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BenQが“Macの色再現”に本気で挑んだ理由──Mac向けモニタ「MA」シリーズ開発の裏側をプロダクトマネージャーに聞く

著者: 山田井ユウキ

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BenQが“Macの色再現”に本気で挑んだ理由──Mac向けモニタ「MA」シリーズ開発の裏側をプロダクトマネージャーに聞く

映像品質と使い勝手の両立に定評のあるメーカーとして知られるBenQ。そんなBenQが2024年10月から展開しているのが、“MacBook向けモニタ”をうたう「MA」シリーズだ。

既存のノングレアモデル(27インチ、31.5インチ)に加え、今回新たにグレアモデル(27インチ、31.5インチ)、5K解像度のグレアモデル(27インチ)が発表された。さらに今後は、120Hzモデル(31.5インチ)も投入予定だという。

「MA」シリーズ一覧。
左から順に、27インチ既存ノングレアモデルのMA270U 、新たに発表されたグレアモデルのMA270UPと5K解像度のMA270S。そして31.5インチ既存ノングレアモデルのMA320U、新しいグレアモデルのMA320UP。

価格は、グレアモデルが9万9800円(27インチ)と11万9800円(31.5インチ)、5KモデルMA270Sが19万7800円となっている。

Macの外部モニタといえば、真っ先に思いつくのは純正のStudio Displayだが、高価ゆえに購入をためらう人も少なくないだろう。そんなユーザにとって、BenQのMAシリーズは有力な選択肢の一つとなりそうだ。

今回、ローンチイベントでBenQ台湾本社 製品管理部のプロダクトマネージャーであるYulun YL Huang氏にインタビューを実施。MAシリーズの開発背景や細部に詰め込まれたこだわりについて話を聞いた。

プロダクトマネージャーのYulun YL Huang氏。

本体デザインから色表現、ソフトウェアの使い勝手まで“シームレスなMac体験”を提供

──MAシリーズはMacBookとの一体感を重視しているとお聞きしました。具体的にはどのような点にこだわっているのでしょうか。

MAシリーズはMacユーザのライフスタイルを豊かにするというコンセプトで開発したモニタで、Macと同じ色表現を重視している点が特長です。

デザインや機能面でも、Appleデバイスから多くのインスピレーションを得ています。たとえばMAシリーズの角の部分をご覧ください。わずかにラウンドしていることがわかると思います。実はこれはiPhoneの角の丸みと同じ角度を採用しています。

デバイスのカラーもクラシックなMacBookと同じで、Appleデバイスとの統一感を意識しました。また、私たちの調査で、MacユーザはMacBookだけでなく、Apple WatchやAirPods、iPhoneといった小型のデバイスをモニタ前に置くことが多いことがわかっています。そこでスタンド下部にラバーパッドをあしらいました。これにより、モニタ前にAppleデバイスを置いても傷がつきにくくなります。

スタンド下部のラバーパット
スタンド下部のラバーパットにより、Macを置いても傷つきにくい使用となっている。
モニタ裏側のポート周りもMacと似たデザインとなっている。




Macからの影響。ソフトウェア「Display Pilot 2」の高機能性

──機能面についてもAppleからインスピレーションを得た部分はありますか。

Appleから影響を受けた部分のひとつとして、モニタを制御するソフトウェア「Display Pilot 2」があります。MAシリーズは画面のメニュー部分もAppleのシンプルさにインスパイアされており、「明るさ」「音量」「入力」「情報」という4つの基本機能に絞っています。その他の高度な設定はすべて、「Display Pilot 2」で調整するというコンセプトです。

「Display Pilot 2」のUIもAppleのデザインを参考にしているため、Macユーザであれば違和感なくお使いいただけます。さらにMacBookの明るさキーや音量キーを押すことで、MacBookだけでなくモニタの輝度や音量も一緒に変更できるようにしました。このように、シームレスなMac体験を提供することがMAシリーズの特長なのです。

──対応しているMacBookのモデルは?

各世代のMacBookだけでなく、Mac miniやMac Studio、Mac Pro、iMacなど、さまざまなデバイスと互換性があります。当社のサイトにテスト済みのデバイスのリストがあるので、こちらをご覧ください。

最大の苦労は、デバイスや世代ごとに異なるMacの「色」をどう再現するか

──開発にはどのような苦労がありましたか。

MAシリーズの開発における最大の課題は、パネルのパフォーマンス、特に色表現でした。MacBookの内蔵モニタは光沢のあるグレアパネルですが、市場の多くの外部モニタはマットなノングレアパネルを採用しています。グレアとノングレアの両方で色表現の一貫性を実現することは非常に大きな挑戦でした。

また、MacBookは世代によっても微妙に色が異なります。iPadやiPhoneをはじめとするさまざまなAppleデバイスも含め、色表現をどうするのかは難しい課題でした。

Apple製品の色表現を最大限に引き出すため、細部までこだわって設計された。

──苦労したという色表現について、ユーザからはどのように評価されていますか。

多くのポジティブなフィードバックをいただいています。多くのユーザがMAシリーズの色の一貫性についてすばらしいと評価しています。さらに今回、ユーザのニーズにお応えして、MacBookと同じグレアモデルも発表しました。

既存のノングレアモデルのMA270U(左)と、新しいグレアモデルのMA270UP(右)。

──逆にネガティブなフィードバックはありますか。

モニタ下部の黒いベゼルがやや太く、これが「MacやAppleらしくない」というご意見をいただきました。将来の開発では、このベゼルを狭くするか、完全になくす方向で改善したいと考えています。

フィードバックの中で目立った、モニタ下部の黒いベゼル部分。




ライトユーザ向けの4Kモデル、クリエイターや開発者向けの5Kモデル

──今回発表になったのは、5K解像度27インチ「MA270S」、4K解像度27インチ「MA270UP」、4K解像度31.5インチ「MA320UP」、いずれもグレアタイプです。どのような対象ユーザを想定していますか。

デスクスペースが小さい場合は27インチ、大きい場合は31.5インチが適しているでしょう。4Kモデルは、MacBook AirやMac miniなどを幅広い目的で利用するライトユーザ向けに設計しています。一方、5Kモデルは、より高解像度を必要とするクリエイターや開発者などを想定しています。

2025年12月12日に発表された3製品。

──MAシリーズを通じて、どのようなブランドイメージを構築したいと考えていますか。

BenQは20年以上の歴史を持つモニタメーカーです。モニタ技術に優れているだけでなく、Macユーザのこともよく理解しています。私たちが提供するのは単なるモニタではなく、Macのようにシームレスで一貫性のある体験です。今回の発表を通じて、そのメッセージを伝えたいと思っています。

──日本のユーザへメッセージをお願いします。

日本のユーザの皆さんからは多くのフィードバックをいただいています。まずはその点に感謝を申し上げます。今後も日本市場に、最高のソリューションと体験を提供し続けます。

Macユーザに向けて、同社の今後の展望を語ったYulun YL Huang氏。

著者プロフィール

山田井ユウキ

山田井ユウキ

2001年より「マルコ」名義で趣味のテキストサイトを運営しているうちに、いつのまにか書くことが仕事になっていた“テキサイライター”。好きなものはワインとカメラとBL。

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