初めて触れたLisaとMacintoshへの憧れ
今回は筆者が初めて所有したMacである「Macintosh Plus」をご紹介したい。
筆者が当時在籍していたのは日本で早くからパソコンを開発していた専業メーカーで、そこでエンジニアとして回路設計を担っていた。そこにLisaがやってきた。しかもそのLisaにはProFile(Apple III用として1981年9月にリリースされた5インチHDD、容量5MB)が搭載されており、初めて触れたGUIはとても衝撃的な体験だった。
その当時日本のパソコン市場では後に「国民機」と呼ばれるNECのPC-9801が台頭してきた時期だったが、当時はまだMS-DOSも標準装備されておらずN88-BASIC(86)やCP/M 86が主流だった。そんな時代に、Lisaの先進的な操作性は、未来の輝きに満ちて見えたものだ。その翌年には初代Macintoshが登場し、こちらも会社に導入されて触れる機会も増えた。そしていつしか自分のMacが欲しいと考えるようになっていった。
Macintosh Plusは1986年1月16日に発売されたMacintoshシリーズの3番目のモデルで、初代Macintosh 128からMacintosh 512Kに続くコンパクトMacのデザインを継承しており、外観上の違いは少ない。


Macintosh Plusの拡張性と周辺機器の世界
Macintosh Plusの最大の特長は、優れた拡張性にある。128Kや512Kではロジックボードにハンダ付けされていたメモリ(DRAM)をSIMM搭載方式に変更し、SIMMスロットに装着する構造にすることでメモリを増設できるようになった。これによってmacOS(当時はSystemと呼ばれた)の更新に柔軟に対応できるようになり、後にMulti Finder(協調的マルチタスク)が登場すると、メモリを増設することでいくつものアプリを同時に起動して使うことができるようになった(今のmacOSでは当たり前のことだが当時としては画期的だった)。

さらにSCSIインターフェイスが採用されたことで、Macにさまざまな周辺機器を接続できるようになった。中でもHDD(ハードディスク)はその速度と利便性を一度味わってしまうと、二度とフロッピーディスクには戻れない中毒性のある存在だった。この当時まだHDDは高価(本体とさほど変わらない価格)だったが、ようやく購入したHDD(40MB)を接続し、そこからSystemを起動したときの感動は未だに忘れることができない。


またMacintosh Plusは、1985年1月にリリースされた世界初のPostScript対応レーザープリンタ「Apple LaserWriter」と、それらと複数のMacを接続するネットワーク「LocalTalk」の登場によって、デザインや印刷の世界にDTP(Desktop Publishing)の世界をもたらした立役者でもあった。
プライベートな用途においても、後にイーサネット(EtherTalk)が普及するまでの間、Mac同士のファイル共有には永らくLocalTalkが使用されていた。その速度は最大230.4kbpsとイーサネットに比べてかなり遅かったが、当時の感覚ではフロッピーディスクでデータをやりとりするよりもはるかに効率的かつ先進的に感じた。
次回はMacintosh Plusのロジックボードと、そのアーキテクチャを見てみよう。
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