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弾丸を込めるようにバッテリセルを交換! 3in1充電器のギミックに惚れました

著者: 松山茂

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弾丸を込めるようにバッテリセルを交換! 3in1充電器のギミックに惚れました

性能だけがよくても楽しくなければ…

ITライターという仕事柄、いつも新しいガジェットには注目しています。モバイルバッテリは注目しているカテゴリの1つで、ことあるごとに買い求めています。最近ではMagSafeに対応したり、ケーブルが内蔵していたりするなど、特徴ある製品が増えてきましたが、結局は容量やポート数、若干のデザインなどが違うだけ。個人的にモヤモヤしたものを感じていました。

何が言いたいかというと、使っていて面白くない製品が多い! 正直、モバイルバッテリに「面白さ」は必要ないかもしれませんが、個人的には、使っていて楽しさを感じさせないガジェットは魅力が半減すると思うのです。

そんなことを考えているとき、ふと目に飛び込んできたのが今回紹介する「BT-20 MK2 Wingman(以下、BT-20)」という製品です。迷わず購入ボタンを押し、届いたものをしばらく使ってみたので、その魅力と気になる点を紹介しましょう。

BT-20 MK2 Wingman Powerbank module Battery charger

【発売】
虎大工業
【価格】
Basic pack(6100円)、Standard pack[バッテリセル2本付き](7600円)、Extended pack[バッテリセル4本付き](9100円)

ロード&イジェクトでバッテリセルを交換

「BT-20」は、手のひらに収まるサイズのモバイルバッテリで、特徴はバッテリセルが取り外し可能なこと。セルを装着する動作はまるでピストルに弾を込めるようで、バッテリが空になると薬莢のようにセルを取り出して交換する。このギミックがとても楽しいのです。

イジェクトボタンでスライドした「BT-20」のチャンバー部分にセルを差し込みます。
握りしめるようにチャンバーをスライドするとロックして準備完了です。

「BT-20」に使われているのは容量5000mAhの「21700バッテリ」という円筒形のリチウムイオン電池。ノートPCのバッテリパックやモバイルバッテリなどいろいろな製品で使用されている汎用性の高いものです。

「BT-20」と一緒に購入したセルは独自デザインのラップを施したものですが、汎用セルの21700バッテリなので他からも購入できます。

このセルを本体に装着して使う仕組みで、デザインはビデオゲーム「Apex Legends」の「タイタンフォールシリーズ」に登場するウィングマンのピストルからインスパイアされたもの。残念ながらそのビデオゲームは知りませんでしたが、ピストルのチャンバーを連想させる動きとデザインは、私のツボにハマりました。

性能面も遜色なく、最大20Wの高速充電が可能で、PD(Power Delivery)やQC(Quick Charge)、PPS(Programmable Power Supply)、FCP(Fast Charger Protocol)、DCP(Dedicated Charging Port)、AFC(Adaptive Fast Charging)、PEなど各種の充電規格に対応しています。Apple以外のモバイルデバイスを使用している人にも最適の充電アイテムといえるでしょう。

私が購入したのはバッテリセル4本付きの「Extended pack」というパッケージ。セル1本が5000mAhなので、4本使えば2万mAhの大容量モバイルバッテリとして使えます。ゴツい2万mAhのモバイルバッテリを持ち歩くよりは、バッテリセルを交換しながら本製品を使ったほうがコンパクトでよりスマートです。

ECOモードや低電流での充電も可能

実際に使ってみても、充電性能に不満はありません。バッテリ残量表示も見やすく、ボタン操作で放電量制限を5VにするECOモードに切り替えることも可能です。また、ボタンを長押しすれば低電流モードになるので、イヤフォンなど低電流での充電が必要なデバイスにも適しています。

充電や給電に使用するUSB-Cポートは「BT-20」の上部にあります。ファブリック調のUSB-C to USB-Cケーブル(1m)が付属します。
サイドにはバッテリ残量を示すLEDが搭載されています。
ボタンをダブルクリックするとECOモードに切り替わり、LEDが青から緑に変わります。

本体のUSB-CポートはIN/OUT両方に対応しているので、一般的なモバイルバッテリ同様、USB電源アダプタにつなげればセルを充電できます。ただし今回紹介したようにセルを何本も持ち歩いて交換しながら長時間利用するシーンでは、帰宅後に空になったセルを差し替えながら充電するのは面倒です。ということで、複数の21700バッテリを一度に充電できるチャージャも物色しました。

選んだのは、NITECOREの「Ci4」。もともと同社のカメラ用のバッテリチャージャを使っていたことから、信頼性もありました。実際に使ってみると、セルを4本同時に充電できるため、とても効率的でした。

セル4本をまとめて充電するために購入したNITECOREの「Ci4」。21700バッテリ以外にもいろいろなサイズの円筒形バッテリに対応したスマートチャージャです。

使ってみたらわかってきた気になる点

一方で、使い続けるうちにいくつか気になる点も見えてきました。まず、セルの端子が剥き出しになってしまうこと。セルを「BT-20」に装着するとマイナス側の端子は露出したままなので、カバンに入れて持ち運ぶとき、端子に金属が触れるのではと不安になります。幸い、セル4本を挿せるポーチが付属していたので、使わないときは本体からセルを取り出してポーチに入れて持ち歩いています。使うときだけセルを装着して、使い終えたら取り出してポーチに入れるという運用です。

チャンバーの底が開いた状態なのでセルのマイナス側の端子が剥き出しの状態になります。これがちょっと不安。

もうひとつは、セルを取り外す際、重力でセルがするりと落ちてしまうことがあること。イジェクトするとチャンバー内のセルを止めておくものが何もなくなるので、持ち方によっては重力に従ってセルが出てきてしまうのです。実際に落としてしまい、用心のためセルを廃棄して追加購入するハメになりました。

こうした落下を想定しているのか、本製品にはマスキングテープが付属しています。セルに巻くと摩擦係数が増すのでイジェクト時の落下を防げますが、逆にサッと取り出せなくなります。カッコよくセルをイジェクトできるのが本製品の魅力なので悩むところです。

付属のマスキングテープをセルに巻いて少し厚みを出します。
そうすることでイジェクト時の落下を防げます。

ギミック部分の耐久性も気になっています。イジェクトの際に動く部分も含め大半が樹脂製なので、使い続けていくと摩耗やガタが生じてきそうです。多少、重くなっても良いので本体部分を金属製にしたバージョンも作ってくれないでしょうか。虎大工業さん、ぜひご検討を!

それでも、このギミックの楽しさはほかにない魅力です。少し耐久性に不安がある部分はありますが、バッテリ交換時の操作がやみつきになること間違いなし。気になった方はぜひ手に入れてみてください。

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著者プロフィール

松山茂

松山茂

東京の下町・谷中を拠点として日々カメラと猫を愛でながら暮らすフリーライター。MacやiPhone、iPadを初代モデルから使ってきたのが自慢。

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