どんどん賢くなる生成AI。最近はいくつかのAIサービスでアナリストのように質の高いレポートを数十分でまとめてくれる新機能が登場しました。
※この記事は『Mac Fan 2025年5月号』に掲載されたものです。
質問の背景や意図を汲んで“深く思考する”AI
生成AIは目覚ましい進化を遂げており、最近は大規模言語モデル(LLM)ではなく、情報収集と複数の推論で詳細なレポートを素早く出力する推論モデルが登場し始めています。
たとえば、2025年2月にはOpenAI社の「ChatGPT」に「Deep Research」機能が搭載されました。プロンプト欄で[詳細なリサーチ]オプションを有効にしてから質問を入力し、質問の背景や意図などの追加情報を提供すると、従来よりも詳細な回答を返してくれます。
生成にかかる時間は、質問の内容や複雑さによってまちまちで、数分で終わるものもあれば、数十分程度かかるものもあります。しかし、人間が行うよりもはるかにスピーディに調べ上げられるのは間違いありません(最終的な内容の正確性は人間による確認が必要ですが)。
無料でディープリサーチを試そう!
まだ試したことのない人にはぜひ一度使ってみてほしいのですが、ChatGPTのディープリサーチ機能は現在のところ無料ユーザには提供されていません。
そこで有料プランに加入しておらず、推論モデルを無料で試したい場合はAI検索エンジンとして知られる「Perplexity」を使ってみましょう。こちらにも「深い研究」と呼ばれるディープリサーチ機能が搭載されており、質問に対してさまざまな情報源から情報を収集し、包括的なレポートを作成してくれます。
使い方は非常に簡単で、PerplexityのWebサイトやクライアントアプリのプロンプト欄で[深い研究]を選択し、質問を入力するだけ。すると、ChatGPTのように追加の質問を求められることなく、大抵の場合は数分程度で回答を返してくれます。
さまざまな生成AIサービスを試してみよう!
ChatGPTやPerplexity以外にもディープリサーチ機能を搭載した生成AIサービスはありますので、「調べ物」を効率化したい場合は精度などを比較検討して導入してみましょう。




著者プロフィール

栗原亮(Arkhē)
合同会社アルケー代表。1975年東京都日野市生まれ、日本大学大学院文学研究科修士課程修了(哲学)。 出版社勤務を経て、2002年よりフリーランスの編集者兼ライターとして活動を開始。 主にApple社のMac、iPhone、iPadに関する記事を各メディアで執筆。 本誌『Mac Fan』でも「MacBook裏メニュー」「Macの媚薬」などを連載中。