目次
- ProResとは? iPhoneで撮影できる、高品質で低圧縮率のプロ向け動画フォーマット
- iPhoneカメラのポテンシャルは、ストレージの拡張によって引き出される
- 一眼カメラやシネマカメラユーザに愛される「CFexpress Type Bカード」の高速性能
- CFexpress Type BカードをiPhoneで使いたい! そんなユーザのためのSandiskの“レコーダ”
- 付属のフラットケーブルと強力な磁力吸着で、取り回し抜群の撮影環境を構築!
- 電源ボタンを搭載。無駄なバッテリ消費を起こさない、“気の利いた”レコーダらしい仕様
- Sandiskの“レコーダ”をiPhoneに接続するだけ。ProRes動画は自動でCFexpressに保存される
- Macと接続時の速度を検証。リーダとしても優れた、マルチな性能を発揮!
- Sandiskのレコーダが切り開く、iPhoneとCFexpressカードのポテンシャル。そして新たな映像作成への道
「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type Bカードレコーダー MagSafe対応」は、iPhoneでプロフェッショナルな撮影環境を構築したいユーザにとって、必須アイテムとなるポテンシャルを秘めたアイテムだ。
その製品名のとおり、iPhoneからCFexpress Type Bカードにアクセスするためのアダプタだが、その接続性と機能性はピカイチ。ProRes撮影などで大活躍するだろう。
本記事では、そんな「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type Bカードレコーダー MagSafe対応」をレビューしていく。
ProResとは? iPhoneで撮影できる、高品質で低圧縮率のプロ向け動画フォーマット
製品の使用感に触れる前に、まずはProRes撮影とは何かを解説しておこう。
ProResは情報量の多い動画ファイルのフォーマットだ。iPhone 13シリーズ以降のProおよびPro Maxモデルで撮影できる。
一般に広く使われるH.264やH.265といったコーデックに比べ、圧縮による画質ロスが少ないのが特徴だ。また、本格的なカラー調整や合成といった用途にも適している。さらに、再生時のCPU負荷が低いため、編集作業も軽快だ。

iPhoneカメラのポテンシャルは、ストレージの拡張によって引き出される
一方で、ProResはファイル容量が大きい。iPhoneの内蔵ストレージに直接記録した場合、容量の圧迫は避けられないだろう。また、iPhoneの内蔵ストレージが128GBの場合、記録できる映像の解像度やフレームレートにも制限がある。

iPhone 15世代以降のProおよびPro Maxモデルでは、USB-Cで接続した外付けのストレージにProResフォーマットの動画を直接記録できる。さらに、内蔵ストレージに記録した場合は非対応の4K/60fps(iPhone16 Pro/16 Pro Maxでは最高4K/120fps)での記録も可能となる。
一般に、iPhoneのカメラのポテンシャルはセンサやプロセッサでの処理を中心に語られることが多い。しかし、実は外付けストレージを利用してこそ、本来の性能をフルに引き出せるのだ。
一眼カメラやシネマカメラユーザに愛される「CFexpress Type Bカード」の高速性能
ProRes記録に使用する外付けストレージは、一定以上の書き込み速度が必要だ。たとえばiPhone 16 ProでProRes撮影する場合、4K/120fps記録では440MB/秒以上の速度が求められる。
一般にはUSB-C接続のSSDがよく使われるが、当然ながらそれらはiPhoneやMacなどと接続して使うのが前提となる。
一方、一眼カメラやシネマカメラを利用するプロやハイアマチュアの場合、せっかく大容量なSSDドライブを購入しても、(一部のUSB接続対応カメラを除き)カメラ用には別途メモリーカードを購入する必要がある。
そこで多くのユーザに使われているのが、CFexpress Type Bカードだ。最大転送速度が2000MB/秒と高速性能を誇る。

CFexpress Type BカードをiPhoneで使いたい! そんなユーザのためのSandiskの“レコーダ”
CFexpress Type Bカードを、iPhoneの外部ストレージとしても使えるようにしてくれるのが「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」だ。

CFexpress Type Bのカードリーダは、すでにさまざまな製品が存在する。
そんな中でも、「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」は、「レコーダー」と銘打った、個性が際立つアイテムだ。より安定した書き込み速度、そして小型で、撮影時の取り回しにも優れたボディを採用している。iPhoneの背面に磁力吸着する、MagSafe対応も心強い。
付属のフラットケーブルと強力な磁力吸着で、取り回し抜群の撮影環境を構築!
「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」には、USB-Cのフラットケーブルが付属する。iPhoneに外付けストレージを接続して撮影する場合、邪魔にならない長さのケーブルを探すのは意外と面倒だ。しかし、付属ケーブルはジャストフィットしてくれた。

MagSafe対応というだけあり、磁力もかなり強力だ。当然推奨はしないが、iPhoneに貼り付けた状態で製品をつかみ、手を振っても落下しなかった。

電源ボタンを搭載。無駄なバッテリ消費を起こさない、“気の利いた”レコーダらしい仕様
一般的なカードリーダは、カードが入った状態でデバイスと接続すると、常に“認識されっぱなし”になるものがほとんど。しかし、「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」には電源ボタンが用意されている。撮影しないときは電源をオフにして、バッテリを節約できるのだ。

こうした配慮は、“レコーダ”ならではといえる。単にデータ移行のときだけ使用する“リーダ”ではないのだ。細かいながら、使い込む際の大きなアドバンテージになるだろう。
Sandiskの“レコーダ”をiPhoneに接続するだけ。ProRes動画は自動でCFexpressに保存される
なお、iPhoneに接続後はすぐに外付けストレージとして認識される。そして、動画撮影時にフォーマットをProResに切り替えると、画面下部に[USB-C]と表示され、撮影のスタートと同時に自動でCFexpress Type Bカードに記録される。

外付けストレージへの記録はiOSの標準機能だ。そのため、設定は非常に簡単で、動作も安定している。iPhoneの標準機能の快適さ、そして「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」の堅牢で高級感ある仕様が相まって、トータルの使用感が底上げされているようにも思う。
Macと接続時の速度を検証。リーダとしても優れた、マルチな性能を発揮!
ちなみに、「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」はiPhone専用ではない。Mac、iPad、Windows PCやカメラなど、USB-C接続できるデバイスの外付けストレージとしても利用可能だ。
Macと接続した際の性能も検証してみよう。使用したのは「SanDisk Extreme Pro CFexpress Card Type B – 512GB」。計測は、Macのユーティリティソフト「AJA System Test Lite」を使用する。

結果は、iPhoneのProRes収録における最高の必要条件(4K/120fps記録時の440MB/秒)を倍近く上回った。“問題なく使える”どころか、カードに記録したファイルを直接編集ソフトに読み込むような使い方をしても、十分高速に作業できるだろう。
「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」は「レコーダー」と銘打ち、記録にフォーカスしている。しかし、カメラで撮影した高品質な動画を、iPhoneやMacに読み込む、リーダとしての用途でも大活躍しそうだ。
そうしたカメラで収録した素材は、Macなどハイパワーな環境での編集が一般的だ。しかし、たとえばロケ先で収録した映像の一部を即座にSNSへアップしたい場合など、iPhoneへの接続性が活きるシーンも多々ある。
Sandiskのレコーダが切り開く、iPhoneとCFexpressカードのポテンシャル。そして新たな映像作成への道
現在における「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」は、特に、既存のCFexpressユーザにおすすめしたい製品だ。
CFexpressカードの普及がさらに広がり、iPhoneのProRes撮影が一般的になっていくと、“ド定番”となるポテンシャルも持っている。非常に高い完成度と、Sandiskブランドの安心感も強い。
本格的な映像作成を仕事にしていても、iPhoneでのProRes撮影は試したことがない、という人もいるだろう。そんな人にとって、「SanDisk PRO-CINEMA CFexpress Type BレコーダーMagSafe対応」は新たな撮影環境への扉を開ける鍵でもある。
対応iPhoneをお持ちなら、ぜひ本製品とCFexpressカードを使って、ProRes撮影を試してみてほしい。
おすすめの記事
著者プロフィール
