ローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker」を活用し、オリジナルのカスタムAppのアイデアと技術を競う「Claris FileMaker 選手権 2025」（以下、FileMaker選手権）。
この大会で審査員を務めるのが、フリーアナウンサーの松澤ネキさんです。
自らもアプリ開発の勉強をするためにClaris主催のセミナーに参加し、初めは戸惑いつつもアプリ作りの楽しさを実感しました。
日常のメモやスケジュール管理、趣味を楽しくまとめた“遊び心のある”アプリを目指す松澤さんに強力な助っ人が登場しました！
松澤ネキさん
大学卒業後、経済専門チャンネル「日経CNBC」では経済キャスターとして活動。その後「TBSニュースバード（現TBS NEWS）」にて定時ニュースから選挙中継、現地取材、事件事故の突発対応から、あらゆる報道業務を担当。2013年よりホリプロ所属。 現在は得意分野のアニメ、漫画、ゲーム等のジャンルを中心に活躍中。
［URL］https://www.horipro.co.jp/matsuzawaneki/
山下晴加さん
株式会社DBPowers システムデザイナー。2018年に参加した「FileMaker キャンパスプログラム」をきっかけに、Claris FileMakerを中心とした業務支援環境のシステム構築やカスタムApp開発のトレーニングに従事。
［URL］https://www.dbpowers.co.jp
「Claris FileMaker選手権 2025」とは？
「Claris FileMaker 選手権 2025」は、ローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker」の最新バージョンを使って開発された、オリジナルのカスタムAppのアイデアと技術を競うコンテストです。
たとえば、家族や友人の困りごとを解決するお助けアプリや、地域の課題に寄り添うアプリなど、日々の暮らしをちょっと楽しく、ちょっと便利に変えるアイデアをFileMakerでカタチにしてみませんか？
お一人でも仲間と一緒でも、どなたでもご応募は大歓迎。たくさんの挑戦をお待ちしています。
高校生のアプリからヒントをもらう
山下：はじめまして、DBPowersの山下晴加と申します。普段は北海道を拠点にClaris FileMakerでのシステム開発などを行っており、今回のFileMaker選手権で松澤さんがアプリ開発に初挑戦されると伺い、サポートに参りました！ さっそくですが、創りたいアプリについて具体的なイメージはありますか？
松澤：よろしくお願いします！ 日常生活で役立つ機能を取り入れたアプリを考えていますが、FileMakerでどこまで実現できるのか、まだ手探りの状態です……。
山下：なるほど。では参考として、以前のFileMaker選手権で高校生が作成したアプリをご紹介しますね。たとえば、こちらは北海道斜里高等学校の生徒が作った「SHIRETOKOいっとこ！！」という観光案内アプリです。食事や景色などのカテゴリを選ぶと関連する店舗やおすすめスポットの情報が表示され、Googleマップで位置情報も確認できます。さらに「ガチャ機能」も搭載されており、訪れた観光地で「行ったよ」ボタンを押すと、ルーレットが回ってご当地キャラクターをゲットできる仕組みになっています。
松澤：ゲーム的な要素を取り入れたアプリには興味があります。たとえば、ゲームのプレイ時間を記録したり、ゲーム内アイテムの素材を管理したりすることもできますか？
山下：ゲームの画像やキャラクターを使用する際は権利関係に注意が必要ですが、大量の情報管理はFileMakerの得意分野です。データ管理をベースに、クイズやガチャのようなゲーム要素を組み合わせることで、使い続けたくなる楽しいアプリが創れますよ！
松澤：スケジュールやリマインダー機能を取り入れた日常管理アプリも考えていて、期限が近づくと「あと〇日」と表示されるような仕組みがあると便利かなと思っています。
山下：期限管理はとても重要ですね。スケジュールを登録すると、ホーム画面にリマインダーや残り期間を表示する仕組みも作れますよ。
松澤：そうなんですね！ 別のアイデアとしては、街で見かけた「印象的な言葉」を集めるというのも面白いのではと思っています。
山下：「言葉を集める」という発想は魅力的ですね！ 新しい言葉や難しい漢字をiPhoneのカメラで撮影して記録し、その意味や読み方も記録しておけるようにすると面白そうです。
松澤：集めた言葉をアプリ内のキャラクターが覚えていく、育成ゲーム的な要素があってもよさそうですよね！ キャラクターが覚えた言葉を話したり、その言葉を使ってコミュニケーションが取れたりすると、さらに面白いかもしれません。
山下：その調子です！ まずは思いついたことをどんどん出していくことが大切です。
遊び心のあるアプリ画面の設計とは
山下：アプリのアイデアが固まってきたら、画面設計から始めましょう！ 必要な要素を洗い出し、まずはホーム画面を作ることで各画面の構成が明確になり、アプリ全体の完成度も高まります。
松澤：先ほどの高校生たちがアプリの最初の画面を作るのには、どれくらいの時間をかけたんですか？
山下：高校生の授業では、4～5時間ほどかけて構想を練りました。実は企業案件でもアイデア出しと画面構成に同じくらい時間をかけます。それくらい最初の画面設計は重要な工程なんです。
松澤：ホーム画面で最初に何を見せるかでアプリの印象が大きく変わりますよね。キャラクターがクイズを出してくれたり、豆知識を教えてくれたりしたら親しみやすそうです。
山下：いいですね。あらかじめクイズ問題をデータとして登録しておけば、「ボタンを押して出題」「正解・不正解の判定」などの機能は簡単に実装できます。全問正解するとキャラクターが進化したり、色が変わったりする要素も追加できますよ。
松澤：いじりがいのあるキャラクターがいたら、別の楽しみ方も増えそうですね。
山下：ホーム画面のレイアウトデザインは紙に描いてもよいのですが、今日はiPadの「フリーボード」というアプリを使って実際の画面イメージを描いてみましょう。「フリーボード」は拡大や縮小も自由にできるので、細かいところまで思いどおりの構成が描けます。
松澤：たとえば、「言葉」「記憶」「今日の予定」「キャラクターの吹き出し」といった要素をホーム画面に組み込んだら、次はどうすればよいですか？
山下：ボタンをタップした先の画面を考え、そこへつなぐ線を描いていきます。たとえば、「言葉」のボタンをタップすると「文字入力」「読み方」といった情報が表示される画面に移動するとよいですね。ここに「写真」を添付する欄も設ければ、街で見つけた看板などのビジュアルに描かれた言葉も記録できます。
松澤：写真からどうやって文字を入力するんですか？
山下：FileMakerの新機能を使えば、画像から文字を自動で読み取ってテキストとして保存できます。もちろん手動による修正も可能で、名刺の読み取りなどにも応用できます。
松澤：音声入力ができるとさらに便利そうですね。
山下：iPhoneのマイクを利用した文字入力にも対応しているので、記録の手間はかなり減らせます！
松澤：登録した言葉は、あとから一覧で見られるようになりますか？
山下：もちろんです。一覧表示で「日付順」「ジャンル別」「お気に入り」などで分類・検索ができます。また、検索窓やフィルタを設けることも可能です。ジャンルによってアイコンや色分けするなど、見た目も工夫できます。
キャラクターとの連係で「覚える」を遊びに
松澤：誕生日など、イベント的な演出も面白いですよね。
山下：いいですね。たとえばクリスマスにはキャラクターがサンタの帽子をかぶるなど、季節感に合わせて見た目が変わる演出は、継続して利用するモチベーションにつながりやすいです。
松澤：まさに“自分だけのアプリ”という感覚を持ってもらえる設計が重要なんですね。
山下：このアプリのもうひとつのポイントは、“キャラクターに言葉を覚えさせる”という育成要素だと思います。これは「単語帳」アプリに近い仕組みですが、遊び感覚で使えるようにすれば達成感も得られて、より面白くなりそうです。
松澤：アプリの画面は、どのように整理していくのがよいでしょうか？
山下：まずは描き出したすべての画面を眺めてみて必要そうなものを選び、そのうえで各画面間の遷移を整理します。場合によっては、似た機能を1画面に統合するのもよいでしょう。たとえば、深い階層からホームに戻れるボタンを用意すると操作性も向上しますし、最近のアプリによくあるように、下部にメニューボタンを配置するのも利便性が高まります。「フリーボード」で実際にレイアウトしてみると、「この画面は1つにまとめたほうがわかりやすいな」といった調整ポイントも出てきますよ。
松澤：さっきまで漠然としていたイメージが、だんだんと形になってきました。最初はなかなかアイデアが思い浮かばず、「もう帰りたい……」というくらい申し訳ない気持ちでいっぱいでした（笑）。でも、私の頭の中のイメージをうまく言語化していただいたり、「こうかな？」と思ったことに対してさらにアドバイスをいただいたりしたおかげで、今はいろんなアイデアが一気に湧き上がってきています。
山下：ありがとうございます。今後は、今日考えた画面構成や情報の整理をもとに、簡単なプロトタイプを作っていく流れになります。手書きで構いませんので、どんどん試して、ブラッシュアップしていきましょう！
松澤：はい！ 今は散らかっているこのアイデアたちを、早く家に帰ってまとめてきちんと提出したいという意欲にあふれています。
Claris FileMakerを使ってみよう！
Claris FileMakerは、Appleの100％子会社であるClarisが開発したローコード開発プラットフォームです。
プログラミングの専門知識がなくても直感的な操作でオリジナルのアプリを作成できるのが大きな特徴で、世界中で130万人以上が、業務効率化やアイデアの具現化に活用しています。
「こんなアプリがあったらいいな」という想いを、FileMakerなら短期間でカタチにできるのです。
FileMakerの製品ページでは、45日間使える無料評価版（Mac、Windows版）を提供中。
FileMaker選手権2025への応募は無料評価版での開発でもOKなので、こちらのページからさっそくダウンロードしてみましょう。
写真●山田秀隆
※本記事はFileMaker 選手権 2025 事務局とのタイアップです。