※本記事は『Mac Fan』2020年4月号に掲載されたものです。
FireWireという遺産
昨年末、部屋の大掃除をした際に大量の外付けハードディスクが押し入れから「出土」しました。中身を確認してから処分しようと思ったのですが、10年以上前と思われる製品もザラ。もちろんインターフェイスが古いので、今のMacと直接接続できません。特にFireWire接続の製品が問題で、6ピンのFireWire400から現行のThunderbolt3に変換するにはどうすればいいのでしょうか。
調べてみると、まずApple純正のThunderbolt3(USB−C)からThunderbolt2への変換アダプタを使い、さらにThunderbolt2からFireWire800の変換アダプタをつなげ、最後に市販のFireWire800から400への変換アダプタをつなぐという、なんともすごい接続になってしまいます。
3段階にもおよぶインターフェイス変換であり、安定性に不安が残ります。そして、何よりも必要などうかわからないHDDの中身を確認して、保存しておきたいファイルがあればコピーするだけなのに、変換アダプタの費用だけで合計1万円を超えてしまうのはコストパフォーマンスが悪すぎです。
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変換スタンドが活躍
そこで、外付けHDDから内部のドライブだけを取り出して、内部インターフェイスからUSBに変換する方法に切り替えました。PCパーツショップでは、幸い2000円前後でこの手のHDDを直結する「お立ち台」スタイルの変換スタンドが販売されています。
ただし、FireWire400世代の外付けHDDだと、ドライブ側の内部インターフェイスが現在主流のシリアルATAではなくIDEである可能性があるので、先に分解して中身を確かめてから購入しましょう。IDEからシリアルATAに変換するアダプタもありますので、変換スタンドはシリアルATAにしておくという手もあります。
接続さえできてしまえば、ドライブが壊れていない限り通常どおり認識できます。思惑どおり必要なファイルをコピーできました。このように2世代以上前のインターフェイスは変換のコストが高いため、本格的に接続できなくなってしまう前に、今時の大容量ストレージやクラウドに引っ越す「デジデジ変換」を検討する時期に来ているのではないでしょうか?
著者プロフィール
栗原亮
1975年東京都日野市生まれ、日本大学大学院文学研究科修士課程修了(哲学)。 出版社勤務を経て、2002年よりフリーランスの編集者兼ライターとして活動を開始。 主にApple社のMac、iPhone、iPadに関する記事を各メディアで執筆。 本誌『Mac Fan』でも「MacBook裏メニュー」「Macの媚薬」などを連載中。