※この記事は『Mac Fan 2020年9月号』に掲載されたものです。
MacBookはどう変わる? –もっとも恩恵を受けるモバイル向け–
おそらく最初にAppleシリコンを搭載して登場するのは、MacBookシリーズだろう。というのも、iPad Proが搭載するApple A12ZプロセッサはすでにMacBook Proの性能領域に達しているからだ。
特にMacBook AirやMacBook Pro(13インチモデル)のようなモバイル向けMacでは、より長いバッテリ駆動時間を得ることができるメリットがある。
一方でMacBook Pro(16インチモデル)のようなハイパフォーマンスモデルの登場には、より多くのプロセッサコアを内蔵したAppleシリコンの開発が必要になるため、リリースまでにはもう少し時間がかかると思われる。

画像:iFixit
iMacはどう変わる? –より薄く洗練されたデザインに–
デザインという観点で見れば、MacBookシリーズ以上に大きな変化が起きるのがiMacシリーズだ。
Appleシリコンの採用による低消費電力化とストレージのSSD化によって、ほぼディスプレイ部のみの厚さのモデルにデザインすることが可能になる。その結果、ディスプレイは本体サイズいっぱいまで拡大することができ、フレームレス(狭額)化によってまるでディスプレイそのもののようなデザインにすることも可能だ。
なお、搭載されるAppleシリコンは、MacBook Proの上位モデルと同様、またはそれ以上のものが採用されると予想される。

画像:Apple
Mac miniはどう変わる? –さらなる小型化を実現可能–
WWDC20で、ソフトウェアデベロッパ向けにリリースされたApple A12Zプロセッサを搭載したソフトウェア開発キット「Developer Transition Kit」は、Intelプロセッサを搭載するMac miniの筐体をベースに開発されたものだった。
ただし、その仕様から想定すると、筐体の中身はスカスカだと思われる。実際にこのタイプのMacが再デザインされるとしたら、それはおそらくApple TVくらいのサイズを実現できるだろう。搭載されるAppleシリコンは、やはりMacBookシリーズのものがベースになるはずだ。

画像:Apple
Mac Proはどう変わる? –当分はIntelプロセッサで進化か?–
予測がもっとも難しいのが、市場の異なるハイエンドモデルMac Proの未来だ。IntelのXeon(ジーオン)クラスのAppleシリコンの開発はAppleにとっても未知数で、求められる拡張性を考慮すると単に「プロセッサコアを増やせばよい」というものでもない。
ただし市場にはすでにAppleシリコンと同じARM v8アーキティクチャを採用した数十コア構成のプロセッサが存在することから、時間はかかるが超多コアのAppleシリコンの実現は可能だ。2019年にフルモデルチェンジしたばかりのMac Proは、当面はIntelプロセッサを搭載した形で進化を続けるだろう。

画像:富士通
※こちらの連載は、毎週土曜日18時に公開する、計7回の連載です。
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