studioは、従来は特に敷居が高く感じられたFinal Cut Proによる動画編集、Logic Proによる音楽制作といった創作体験を、「自分ごと」に変えてくれるサービスだと思う。月額1780円という価格は安価だと手放しには言えない。だが、1カ月の無料トライアルで体験する価値は大いにある。
なおApple Creator Studioはファミリー共有が可能で、最大6人の家族でシェアできる。家族がそれぞれ創作活動に興味を持っており、アプリを使う環境が揃っているのなら、1人あたりの導入コストは手頃と言えるだろう。

ただ利用にあたり注意点もある。Apple Creator Studioに含まれるアプリは、それぞれデバイスの要件が異なる。そのため、使いたいアプリが自身のマシンで利用できるか、事前に確認しておこう。
なおOSについては、すべての機能を利用できるmacOS Tahoe、iPadOS 26、iOS 26以降が推奨されている。さらに、一部の機能はApple Intelligenceに対応するデバイスが必要なので、基本的には「Apple Intelligenceに対応」するAppleシリコン搭載のMac、さらにiPhoneとiPadを用意しておきたい。
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